著者
山本 昌弘 中崎 良成 横田 実 箱崎 勝也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.65-71, 1982-01-15

本論文は開発したCOBOLマシンのアーキテクチャについて その特徴と設計思想に重点をおいて論じている.COBOLマシンはCOBOLで書かれたソースプログラムに簡単な変換を行って作られた中間言語プログラムを直接実行する高級言語マシンで 汎用計算機に接続されて付加プロセッサとして動作する.そして COBOLの演算処理 データ操作 表操作 実行順序制御などの機能はCOBOLマシンで実行し 入出力処理や通信制御などの機能はホストプロセッサである汎用計算機で実行される.COBOLマシンのアーキテクチャはCOBOLの言語仕様にできる限り近づけるように設定されており (1)多種類の内部データ形式 (2)複雑な属性のデータを効率良く表現するデータディスクリプタ (3)高度なデータアクセス機構 (4)ソースステートメントと直接対応する高機能命令 (5)ホストプロセッサとの高度なインタフェース機能 などを備えている.その結果 COBOLの大部分のステートメントはCOBOLマシンの1命令へ展開でき 翻訳処理が高速化され オブジェクトメモリ量も大幅に減少することが明らかになった.また COBOLマシンを高性能なハードウェアで実現することにより 実行速度も向上する.
著者
高橋 一成 辻 貴孝 中西 泰人 箱崎 勝也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.108, pp.1-8, 2001-11-15

近年、携帯電話や電子メールなどの様々なメッセージングツールの普及に伴い、いつでもどこでもコミュニケーションを行えるようになり、場所や時間の制約がなくなった。その一方で、通信のコンテクストの複雑度は増加するばかりであり、スムーズなコミュニケーションが行えない場合も多くなりつつある。そこで我々は、ユーザの位置情報とスケジュール情報を用いて、WWWブラウザ機能付きの携帯電話に受信者の通信のコンテクストに応じた通信環境の優先順位を動的に提示し、それをユーザどうしで共有するシステムであるiCAMSを構築した。本稿では、サークル活動を行う10名の学生のグループおよび雑誌編集を行うSOHOワーカ10名のグループを対象とした運用実験について報告する。In recent years, with the spread of various messaging tools, such as a cellular phone and an E-mail, we became able to communicate with others anytime and anywhere and have gotten free from the restriction of time and the place. However, the degree of complexity of a communicative context has increased so that we can not have communicated with others smoothly. So, we constructed the system which presented the most suitable communication environment that users shared corresponding to the context of the communication of the receiving person dynamically by using the position information and the schedule information. In this paper, we describe the experiment for the group of ten SOHO workers who perform magazine edit and the group of ten students who perform club activities.
著者
粂川 一也 高田 昌之 岡野 豊 箱崎 勝也
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.47(2000-DSM-017), pp.31-36, 2000-05-26

電気通信大学(電通大)キャンパス情報ネットワークは、電通大における研究・教育活動および支援の基盤であり、情報交換・情報蓄積・知的生産の場を提供するものとして発展してきた。本稿では、電通大の学内ネットワークの現状を平成10年度の補正予算により行った改善とともに紹介する。そして、現在取り組んでいる技術的な課題のうちIPv6の導入とネットワーク監視について述べる。
著者
辻 貴孝 北岡 紀子 中西 泰人 大山 実 箱崎 勝也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.77, pp.19-24, 1999-09-24
被引用文献数
2

ここ数年で、携帯電話やPDAの普及によりモバイル環境が一般的になり、場所や時間の制約がなくなった。その一方で、コミュニケーションのコンテクストの複雑度は増すばかりであり、円滑なコミュニケーションが困難となってきた。そこで、我々はスケジュール情報とPHSによる位置検索情報を利用し、受信者のコンテクストに応じて適切にメッセージを変換して送り届ける、動的メッセージングシステムを提案する。 本稿では、シチュエーションに応じた動的メゾセージ伝達システム「Context Aware Messaging Service」の概要と実装、および実証実験について述べる。In recent years, cellular phone and PDA(Personal Digital(Data) Assistants) have come into wide use and we have gotten free from the restriction of time and the place. On the other hand, the context of communication has been getting more and more complicated. Thus we construct a situation based dynamic messaging system, using receiver's schedule and location of PHS, which converts a message to suitable media according to receiver's situation. In this paper, we describe an overview of a situation based dynamic messaging system called "Context Aware Messaging Service", an implementation and a practical experiment.
著者
早野 文孝 箱崎 勝也
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.52, pp.161-162, 1996-03-06

マウスのボタンをクリックする事で手軽に情報を引き出し、しかも他のプロトコルをまるで意識する事無く、それらの情報を簡単に手に入れる事の出来るWWW(World Wide Web)は多くのユーザを獲得し、数メガバイトのマルチメディア・ネットワーク・トラヒックを生み出したと言われる。こうして出来たネットワークの圧迫を解消する手段は以前から提案されているが、比較的簡単かつ効果的と思われるキャッシングに注目してみる事にした。電気通信大学内の計算機センタに設置されたproxyサーバ(cern-httpd)を通したリクエストを書き出した6月28日から12月末日までの利用履歴(ログファイル)を基本データとし、統計を取っている。実際に稼働しているキャッシュサーバによって記録されたログファイルから最適と思われるアルゴリズム、キャッシュの容量、保存期間等の傾向を割りだし、これからのキャッシュサーバに反映させようというのが本レポートの目的である。
著者
中西 泰人 辻 貴孝 大山 実 箱崎 勝也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.1847-1857, 2001-07-15
被引用文献数
9

本稿では,位置情報とスケジュール情報を用いたコミュニケーションシステムであるContext Aware Messaging Service(以下CAMS)について述べる.CAMSは,PHSにより取得される位置情報とユーザの入力したスケジュール情報を用いてユーザの通信コンテクストを推定して,受信側の状況に最も適すると思われる電話番号やメールアドレスを動的に選択し,CTIサーバおよびメールサーバを用いてメッセージを動的に配送する.またシステムによる動的なメッセージの配送だけでなく,ユーザが位置情報およびスケジュール情報,転送状況をWWW上で共有する仕組みをCAMSが提供し,メッセージを送るタイミングやメディアを選択するための情報を発信者側に提示する.CAMSの設計および実装を行い,地理的に分散しつつさらにモバイル環境においてもコラボレーションを行うSOHO(Small Office Home Office)ワーカのグループを対象とした,2カ月半にわたる運用実験を東京都内にて行った.実験での通信ログの分析およびユーザへのヒアリングの結果から,CAMSによるメッセージの動的配送と通信コンテクストの共有が,コミュニケーション機会の損失を軽減する効果を確認し,グループへの帰属意識を向上させるという知見を得た.This paper describes a context-based dynamic messaging system, called ``Context Aware Messaging Service''. It uses schedule information and location information of the message addressee. According to the addressee's communication context (schedule, location, and available media), the system selects the most suitable telephone umber or e-mail address, and redirects each incoming message dynamically. It also writes the schedule and location information of users into an HTML file which users can share on the WWW.We had an experiment for two months in Tokyo and the users are a group of SOHO workers. We evaluated the system with their opinions and with the analysis of communication logs. Both dynamic message redirect and sharing communication contexts produced smooth communication. The users preferred sharing communication contexts and it improved feeling of a team.