著者
駒井 三千夫 神山(渡部) 麻里 神山 伸 大日向 耕作 堀内 貴美子 古川 勇次 白川 仁
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.131, no.4, pp.248-251, 2008 (Released:2008-04-14)
参考文献数
13

ビタミンは,基本的には食品から摂取されなければならないが,大量に摂取することによって,基本的な生理機能の働きのほかに疾病を予防するなどの新規な機能を発揮することが知られてきた.また,体力増強や疲労回復などにもビタミンが利用されるようになってきた.このように,ビタミンを所要量の数倍から数十倍摂取すると,体内におけるビタミンの薬理作用が期待されている(薬理量,保健量の摂取).当論文では,ビオチンによる新規生理作用のうち,とくに高血圧症改善効果に関してまとめた.ビオチンの摂取によって耐糖能とインスリン抵抗性の改善はすでに報告されているが,今回は脳卒中易発性高血圧自然発症ラット(SHRSP)を用いて,高血圧改善効果を証明できたので報告する.すなわち,毎日3.3 mg/L水溶液の飲水からのビオチンの摂取によって,飼育2週目以降で高血圧症が改善されることを見出した.このように,本態性高血圧症を呈するSHRSPにおいてビオチン長期摂取により血圧上昇抑制効果が確認され,またそれによる動脈硬化の軽減が実際に示された.さらに,ビオチンの単回投与による血圧降下作用の検討によって,この作用はNOを介さない経路での可溶型グアニル酸シクラーゼ活性化を介したcGMP量増加の機構(Gキナーゼ介在による細胞内Ca2+濃度の低下)による可能性が示唆された.
著者
神山 伸弘
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部紀要 = JOURNAL OF ATOMI UNIVERSITY FACULTY OF LITERATURE (ISSN:13481444)
巻号頁・発行日
no.45, pp.A11-A42, 2010-09

ヘーゲルは、1822/23年冬学期の「世界史哲学」講義において〈インドの天文学〉に関して詳細な言及をしている。しかしながら、ガンス版ないしカール・ヘーゲル版の『歴史哲学』では、それが明確に跡づけられず、かえって〈インドの天文学〉のいかがわしさのみが伝わる格好になっている。しかし、〈インドの天文学〉を詳細に伝える「世界史の哲学」講義のイルティング版にしても、集積テキストの編纂という方法論が禍して、ヘーゲルが〈インドの天文学〉をそれなりに評価していた文脈を読み取ることが難しいものとなっている。 本稿では、イルティング版とグリースハイム・ノートとを対比するなかでイルティング版の問題点を指摘しながら、さらに〈インドの天文学〉を理解するために必要な知見を確認する。そして、そのことを通じて、ヘーゲルが「世界史哲学」を講義するさい、経験的知識を〈情報知〉として可能なかぎり収集している姿を浮き彫りにしていく。
著者
神山 伸弘 石川 伊織 板橋 勇仁 栗原 裕次 柴田 隆行 田中 智彦 東長 靖 橋本 敬司 早瀬 明 久間 泰賢 権左 武志
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ヘーゲルの世界史哲学講義(1822/23)については、本邦では、その世界像を結ぶための文化接触資料が必ずしも明確でなく、そのオリエント論に対する評価も低い。この事情を批判しながら、本邦ではじめてその資料源泉を探求しつつ本講義を翻訳し訳註を付するなかで、ヘーゲルのオリエント世界像は、ヨーロッパに映った近代オリエント世界像として反歴史的な空間的併存を示すとともに、ヨーロッパ的普遍史を脱却する歴史的理解も示しており、これらを通じて-ロマン派批判も込められたかたちでの-オリエントとヨーロッパの相互承認関係を展望していることが明らかになった。