著者
大石 匠 深谷 千絵 笠井 俊輔 太田 淳也 国分 栄仁 齋藤 淳 石原 和幸 中川 種昭
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.406-413, 2015-01-30 (Released:2015-02-18)
参考文献数
33
被引用文献数
1 1

本研究は,in vitro バイオフィルムに対するシタフロキサシン(STFX)の効果を検討することを目的とした。歯周病においてバイオフィルムは複数菌で構成され,抗菌薬に耐性を示すことが知られている。 STFX はニューキノロン系経口抗菌薬であり嫌気性口腔細菌を含む幅広い抗菌スペクトラムを示す。我々は微量流体デバイス BioFlux を採用した。BioFlux は嫌気条件下で自動的に培地を排出可能であり,本研究に有用と考えた。Porphyromonas gingivalis ATCC33277 および Streptococcus gordonii ATCC35105 の 2 菌種混合液を用い,37℃,2 時間かけバイオフィルムを形成させ,顕微鏡にて確認した。STFX または対照薬アジスロマイシン(AZM)を添加後,嫌気条件下で 5 日間作用させた。薬剤濃度は経口常用量投与時の歯肉組織および歯肉溝滲出液中濃度に基づき,STFX は 0.65 および 1.30 μg/ml,AZM は 2.92,3.95 および 7.90 μg/ml とした。薬剤作用後の生存率は,染色後の画像解析にて定量した。 その結果,抗菌薬作用群すべてにおいて,生存率の減少を認めた。STFX 作用後の生存率は,AZM 各群と比較して有意(p<0.05)に少なかった。以上の結果より,STFX はバイオフィルム中の歯周病原細菌に対して破壊効果を有することが示唆された。 日本歯周病学会会誌(日歯周誌)56(4):406-413,2014
著者
石原 和幸 上田 真由美 平野 靖 梶田 将司 間瀬 健二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.454, pp.51-56, 2008-01-17
被引用文献数
4

献立を考えることは,料理をする人の約半数が面倒だと感じている.料理レシピを提供するWebサイトなどが多数存在するが,その多くでは利用者個人の嗜好を反映した献立決定の支援は行われていない.そこで,TF-IDF(Term Frequency-Inverted Document Frequency)における単語の特徴を尺度化する考えを食材の特徴の尺度化に用い,食材利用頻度と食材の特異度から各個人における食材の特徴を尺度化するFF-IRF(Foodstuff Frequency-Inverted Recipe Frequency)を提案する.これにより,食材に対する個人の嗜好を反映することを可能にする.提案手法の有効性を検証するため,評価実験用システムを実装し,個人の調理履歴と料理レシピ提供サイトのクックパッドのデータを用い評価実験を行った.実験結果より本手法の有効性について述べる.
著者
清水 正樹 田端 麻紀子 平石 徹 高田 利彦 疋田 宗生 石原 和幸 中川 種昭
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.155-161, 2006-09-28 (Released:2010-07-21)
参考文献数
12

In vitro歯周病関連菌biofilm形成モデルを構築し, 本モデルに対するポビドンヨード (PVP-I) を含む各種含嗽剤の殺菌力を検討した. ポリカーボネイトメンブレン (PCM) 上でActinobacillus actinomycetemcomitans Y4 (ATCC 43718) を単独培養することにより本菌biofilm像が, またA.actinomycetemcomitans Y4, Streptococcus oralis ATCC 10557およびFusobacterium nucleatum ATCC25586を混合培養することにより上記3菌種の混合biofilm像 (共凝集像) が観察され, 本歯周病関連菌biofilm形成モデルの構築が確認された.A. actinomycetemcomitansを1および3日培養することにより形成されたbiofilmに対して0.23%PVP-Iを3分間作用させた場合, 本菌の生菌数変化はそれぞれ-3.59および-3.39 (Δlog10CFU/mL) であり, 本菌biofilmに対するPVP-Iの殺菌力は0.02%塩化ベンゼトニウム (BEC) および0.002%グルコン酸クロルヘキシジン (CHG) と比較して強かった.また本菌biofilmに対して0.23%PVP-Iを1分間×3回/日繰返し作用させた場合, 5日目における本菌の生菌数変化はそれぞれ-4.85および-3.55 (Δlog10CFU/mL) であった.A.actinomycetemcomitans, S. oralisおよびF. nucleatumを1日混合培養することにより形成されたbiofilmに対して0.23%PVP-Iを3分間作用させた場合, 上記3菌種の生菌数変化はそれぞれ≦-3.00, -2.31および≦-1.50 (Δlog10CFU/mL) であり, 3菌種の混合biofilmに対するPVP-Iの殺菌力は0.02%BECあるいは0.002%CHGと比較して強かった. 以上, 歯周病関連菌biofilmに対してPVP-Iが有効であることが明らかとなった.