著者
神田 知子 安藤 真美 高橋 徹 丸山 智美 五島 淑子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.1005-1009, 2008 (Released:2010-07-29)
参考文献数
22
被引用文献数
3

We analyzed the levels of free amino acids and related substances, and nucleic acid-related compounds in a niboshi extract soup stock and niboshi-flavored mixed seasoning soup stock by using an amino acid analyzer. Niboshi (30 g) was soaked in 1 l of water for periods of 0, 30, and 180 min. Each solution was boiled for 5 min and used to prepare the niboshi extract soup stocks. These soup stocks contained serine, 3-phospho-1-serine, taurine, threonine, aspartic acid, asparagine, glutamic acid, glutamine, glycine, alanine, valine, cysteine, methionine, cystathionine, isoleucine, leucine, tyrosine, tryptophan, phenylalanine, ornithine, lysine, histidine, arginine, hydroxyproline, proline, urea, NH3, and nucleic acidrelated compounds of ATP, ADP, AMP, IMP and HxR. The mole fraction of glutamic acid in the total amino acids and their related substances in the mixed seasoning soup stock was 95%. The only nucleic acid-related compound detected in the mixed seasoning soup stock was IMP. The glutamic acid content was over 11.8-fold higher in the mixed seasoning soup stock than in the niboshi extract soup stocks. The IMP content was over 2.9-fold higher in the niboshi extract soup stocks than in the mixed seasoning soup stock.
著者
神田 知子 安藤 真美 五島 淑子 櫻井 菜穂子 花井 玲子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.390-400, 2004
参考文献数
20
被引用文献数
2

山口県の豆類といも類を用いた料理に関するアンケート調査および聞き取り調査を行い,山間部(阿東町)と海岸部(山陽町)における地域性を検討したところ,以下の知見が得られた. 1)阿東町は豆類やいも類の自家栽培が多く,平均6.4種類の作物を栽培していた. またきな粉,豆腐,こんにゃくなどの食品を手づくりしている世帯も多かった. 一方,山陽町では,平均2.8種類の作物が栽培されていた. 2)阿東町では,自家栽培の多い食材を用いた料理が多く,工夫して食されていることが明らかとなった. 一方,山陽町では出現した料理の種類が多く,とくにじゃがいもと木綿豆腐の料理が多かった. 3)行事に関連する料理は阿東町の方が多く,葬式の料理を地域で作るという風習も残されていた. 4)豆類を用いた郷土料理である「けんちょう」と「いとこ煮」について検討した結果,材料や作り方に両地域で違いが見られた. 本研究を行うにあたり,アンケート調査にご協力いただきました阿東町消費者連絡協議会と山陽消費者の会の皆様に深謝いたします. なお本研究は日本調理科学会特別研究「調理文化の地域性と調理科学」の一環として行った. また平成13年度日本調理科学会大会において発表した.
著者
神田 知子 高正 晴子
出版者
山口県立大学
雑誌
山口県立大学学術情報 (ISSN:18826393)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.50-55, 2008-03-31

朝鮮通信使とは,江戸時代に1607年から1811年まで,約200年間計12回にわたり,朝鮮国王から幕府に派遣された総勢300~500人もの平和外交使節団である.2007年は第1回から400年目の年にあたるため,「朝鮮通信使400周年記念,しものせき馬関まつり参加事業」の一環として朝鮮通信使おもてなし (饗応)料理の再現が行われた.再現した料理は1711年8月29日に,長州藩主毛利吉元が自ら接待にあたり,「長門下之関御馳走一番(長州藩の御馳走が一番)」と評された時の饗応料理の中で,三使(正使,副使,従事官)に提供された五五三膳と引替三汁十五菜の一部である.再現料理に要した食材料の種類から,動物性たんぱく質源である魚介類が多いことがわかった.また,保存効果や抗菌効果をもつ山椒やからし,わさびなどの香辛料が多用されていることがわかった。