著者
竹内 政夫
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.303-310, 1999-07-15
被引用文献数
2 2

雪粒子は光の波長と比べて大きく光は主に反射によって減衰する.また,目の近くの雪粒子一個一個が目に見えることが,その残像も含め視程にも悪く影響している.雪道では吹雪によってホワイトアウト(白い闇)の状態になることもあり,交通の安全を阻害し時には交通の確保を困難にしている.吹雪時の視程は,風速と降雪強度の変化や沿道環境の不連続によって,大きく変動しそれが事故の誘因となっている.また,白い背景に吹き舞う白い雪は,人の目を奪い本来あるべき視程(潜在視程)も見えなくしている.<BR>雪粒子による光の減衰機構,視程への影響を述べ,道路における視程の特徴について紹介した.
著者
竹内 政夫
出版者
公益社団法人 日本雪氷学会
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.307-315, 2021 (Released:2021-12-17)
参考文献数
24

視界が白一色になり交通に危険をもたらす視界ゼロのホワイトアウトが日常的に使われるようになった.しかしホワイトアウトの定義も実体も曖昧であり,人により受ける語意やイメージの違いは大きい.ホワイトアウトの実体を理解しやすくするため,同じ様に視界が白一色に見える極地で発生するWhiteout と比較した.この二つには気象用語の視程がゼロの共通イメージがある.しかしホワイトアウトは視程が小さくなると発生するが,Whiteout は視程100m 以上でも発生し視程は比較の物差しにはならない.物理的には空中浮遊物の有無という発生メカニズムに違いがある.また吹雪時のホワイトアウトでは雪粒子が可視大であることため,同じ粒径や形状でも眼の近くにあるほど残像の影響も大きくなり視程を低下させてもいる.共通する部分では光と雪粒子の相互作用や広い雪原などの周辺環境が人間の感じ方に影響して発生するなどがある.ホワイトアウトと視程の観測例から,視程計で測定して得られる視程(以下,計測視程とする)は100m を超えても,肉眼で見える最も近い地物までの距離である見かけの視程が0m のホワイトアウトになることがある.ホワイトアウトと感ずるのは人間であり,生理や心理,経験などの個人差を含めたヒューマンファクター,発生状況や環境も影響する.Whiteout もホワイトアウトも,「視界は白一色で見かけの視程(顕在視程)は0m」という点で共通している.
著者
松岡 治子 竹内 一夫 竹内 政夫
出版者
一般社団法人 日本女性心身医学会
雑誌
女性心身医学 (ISSN:13452894)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.46-54, 2002
被引用文献数
1

本研究の目的は,障害児をもつ母親が現在受けているソーシャルサポートと母親のメンタルヘルス,特に抑うつ症状との関連を明らかにすることである.肢体不自由児を中心とした療育施設,G療護園に子どもが入園あるいは通園している母親169名を対象として,ソーシャルサポートと母親のメンタルヘルスに関する自記式質問紙を用いて調査を行った.その結果,児の障害について夫など他者から母親のせいといわれた経験をもつ母親は46名,自分のせいと「いつも」あるいは「時々」思う母親は76名で,これらの母親はそうでない母親よりも有意に抑うつ性得点が高かった(P<0.01).母親へのサポートの量については,夫からのサポートと母親の親・兄弟・親戚からのサポートが多かった.また,母親の抑うつの程度は夫のサポートの程度,および子どもの障害を自分のせいと思うことが関連していた(それぞれ,β=-0.304,p<O.01; β=0.284,p<O.01).
著者
中嶋 清雄 黒梅 恭芳 竹内 政夫
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:00231908)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.161-173, 1976-03-30 (Released:2009-11-11)
参考文献数
29

Six cases of abdominal epilepsy were studied from viewpoint of food allergy and the following results were obtained.1. Through elimination and trial ingestion, food allergens were confirmed in all six cases. They were soybean in 6, milk in 2 and egg in 1.2. Irregular slow dysrhythmia was evidently decreased five days to a month after eliminating food allergens.3. Diffuse irregular slow dysrhythmia with seizure discharge was markedly increased four to twenty-four hours after giving food allergens.4. Threshold of activating agents for the EEG was obviously reduced after administering food allergens. In this way close relationship between abdominal epilepsy and food allergy was demonstrated.