著者
神原 文子
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.14-23, 2004-02-29 (Released:2009-08-04)
参考文献数
19

本稿では, はじめに, 「女性にみる結婚の意味を問う」うえでの検討課題を整理する。たとえば, 結婚の意味を問う「女性」とは誰のことか?女性たちの多様な結婚観をどのように類型化するか?現代日本は, 晩婚化・未婚化と言えるのか?など。そのうえで, 既存の官庁統計, インターネットからの情報, 学生たちへのアンケートやシングル・マザーの友人たちからの聞き取りデータをふまえて, 未婚女性にみる結婚の意味について考察する。明らかになった興味深い点をいくつか列挙すると, 以下のとおりである。 (1) 結婚情報におけるジェンダー格差が顕著であること。 (2) 女性の場合, 独身生活の利点が男性よりも高く, 理想の結婚相手へのこだわりが男性よりも高い分, 独身生活から結婚生活へ乗り換えるという選択が男性以上に難しいこと。 (3) 現代女性の結婚イメージの中には, 前近代的な結婚イメージ, 近代的な結婚イメージ, ポスト近代的な結婚イメージが混在していること, など。
著者
神原 文子 本村 めぐみ 奥田 都子 冬木 春子
出版者
神戸学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

第1に、ひとり親家族に育つ50人ほどの子どもを対象にしてインタビュー調査を行い、ひとり親家族の生活状況を捉えた。そのなかで、ほとんどの子どもたちがひとり親家族で育っていることを受容していることを明らかにした。第2に、ひとり親家族で育っている高校生と、ふたり親家族で育っている高校生を対象に「高校生の生活と意識調査」を実施した。その結果、ひとり親家族で育つ生徒とふたり親家族で育つ生徒の比較によると、親子関係の良好さには違いはないが、ひとり親家族に育つ高校生のほうが、小遣いが少ないこと、アルバイトをよくしていること、学習時間が少ないこと、大学進学希望が低いことなどが明らかになった。
著者
稲葉 昭英 石原 邦雄 嶋崎 尚子 渡辺 秀樹 永井 暁子 西野 理子 石原 邦雄 嶋崎 尚子 渡辺 秀樹 田中 重人 藤見 純子 永井 暁子 西村 純子 神原 文子 保田 時男 澤口 恵一 福田 亘孝 田渕 六郎
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究は、1999年と2004年に行われた全国家族調査に引き続く第3回調査(NFRJ08)を計画・実施し、公共利用データを作り上げることを目的とする。2008年11月~12月に、日本の全国(島嶼部を除く)に居住する28歳から72歳までの男女を対象に9,400人を層化二段無作為抽出によって抽出、2009年1月~2月に訪問留め置き法に実査を行い、5,203名から回収票を得た(回収率55.4%)。