著者
相馬 洋平 松永 哲雄 曽我 仁 内山 尚志 福本 一朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.304, pp.43-46, 2005-09-15
被引用文献数
2

音楽は生体に対し生理的、心理的に良い影響をもたらすことが報告されている。本研究は、精神作業負荷として暗算作業を課し、3つの音楽条件下(気分向上音楽、リラックス音楽、無音)においての作業効率を調査することを目的とした。生体に対する影響について主観的、客観的評価を行った。主観的評価として、STAIおよびPOMSを用いた。また、客観的評価としてフリッカーを用いた。結果は、リラックス音楽において作業時間と誤答率が改善される傾向が示された。また、STAI状態不安およびPOMS素得点変化、フリッカー値においても同様の傾向が示された。よって、暗算作業においてリラックス音楽環境が仕事の効率が上がる可能性が示唆された。
著者
曽我 仁 相馬 洋平 Kum ken-chee 歸山 智治 内山 尚志 福本 一朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.253, pp.57-60, 2006-09-18
被引用文献数
2

近年,良質な睡眠を得るための睡眠環境に関する研究が多く報告されている.しかしながら,起床環境に関する研究はあまり報告されていない.本研究は快適な起床環境の構築を目的とし,前段階として被験者6人に対して起床音圧の差異(60dB or 80dB)が起床状態に与える影響を調査した.生体に対する影響について覚醒度:AAC,交感神経活動:LF/HF唾液中クロモグラニンA,活動性と気分の状態:GVA作業能率:作業能率課題解答率を用いて評価した.結果は低音圧(60dB)において覚醒度,括動度が高く交感神経活動が優位であり,高音圧(80dB)では気分が良い傾向が示された.
著者
福本 一朗 織田 豊 佐橋 昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.304, pp.1-6, 2005-09-15
被引用文献数
1

2004年は中越大震災やインド洋大津波などの大規模な自然災害に見舞われた年であった。ただ新潟県においては6400名の死者を出した1966年の阪神淡路大震災の教訓を生かせたために、地震の二次被害も少なく、死者が46名に止まったことは不幸中の幸いであった。しかし筆者の避難所救護活動の経験からも、ライフラインの廃絶した孤立都市での医療安全に関しては、ハード・ソフトともにこの10年ほとんど改善が見られなかったと言わざるを得ない。本研究では大災害時における病院・診療所・避難所などにおける医療活動が必要最低限確保できるための医療安全システムに要求されるスペックを考察するとともに、抗堪性の高い医療機器を作り上げるための基礎研究を行うとともに、バイタルサイン計測装置・避難所救急医療電子カルテ装置・診療情報伝送システムなどを開発することを目的とした。本研究はさらには最低限の供給が望まれるessential drugとその常備方法などのハード面および、緊急時医療福祉通信システムや災害時の高齢者福祉システム・医療従事者リクルーティングシステムや緊急時食料・備品の配布システムなどのソフト面に到るまで総合的な大災害時医療安全システムについての調査検討と行政と市民に対する提案に繋がるものである。
著者
郭 怡 内山 尚志 長谷川 明弘 史 学敏 中川 弥栄子 田中 政春 福本 一朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.330, pp.23-29, 2000-09-22
被引用文献数
1

痴呆脳に脳容積の萎縮、神経細胞の脱落、脳血流量の低下などの変化が観察されている。そこで、我々はこれらの病理変化から考え、電気刺激が神経活動を誘発できる事実に基づき、末梢神経に電気刺激を加えることによって、低下した神経活動を活性化させ、痴呆症状の改善さらに痴呆のリハビリを目指している。痴呆患者20人を被験者にし、脳神経により近い眉間(睛明穴)に微弱な電流を1回つき30分間、週3回、一ヵ月間行った。その結果、刺激群はコントロール群に比べ、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)及び短期記憶検査の得点が有意に上昇した。したがって、末梢神経への電気刺激が導入神経を通して記憶などの高次脳機能関する中枢神経に伝達され、その活動を賦活したと推測される。
著者
小野寺 一 高橋 直之 福本 一朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.95, no.286, pp.41-46, 1995-09-30
参考文献数
8
被引用文献数
6

本研究の目的は、バイオフィードバックの手法を用い仮性近視の自己治療を行うことである。バイオフィードバック情報を水晶体厚みの変化とし、この計測をするためにPurkinje-Sanson像を検討した。この計測法は、簡単な光学系を用いて非侵襲かつ実時間で水晶体厚み計測が可能である。初めに水晶体の代わりに両凸レンズを用いてPurkinje-Sanson像の有用性を確認し、これを基に豚の眼球を用いて基礎実験を行った。その結果、計測データと実測データの間で良い関係が得られた。
著者
川田 章弘 福本 一朗
出版者
Japan Ergonomics Society
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.261-272, 2000-10-15 (Released:2010-03-12)
参考文献数
13
被引用文献数
1

若年者, 高齢者がともに聞き取りやすい報知音の特徴を調査するため, 以下に示す4種類の報知音: (1) 2kHz純音, (2) 2kHzと2.5kHzの正弦波信号を乗算処理したAM音, (3) 3kHzから0.5kHzへと変化する周波数掃引音, (4) 0.2kHzから2.7kHzへと変化する周波数掃引音を試作し, 単純反応時間によって聞き取りやすさの検討をした. また, これらの報知音に対する切迫性についての聴取印象も評価した. 結果, (3), (4) の報知音においては, 高齢者-若年者間や男女間に聴取印象の相違があることを示した. 単純反応時間と聴取印象の総合的評価の結果, (2) の報知音がもっとも優れていると考えられる. これらの結果から, 高齢者と若年者が共に聞き取りやすい報知音を作成する方法として, 複合音の使用や経時的に周波数の変化する音の使用を提案する.
著者
市川 晃 佐藤 英哉 島田 哲雄 尾脇 志麻子 西村 義孝 福本 一朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.478, pp.105-110, 2001-11-22

輸血後GVHDとは, 輸血血液中の供血者リンパ球が受血者の体細胞を攻撃する輸血による重篤な副作用である.発症すると有効な治療法が存在せず, ほぼ100%が死亡する.そのため予防措置が重要とされ, 現在血液製剤に対する放射線照射によるリンパ球の不活化が行なわれている.しかし, これは高コスト, 照射直後からの血漿中K+イオン濃度の上昇などの問題点が多い.紫外線にもリンパ球を不活化する効果があり, 放射線の代わりに用いることで, それらの問題を改善できると考えられる.紫外線は低エネルギーであることなどの問題があったが, 水銀キセノンランプを使用し高強度紫外線照射をした場合, 高いリンパ球不活化効果を得られることが分かった.そこで本研究では, 血液製剤に対する保存前, または輸血時紫外線照射を目的とした装置開発と, それにともなった照射条件の検討を行なった.
著者
齋藤 友幸 内山 尚志 福本 一朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.332, pp.59-64, 2001-09-28
被引用文献数
3

本研究は、高齢者の労働を支援するための環境を作り出すことを目的としている。我々は、精神疲労を低減させる事に着目し、疲労を低減させる光環境の構築を試みた。まず、光環境システムの構築を行った。次に、光環境システムを用いて、各色(白、赤、青、黄)における精神疲労を測定した。精神疲労を誘発させる課題は、計算課題を用いた。精神疲労の評価は、フリッカー値、握力、被験者の主観評価を用いた。結果、黄色の環境では、他の色と比べて精神疲労が有意に低減を見出したので報告する。
著者
日吉 功 児玉 直樹 和久井 章人 福本 一朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.478, pp.39-44, 2000-11-23
被引用文献数
1

Purkinje-Sanson像計測法を用いて仮性近視回復の効果を測定した.対象は仮性近視8名, 正視2名の合計10名であった.今回比較を行ったのは, Purkinje-Sanson像計測法と市販されている計測器であるMD-SS型視力訓練機であった.Purkinje-Sanson像による計測ではPS-1とPS-3の間の距離の変化を測定した.Purkinje-Sanson像計測法はMD-SS視力訓練機に比べて, 回復傾向が見られた.これらのことから, Purkinje-Sanson像計測法を用いて仮性近視の回復が行える可能性が示唆された.
著者
福本 一朗
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.94, no.261, pp.25-31, 1994-09-29
被引用文献数
1

人間のリズム認識・記憶機構に注目し、基礎的な記憶再生実験を行なって健常者のリズム記憶容量を測定した結果、約5bitという値を得た。またリズム認識機構アルゴリズムを考案しニューロンモデルで実現した。以上の結果をもとにリズム記憶能力が短期記憶の反響回路一巡容量に依存することを仮定して、聴覚障害者の発話能力訓練装置開発をめざした基礎データの一つとして聾学校生徒のリズム記憶容量を測定し健常人より約1bit程度少ないことを見いだした。
著者
歸山 智治 児玉 直樹 島田 哲雄 福本 一朗
出版者
公益社団法人日本放射線技術学会
雑誌
日本放射線技術學會雜誌 (ISSN:03694305)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.1502-1508, 2002-11-20
被引用文献数
8

To examine the possibility of diagnosing Alzheimer-type dementia, we studied this condition using the run length matrix, on head MR images of 29 Alzheimer-type dementia patients (8 men, 21 women 78.7±6.7 years) and healthy elderly controls (10 men, 19 women 72.3±8.7 years). The results showed that differences in GLN (gray level nonuniformity) and RLN (run length nonuniformity) were statistically significant. Furthermore, discriminant analysis based on GLN and RLN showed a rate of sensitivity of 69.0%, specificity 86.2%, and correct classification 77.6%. Although this rate of correct classification is inferior to the planimetric and volumetric methods, run length matrix is only one method of texture analysis. The results of this study indicate the possibility of MR imaging-based diagnosis of Alzheimer-type dementia with texture analysis including a run length matrix.
著者
高橋 大志 中村 春樹 篠田 和文 福本 一朗
出版者
日本医療機器学会
雑誌
医科器械学 = The Japanese journal of medical instrumentation (ISSN:0385440X)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.23-29, 2007-01-01
参考文献数
15

Cryosurgery, an operative method that applies freezing to produce a specific response in tissue, is probable and may be used in treatment of tumor. Liquid nitrogen, argon gas are used as cryogen, but these cryogen are weak controlling agents in freezing rate and thawing rate. Destroying tumors by hyperthermia treatment is known, but there are few studies including hyperthermia condition after cryosurgery, therefore the aim was to produce freezing-thawing rate controllable cryosurgery system and to investigate the effect of cryosurgery-hyperthermia in mice livers. Cryosurgery system includes Peltier device and Stirling refrigerator, using 1 cycle method of rapid freezing and slow thawing. Hyperthermia was performed after cryosurgery and contact probe were in contact all the time during freezing, thawing and heating. 24 hours after operations mice livers were stained by Hematoxylin-Eosin and observed under optical microscope. The result showed measured temperatures of rapid freezing and slow thawing during operations. Stained tissue showed necrosis and injury was more serious in cryosurgery-hyperthermia group. This suggests the possibility of electrical temperature rate control during cryosurgery and the effect of hyperthermia treatment after cryosurgery would supply a more effective treatment system. This method may contribute to cryosurgery in the future.