著者
依田 高典 石原 卓典
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.132-142, 2019-02-15 (Released:2019-02-15)
参考文献数
23

金銭的インセンティブとナッジがどのような人間の行動変容をもたらすのか,行動経済学的なエビデンスの蓄積が進んでいる.本稿では,フィールド実験を通じた健康増進の先行研究の結果を概観し,京都府けいはんな学研都市で行った著者らの研究結果も紹介する.
著者
佐々木 周作 石原 卓典 木戸 大道 北川 透 依田 高典
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.12, no.Special_issue, pp.S14-S17, 2019 (Released:2020-03-17)
参考文献数
8

本研究では,日本全国に居住する20–69歳の男女個人8,520名を対象にオンライン実験を行い,その中で2つの寄付先活動(植林活動・被災者支援活動)を設定して,マッチング寄付・社会比較・両者の組合せの介入がそれぞれの活動に対する寄付額選択にどのような影響を及ぼすかを明らかにした.分析から,以下の結果が得られた.まず,平均介入効果は寄付先活動によって大きく異なることが分かった.具体的には,マッチング寄付単体の介入は植林活動では平均的に寄付額を上昇させる正の効果を持つが,被災者支援活動では同様の効果を持たなかった.さらに,機械学習の手法を使用して回答者ごとの介入効果を推定して,介入効果の分布の特徴と寄付先活動による分布の違いを明らかにするとともに,同一個人内で寄付先活動毎の介入効果を比較することにより,寄付先活動の違いによらず同様の介入効果を持つケースと,寄付先活動の違いによって異なる介入効果を持つケースの両方が存在することを明らかにした.
著者
石原 卓 野上 恵嗣
出版者
日本小児血液・がん学会
雑誌
日本小児血液・がん学会雑誌 (ISSN:2187011X)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.201-207, 2017 (Released:2017-12-08)
参考文献数
25

L-アスパラギナーゼ(L-Asp)を含む小児急性リンパ性白血病(ALL)の寛解導入療法の合併症の一つに凝固障害症がある.L-Asp投与によるアスパラギンの枯渇から生体内での蛋白合成が阻害され,肝臓における凝固因子や線溶因子などの産生障害がL-Asp関連凝固障害症の機序の一端になり得るとされるが,L-Asp関連凝固障害の病態はいまだ完全には解明されていない.新鮮凍結血漿,アンチトロンビン製剤,低分子ヘパリンなどによる支持療法が行われてきたが,至適な支持療法の確立にも至っていない.我々の教室は,包括的な凝固能と線溶能を同時に評価可能なトロンビン・プラスミン生成試験(T/P-GA)を新たに確立し,小児ALL3例(第1寛解期の再寛解導入療法2例と初発時寛解導入療法1例)においてこの評価法を用いて検討した.3例ともL-Asp投与中は包括的な凝固能が亢進し,逆に線溶能は抑制され,特にL-Asp投与相後半のフィブリノゲン(Fbg)低下時に向凝固・低線溶状態が顕著であり(差が1.5~2.6倍),相対的に凝固能優位な凝血学的に不均衡状態であることを初めて報告し,真の病態解明への第一歩を踏み出すに至った.L-Asp関連凝固障害の病態解明と最適な支持療法の確立のために,現在,血栓症の好発時期とされる寛解導入療法後半に着目し,新規診断された小児ALLの寛解導入療法において試料を収集して包括的な凝固線溶機能解析を行う多施設共同の前方視的臨床研究が進行中である.
著者
森下 浩二 横川 三津夫 宇野 篤也 石原 卓 金田 行雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.17, pp.1-5, 2014-12-02

現在日本最速のスーパーコンピュータである 「京」 を用いて,一様等方性乱流の超大規模直接数値シミュレーション (DNS) を実現するために,地球シミュレータ向けに開発された,フーリエ・スペクトル法に基づく一様等方性乱流の DNS コードの 「京」 への移植,及び最適化を行った.移植の際には,従来の 1 次元分割によるデータ分散手法から,より効率的な All-to-all 通信が可能であると考えられる 2 次元分割による手法へと変更を行った.その結果,「京」 の 192×128 ノードを用いて最大格子点数 122883 の超大規模 DNS の実現に成功した.これはプロダクトランとしては世界最大の一様等方性乱流の DNS である.ピーク性能比として,格子点数 61443,81923,122883 の DNS でそれぞれ 3.84%,3.14%,2.24% の実効性能が得られた.また,コードの更なる高効率化のために,乱流 DNS 特有のアルゴリズムに対する最適化を試み,その性能評価を行った.
著者
石原 卓弥
出版者
東京大学経済学研究会
雑誌
東京大学 経済学研究 (ISSN:2433989X)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.1-5, 2019 (Released:2019-07-15)

本研究ノートは,非分離的モデルのパネルデータを用いた識別に関する最近の研究成果のサー ベイ論文である.非分離的モデルは個人の異質性を考慮したモデルであり,近年,その重要性が 広く認識されるようになっている.非分離的パネルデータモデルの識別に関する多くの研究で は,“stayers”と呼ばれるサンプルが識別の鍵となっている.そこで本研究ノートでは,第2 節で “stayers”と呼ばれるサンプルを用いた2 つの論文を紹介する.しかし,これらの識別方法ではDID (difference-in-difference)モデルをカバーすることができない.そこで,第3 節で“stayers”を 用いない非分離的モデルの識別方法を紹介する.
著者
森下 浩二 横川 三津夫 宇野 篤也 石原 卓 金田 行雄
雑誌
研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.2014-ARC-213, no.17, pp.1-5, 2014-12-02

現在日本最速のスーパーコンピュータである 「京」 を用いて,一様等方性乱流の超大規模直接数値シミュレーション (DNS) を実現するために,地球シミュレータ向けに開発された,フーリエ・スペクトル法に基づく一様等方性乱流の DNS コードの 「京」 への移植,及び最適化を行った.移植の際には,従来の 1 次元分割によるデータ分散手法から,より効率的な All-to-all 通信が可能であると考えられる 2 次元分割による手法へと変更を行った.その結果,「京」 の 192×128 ノードを用いて最大格子点数 122883 の超大規模 DNS の実現に成功した.これはプロダクトランとしては世界最大の一様等方性乱流の DNS である.ピーク性能比として,格子点数 61443,81923,122883 の DNS でそれぞれ 3.84%,3.14%,2.24% の実効性能が得られた.また,コードの更なる高効率化のために,乱流 DNS 特有のアルゴリズムに対する最適化を試み,その性能評価を行った.
著者
森下 浩二 横川 三津夫 宇野 篤也 石原 卓 金田 行雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.17, pp.1-5, 2014-12-02

現在日本最速のスーパーコンピュータである 「京」 を用いて,一様等方性乱流の超大規模直接数値シミュレーション (DNS) を実現するために,地球シミュレータ向けに開発された,フーリエ・スペクトル法に基づく一様等方性乱流の DNS コードの 「京」 への移植,及び最適化を行った.移植の際には,従来の 1 次元分割によるデータ分散手法から,より効率的な All-to-all 通信が可能であると考えられる 2 次元分割による手法へと変更を行った.その結果,「京」 の 192×128 ノードを用いて最大格子点数 122883 の超大規模 DNS の実現に成功した.これはプロダクトランとしては世界最大の一様等方性乱流の DNS である.ピーク性能比として,格子点数 61443,81923,122883 の DNS でそれぞれ 3.84%,3.14%,2.24% の実効性能が得られた.また,コードの更なる高効率化のために,乱流 DNS 特有のアルゴリズムに対する最適化を試み,その性能評価を行った.