著者
中脇 望 舟阪 淳一 石田 賢治 天野 橘太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.560, pp.13-18, 2003-01-09

近年のインターネット上で提供されるコンテンツの多様化に伴い,コンテンツが大容量化する傾向にある.利用者がこのようなコンテンツをより早く取得できるようにすることは重要な課題である.この要求を満たすために,1つのファイルを複数のブロックに分割し複数のサーバから並列にダウンロードする方式が提案されている.しかし,既存の方式は(1)コンテンツを要求する際あらかじめ分割数を決定しておく必要がある,(2)クライアントから各サーバへの利用可能帯域について考慮していない,という問題点がある.そこで本稿では,各サーバに対するスループットを観測することにより,リクエストするブロックのサイズを動的に変更する方式を提案した.提案方式ではファイル分割数も動的に決定される.インターネットを用いて評価した結果,提案方式の方が従来方式よりファイル取得時間を短縮化できることが分かった.
著者
舟阪 淳一 二矢川 敏夫 石田 賢治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.36, pp.19-24, 2009-05-14
被引用文献数
1

ファイルを部分に分解し、複数のサーバから同時に別々の部分を取得することによって高速化を図る並列ダウンロードが提案され、効率的な実行について研究が重ねられてきている。従来のTCPを用いる方法には、データリンクで損失の多発するネットワークにおいては性能が低下するという問題があった。これを解決するために我々はTCPの替わりにSCTPを用い、特にマルチストリーム機能の適用に注目した並列ダウンロード方式を提案してきた。本稿ではSCTPマルチストリームを用いて並列ダウンロードを実現する方法を検討し、用いるサーバを1台のみに簡単化して(分割ダウンロードとして)シミュレーション実験により評価する。ここではネットワーク環境のパラメータである遅延、パケットロス率を変更し、方式のパラメータである同時リクエスト数、分割数、ストリーム数をさまざまにとり、シミュレーション実験を行った。その結果、SCTPマルチストリームが分割ダウンロードのロス耐性を向上させる効果をもつことが明らかとなった。
著者
中脇 望 舟阪 淳一 石田 賢治 天野 橘太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.564, pp.13-18, 2003-01-09

近年のインターネット上で提供されるコンテンツの多様化に伴い,コンテンツが大容量化する傾向にある.利用者がこのようなコンテンツをより速く取得できるようにすることは重要な課題である.この要求を満たすために,1つのファイルを複数のブロックに分割し複数のサーバから並列にダウンロードする方式が提案されている.しかし,既存の方式は(1)コンテンツを要求する際あらかじめ分割数を決定しておく必要がある,(2)クライアントから各サーバヘの利用可能帯域について考慮していない,という問題点がある.そこで本稿では,各サーバに対するスループットを観測することにより,リクエストするブロックのサイズを動的に変更する方式を提案した.提案方式ではファイル分割数も動的に決定される.インターネットを用いて評価した結果,提案方式の方が従来方式よりファイル取得時間を短縮化できることが分かった.
著者
赤瀬 謙太郎 小畑 博靖 石田 賢治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.92, no.4, pp.624-632, 2009-03-25
被引用文献数
6

べストエフォートネットワークであるIPネットワークにおいて,高い通信品質を必要とする重要通信やリアルタイムアプリケーションに通常のTCPを用いると,必要な帯域が確保できないという問題が生じる.このようなアプリケーションに安定した通信品質を提供するためには,帯域の確保が有効である.現在,送信端末のTCPふくそう制御のみを用いて帯域確保を実現する技術が提案されている.しかしながら,従来方式では帯域確保のために積極的なウィンドウ制御を行うため,通信回線が重度のふくそうに至った場合,逆に帯域確保が困難になるという問題がある.そこで本論文では,背景フロー数が多い状況下や帯域確保TCPフローが複数本存在するといったネットワークのふくそう度が高い状況において,目標帯域を一時的に下げることでふくそうを回避し,その後ふくそうの度合が緩和された際に目標帯域の確保を目指すTCPふくそう制御方式を提案する.シミュレーション評価により,提案方式は従来方式に比べ,ネットワークのふくそう度が高い場合でもボトルネックリンクの帯域利用率を低下させることかく一定の帯域を確保できることが分かった.