- 著者
-
(一社)日本臨床衛生検査技師会 尿沈渣特集号編集部会
- 出版者
- 一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
- 雑誌
- 医学検査 (ISSN:09158669)
- 巻号頁・発行日
- vol.66, no.J-STAGE-1, pp.1-8, 2017-03-31 (Released:2017-07-11)
- 参考文献数
- 2
臨床検査の世界で尿検査の歴史は特に古いが,今日でも腎尿路系疾患および全身疾患のスクリ-ニング検査として重要な位置づけにある。その臨床的意義は5つの尿異常,①膿尿,②細菌尿,③血尿,④蛋白尿,⑤代謝異常尿(結晶尿,糖尿その他)を見逃しなく検出することである。尿沈渣検査は形態学的検査として位置づけられ,尿中の有形成分である上皮細胞類,血球類,円柱類,塩類・結晶類,細菌類についてそれぞれ正確に分類と概数計測することで,尿定性検査所見と組み合わせて尿異常を示す病態の推定情報を提供する目的がある。本邦における尿沈渣検査法は日本臨床検査標準協議会(Japanese Committee for Clinical Laboratory Standards; JCCLS)より2000年に尿沈渣検査法指針提案GP1-P3(尿沈渣検査法2000)が発表され,2010年にGP1-P4(尿沈渣検査法2010)として改訂された。本稿では,GP1-P4に準拠(一部改変)して尿沈渣検査法の概要を解説する。