著者
上杉 薫 秋山 佳丈 浅野 豪文 秋山 義勝 大和 雅之 岡野 光夫 森島 圭祐
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2014 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp._3A1-I02_1-_3A1-I02_3, 2014-05-24 (Released:2017-06-19)

In this study, we measured mechanical properties of cell sheet by using uniaxial tensile test system which we developed. We applied kelvin model (viscoelastic model) which applied single cells for deriving mechanical properties such as elastic modulus and viscous modulus. Mechanical properties of Fibroblast (NIH-3T3) cell sheet and myoblast (C2C12) cell sheet were derived by fitting equation which related kelvin model to measured stress-strain curves of cell sheet. Furthermore, for confirming drag response on cell sheet mechanical properties. By deriving mechanical properties of cell sheet, we confirmed mechanical properties of cell sheet which are different from that of single cells.
著者
大和 雅之 秋山 義勝 中山 正道 小林 純 長瀬 健一 高橋 宏伸 清水 達也
出版者
東京女子医科大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

成長因子を固定化可能なヘパリン固定化温度応答性細胞培養表面を新たに開発し、肝細胞シートの作製に応用した。従来よりも少ない成長因子の量で肝細胞シートが作製でき、さらに肝特異的な機能がより長期的に維持されていることも明らかにした。パターン化温度応答性細胞培養表面の作製技術を開発し、神経組織構築ための基盤技術として応用した。また、光照射重合を利用した新規な温度応答性細胞培養表面技術の開発にも成功した。ロボット工学技術を取り入れることで、共培養細胞シート作製や細胞シート移植、積層化を支援するための装置、デバイスこれら技術を組み合わせることで、簡便にかつ高速な軟組織作製への応用が期待できる。
著者
大和 雅之 秋山 義勝 小林 純 飛田 聡 菊池 明彦
出版者
東京女子医科大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

電子線重合法により種々のモノマー濃度で温度応答性高分子のナノ構造体をガラス表面に固定化し、そのナノ構造体の特性をXPS、AFMや新たに開発したラマン分光イメージングを用いて詳細に調べるとともに、構造体の特性が細胞接着および脱着に与える影響についても調べた。その結果、ナノ構造体の厚みが薄ければ薄いほど、再表面の高分子鎖は脱水和され細胞接着性を示すのに対し、厚い構造体の場合は相転移以上の温度でも水和しやすく細胞非接着性を示すことを見出した。
著者
岡野 光夫 大和 雅之 菊池 明彦 横山 昌幸 秋山 義勝 清水 達也 KUSHIDA Ai 青柳 隆夫
出版者
東京女子医科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2001

本研究では、温度変化に応答して水溶性を大きく変化させる温度応答性高分子のポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PIPAAm)とその誘導体で修飾した温度応答性パターン化表面を、電子線重合法を用いて作製し、これら表面の物性解析と異なる細胞種を用いた共培養、ならびに共培養細胞シートの作製への応用可能性を追究した。今年度は、パターンサイズの異なるパターン化温度応答性表面を作製した。具体的には、電子線重合法によりPIPAAmであらかじめ修飾された表面に、疎水性モノマーのブチルメタクリレート(BMA)溶液を塗布、パターンサイズの異なるマスクを介して電子線照射し、パターン化温度応答性表面を調製した。このとき、パターンサイズが100μm程度では、照射電子線の潜り込み等によりパターンサイズがマスクに比して変化する可能性が示唆された。この手法で、温度制御により部位特異的に親水性/疎水性(細胞非接着性/接着性)を制御しうる表面が調製できた。これらの表面を用い、肝実質細胞と、血管内皮細胞のパターン化共培養系を構築した。さらに、培養皿表面全体が親水性を示す20℃ですべての細胞を、パターン化形状を維持したまま1枚のシートとして回収できた。次に、共培養による肝実質細胞機能の変化をみるために、肝実質細胞から産生されるアルブミンの定量、ならびにアンモニア代謝に伴う尿素合成能を解析した。パターン化共培養により、いずれの機能も肝実質細胞単独培養系に比して高い数値を示した。さらにパターンサイズが小さいほど機能亢進することが明らかとなった。このとき、より小さなパターン化共培養系で肝実質細胞の培養期間が延長できる点も明らかとなった。以上の結果は、肝実質細胞と内皮細胞シートとの重層化によって得られた知見とよく一致していたことから、細胞-細胞間の距離がきわめて重要な影響を与え、細胞機能の発現につながるものと考えられる。
著者
岡野 光夫 大和 雅之 清水 達也 中山 正道 秋山 義勝 原口 裕次 菊池 明彦 串田 愛
出版者
東京女子医科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)をポリスチレン表面にグラフトした温度応答性培養皿を利用した、細胞シート工学的手法をさらに発展させることを目的として、(1)種々の生理活性因子を温度応答性表面に固定化し、ウシ胎児血清(狂牛病等の異種感染を完全には否定できない)や患者自己血清(患者毎に生理活性が異なりうる)を必要としない温度応答性培養床を開発、さらに本技術を応用し(2)細胞増殖を加速化し、短期間で細胞シートを作成することにも成功した。具体的には、温度応答性培養皿表面に、生理活性物質が固定化可能な結合サイトを導入し、RGDのような生理活性ペプチドを導入することで無血清培養条件下での細胞シート回収に成功した。また、スペーサーを介してPHSRN(RDGのシナジー配列)とをRDGと共固定することで細胞接着性が向上し、共固定の細胞培養における有用性を明らかにした。(2)さらに、RGDとインスリンの共固定した表面で細胞培養を行うことで、液中にインスリンが存在するよりも、細胞増殖が加速され短期間に細胞シートが作製できることを明らかにした。生理活性物質の固定にはアビジン、ビオチンケミストリーの利用も有効であることを明らかにした。今後、既に臨床応用をおこなっている皮膚表皮細胞シート、角膜上皮細胞シートの他、臨床応用を目指している角膜内皮細胞シート、網膜色素上皮細胞シート、心筋細胞シート、肺胞細胞シート等、それぞれの細胞種に最適化した固定化する生理活性子の組み合わせ、各々の因子の濃度を検討中である。
著者
大和 雅之 菊池 明彦 秋山 義勝 西田 幸二 串田 愛
出版者
東京女子医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究では、3T3フィーダーレイヤーを完全に代替することを目的として、上皮幹細胞を維持・増殖させるのに必要な生理活性因子を固定化し、なお温度に応答して細胞シートを脱着させる次世代型温度応答性培養皿の開発を目的としている。カルチャーインサートを用いた実験、および上皮幹細胞を播種するまでの時間を変え効果を比較する実験等の予備的検討から、3T3フィーダーレイヤー由来の生理活性因子の少なくとも一部として細胞外マトリックス構成分子が機能していることを明らかにした(論文投稿準備中)。次に、3T3フィーダーレイヤー由来生理活性因子の検索の際にポジティブコントロールおよびネガティブコントロールとして用いるマウス細胞株を決定するために、種々のマウス由来細胞株をフィーダーレイヤーとして用い、角膜上皮細胞のコロニー形成能、重層化を評価した。本方法で選択したポジティブコントロール、ネガティブコントロールの細胞株からmRNAを単離し、TaqMan PCRを用いた定量化により約30種の細胞外マトリックス遺伝子について網羅的検索を行い、3T3と比較した。この方法でフィーダーレイヤー活性に関与する可能性をもつ数種の遺伝子を同定することができた(論文投稿準備中)。現在、これらの遺伝子産物を培養系に添加する実験、およびこれらの特異的な抗体を培地に添加する阻害実験といった細胞生物学的手法により、それら候補分子の上皮幹細胞に対する生理活性を検討中である。また、培地に添加する方法以外に、カルボキシル基を導入した温度応答性培養皿表面に共有結合的に固定化する方法もあわせて検討している。すでに、RGDペプチドやインシュリンなど生理活性分子を固定化した温度応答性培養皿を利用して、血管内皮細胞の接着性や増殖性が亢進することを確認している。現在、上記候補分子を結合した培養皿上での上皮幹細胞培養条件について検討を進めている。