著者
田甫 久美子 稲垣 美智子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.32, no.5, pp.5_39-5_49, 2009-12-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
49

目的:若年男性労働者の就職以降に体重増加に繋がる8要因とその背景48項目からなる6件法の「体重増加に繋がる思考・行動のパターンを見出す質問紙」を作成することを目的とする。 方法:事業所常勤の25~35歳の男性197名を対象とした。作成した質問紙は、主成分分析を用いて検討した。結果:対象者の62.8%に就職以降3㎏以上の体重増加を認め、そのうち43.9%に10㎏以上の体重増加を認めた。主要2成分から採用した設問18項目の回答合計を用い6割以上の10㎏以上体重増加者および肥満者の判別と、そのスクリーニングが可能であり、また48項目から3タイプの肥満者の体重増加に繋がる思考・行動パターンが類型化できた。 結論:若年男性労働者の就職以降の体重管理に用いる保健指導ツールとして「体重増加に繋がる8要因とその背景48項目の質問紙」は有用であることが示された。
著者
山口 恵子 稲垣 美智子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.2_79-2_90, 2012-06-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
28

本研究の目的は,FBSSの患者が手術や痛みの体験と生活にどのような意味づけをしているのかを明らかにすることである。外来通院のFBSSの患者10名を対象に半構成的面接を実施し,M-GTAで分析した。 その結果,手術や痛みの体験と生活の意味づけには『だましだまし付き合う』と『治療を探す』の2つがあった。『だましだまし付き合う』は,《手術が振り出し》から始まり,手術の結果を【とりあえず納める】,そして《痛みと取引しながらの生活》《痛みをもったまま生活することの弱さからの脱出》と時間の流れとともに生活の幅が広がる意味づけであった。『治療を探す』は,《手術が振り出し》の体験から始まり,痛みや症状が残ったことで【腑に落ちない】と考え,《痛みにとらわれた生活》に留まる意味づけであった。生活の知恵としてできた『だましだまし付き合う』は,今後,FBSSの患者教育の内容として重要であることが示唆された。
著者
山田 ルミ 稲垣 美智子 北出 優華子 古屋 圭介 津田 真一 伊藤 弘樹 西澤 誠 中川 淳 中野 茂 古家 大祐
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.392-397, 2012 (Released:2012-07-20)
参考文献数
19
被引用文献数
2

【目的】糖尿病足壊疽などの重症足病変を予防するためには,壊疽の前駆所見のひとつである皮膚病変(乾燥や亀裂などの軽微な異常)への対策が重要である.そこで,保湿剤を自己塗布させる手法を用いたフットケア教育が患者の足に対する認識(意欲・関心)と行動を改善させることができるかどうかを検証することを目的とした. 【方法】糖尿病神経障害を有する糖尿病患者を対象に清潔ケアに加え保湿剤を自己塗布する実験群と清潔ケアのみを指導する対照群に群分けした.認識と行動は,質問紙による面接を行ない,介入前と比較し3か月後に改善がみられた患者を「向上」と判定し両群を比較した. 【結果】両群の性別,年齢,糖尿病罹病期間に有意差はなかった.行動は実験群で有意に改善し(p<0.01),意欲は向上傾向を示した.しかし,関心には有意差はなかった. 【考察】本研究において,保湿剤を用いた教育は糖尿病患者のフットケア行動を向上させたことが示された.この結果は,保湿教育が軽微な皮膚病変を有する時期における糖尿病患者のフットケアに役立つことを示唆している.
著者
宮川 しのぶ 津田 朗子 西村 真実子 木村 留美子 稲垣 美智子 笠原 善仁 小泉 晶一 関 秀俊
出版者
日本小児保健協会 = The Japanese Society of Child Health
雑誌
小児保健研究 (ISSN:00374113)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.457-462, 2002-05-31
参考文献数
21
被引用文献数
3

小学3年から高校3年までの1型糖尿病患児38名の学校生活での療養行動とそれに伴う困難感を検討した. 療養行動をしている割合は, インスリン自己注射81.6%, 血糖自己測定44.7%, 間食, 補食摂取31.6%であった. 療養行動の施行場所は, 小学生では主に保健室であったが, 中高生ではトイレや教室が多く, 94.7%の児がいずれかの療養行動を行っており, その50%が「しにくい」と感じていた. 困難感を抱く理由には, 療養行動を不思議がられたり, 特別視されることによるものが多い. また97.4%が低血糖症状を経験していたが, 病気や療養行動を知られたくないために我慢をする場合や, 保健室に行くことがあった. 以上から多くの患児が学校での療養行動に困難感をもっているため, さらなる学校現場での正しい理解と環境作りが必要と考えられた.
著者
丸山 育子 稲垣 美智子
出版者
福島県立医科大学
雑誌
福島県立医科大学看護学部紀要 (ISSN:13446975)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.47-55, 2014-03

本研究の目的は,2型糖尿病患者の療養生活における信頼とは何かを当事者の視点から明らかにすることである.2型糖尿病患者11名に半構成的面接と参加観察を行った.質的帰納的分析の結果,以下のことが明らかとなった.糖尿病患者は【得体の知れない糖尿病という病気】という感覚をもつ.それによって発する【糖尿病をもつ生活の不確さの自覚】をし,糖尿病をもつ生活の不確さに対応するために信頼するという行為をする.信頼する対象は3つで【自分の糖尿病をケアする自分】【療養行為が反応する糖尿病をもつ体】【糖尿病治療専門家で人である医師】である.【糖尿病の治療への構え】によって信頼する対象への信頼の比重が規定されている.そして,その時々の【自分の糖尿病をケアする自分】あるいは【療養行為が反応する糖尿病をもつ体】のとらえ方によって信頼する対象への信頼の比重が相対的に変化していた.