著者
佐々木 功典 荻野 哲朗 川内野 和孝 西村 冨士美 奥田 信一郎
出版者
公益社団法人 日本臨床細胞学会
雑誌
日本臨床細胞学会雑誌 (ISSN:03871193)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.687-692, 1982-10-25 (Released:2011-01-25)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

人胃癌40例について, 捺印標本にFeulgen染色を施し, 顕微分光光度計にて細胞核のDNA量と核の面積を測定し, DNA量分布のヒストグラムと組織型とを対比し, また核面積との関係を調べた. 組織型との関係は一般に必ずしも明瞭とはいえないが, 一応下記のような傾向が伺われた. すなわち, 高分化型管状腺癌では4c前後に第1のピークを持つ2峰性パターンを示す症例が多いのに対し, 低分化腺癌では明らかなピークを示さないか, 幅広い1峰性パターンを示し, 高分化型に比し大きな分散を示す傾向がみられた. 低分化腺癌として扱われている印環細胞癌のDNAヒストグラムは急峻な立ちあがりと高いピークを有し, DNA量の分散が極めて小さく, またこのピークに一致する細胞は典型的な印環細胞の形態を示し, これら細胞がGo期にあることが示唆された. 一方, 核の大きさはDNA量に良く比例しており, 通常の細胞診にさいし, 核の大小不同性からDNA量の分散をある程度まで推定しうると考えられた.
著者
香川 哲也 小林 達則 上山 聰 岡林 弘樹 末光 一三 荻野 哲也
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.365-373, 2015-04-01 (Released:2015-04-17)
参考文献数
15
被引用文献数
2 3

症例は63歳の女性で,来院2時間前に軽度の間歇的腹痛を自覚した.同日排便がなかったことから便秘と判断し,浣腸薬を使用したところ,症状が増悪したため当院救急外来を受診した.理学的所見は乏しかったが,経過観察目的で同日入院した.発症9時間後,腹痛が増悪して持続痛となり,11時間後には意識レベルの低下と頻脈,頻呼吸が出現した.腹部単純造影CTにて,腸管気腫および門脈ガス血症を伴う,全結腸の高度拡張を認めた.S状結腸には4 cm大の便塊が認められ,宿便による閉塞性大腸炎,敗血症性ショックの診断にて緊急手術を行った.便塊による閉塞部から近位側の全結腸が壊死に陥っていたため,結腸亜全摘術および回腸人工肛門造設術を施行した.昇圧剤持続投与,エンドトキシン吸着療法などの集学的治療により救命しえた.宿便による閉塞性大腸炎の本邦報告例は,自験例を含めて13例のみと極めてまれであるため報告する.
著者
亀井 利久 荻野 哲
出版者
一般社団法人 粉体粉末冶金協会
雑誌
粉体および粉末冶金 (ISSN:05328799)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.307-310, 2018-06-15 (Released:2018-06-28)
参考文献数
16

As a new broadband-wave absorber material in millimeter waves, the thin rubber sheet containing a porous carbon material “PHYTOPOROUS” made from plant-based ingredients were prepared. We investigated the complex permittivity εr*and the reflection loss Γ measured by free-space method using dielectric lenses and incident angle dependence of the reflection loss measured by free-space arch method. The rubber sheet containing PHYTOPOROUS made from soybean hulls showed the reflection loss of more than −20 dB with a bandwidth of 18 GHz at centered frequency of 90 GHz.
著者
松村 裕子 市村 美香 佐々木 新介 村上 尚己 森 將晏 荻野 哲也
出版者
岡山県立大学
雑誌
岡山県立大学保健福祉学部紀要 (ISSN:13412531)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.31-38, 2012

静脈穿刺時に有効な静脈怒張を得るための適切な駆血圧を検討すると共に、静脈怒張度の客観的指標を得ることを目的に、種々の駆血圧における触知静脈怒張度(怒張度)、および静脈断面積等の変化について検討した。対象者は健常成人46名、マンシェットを上腕に装着し、20〜100mmHgで1分間駆血した。駆血圧は順不同とした。駆血後の怒張度は駆血圧80mmHgまでは増加したが、100mmHgではやや減少した。駆血圧60mmHgと80mmHgの間には怒張度に有意な差がみられなかったが、他の駆血圧間では有意な差がみられた。怒張度は圧迫にて静脈が潰れ始める圧力(静脈触知した時の血管抵抗の指標)、静脈拡張比、静脈断面積の順で相関が高く、皮膚表面から静脈までの距離との間にはやや負の相関がみられた。以上より、駆血圧は60mmHgが適切であり、怒張度の客観的指標としては圧迫にて静脈が潰れ始める圧力が最も適切と考えられた。
著者
竹村顕大朗 白井康雄 荻野哲男 高田秀志 上善恒雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.74, pp.9-16, 2006-07-08

Squeak eToysは直感的にプログラミングを学ぶことのできる優れた環境であり 年々着実に浸透していると考えられる.しかしながら,その優れた環境においても未だ学習を行うに当たって不便であると思われる部分は数々あり,それがカリキュラムのスムーズな進行を阻害してしまうというケースも往々にして見受けられる.そこで本稿では,学習内容とは関係のない煩雑な作業をまとめてわかりやすくパッケージ化したものを提供し,またそのパッケージの内部を閲覧し発展的内容を自主的に学習することを容易にさせるシステム およびそれを用いてSqueakeTbysを用いた学習をより効率化させることを提案する.また,この研究の一環として行ったワークショップの結果と考察についても報告する.Squeak elbys is good intuitive programming environment for education, and becomes more popular year by year. However, even in such splendid environment, there are many problems for educating and they often disturb smooth progress of our classes. In this paper, we propose a system. This system makes them easy to make complicated operations, which are not lesson contents, understandable by packaging them together. And they can learn progressive contents independently by viewing inside of the packaged operations. We also propose a plan to make education with Squeak elbys more efficiently by using the system. And we describe about a workshop that was held as a part of this study.
著者
荻野 哲男 藤岡 健史 柳瀬 大輔
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE)
巻号頁・発行日
vol.2011-CE-111, no.5, pp.1-6, 2011-10-07

高等学校では,情報と情報技術の科学的理解とその活用を目的として,モデル化とシミュレーションを題材とした教育が行われている.そのプログラミング環境としては,初心者でも扱いやすい Squeak eToys 等のビジュアルベースのものが多く導入され,一定の教育効果が報告されている.しかしながら,次に C 言語や Excel VBA 等のテキストベースのプログラミング環境へと移行する際,学習者にとってこれらの環境間のギャップが大きく,有機的な学習につながりにくいことが明らかになってきている.そこで本研究では,このギャップを埋めるため,ブラウザベースのオープンソースプログラミング実行環境 「ますめ」 を新たに設計,試作した.本稿では,「ますめ」 の設計と実装および学習のための利用モデルケースについて説明する.