著者
菅沼 健太郎
出版者
日本言語学会
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.161, pp.63-89, 2022 (Released:2022-05-20)
参考文献数
26

本論文では秋田県横手市方言の有核動詞の過去形,非過去形のアクセントパターンについて論じる。同方言の有核動詞のアクセントは,過去形におけるそのパターンが多様である点,さらにその一方で非過去形では一貫したパターンが現れる点で特徴的である。具体的には,過去形では語幹の拍数や末子音の種類などに応じて次々末拍,次末拍,末拍のいずれかに下がり目が置かれる。その一方で非過去形では一貫して次末拍に下がり目が置かれる。本論文ではこれらのアクセントパターンが弱強フットを中核とした規則群によって導かれることを示す。さらに,検討課題が残されているものもあるが,本論文で提案した規則が形容詞のアクセント,および他の動詞活用のアクセントを説明するためにも有効であることを示唆する。
著者
鈴木 寛之 菅沼 健二
出版者
愛知県農業総合試験場
巻号頁・発行日
no.34, pp.127-132, 2002 (Released:2011-03-05)

種なし「巨峰」のジベレリン(以下GA)処理回数を削減するため、開花前にストレプトマイシン(以下SM)200mgL(-1)を散布し、GA25mgL(-1)溶液中にフルメット液剤(以下CPPU)を混入して満開後に1回処理した場合のCPPU濃度及び処理時期について検討した。1.GA処理の溶液中CPPU濃度が10mgL(-1)では、満開5日後処理により慣行と同等の果実が得られたが、CPPU濃度が5mgL(-1)では果粒肥大が劣った。2.GA処理溶液中のCPPU濃度が10mgL(-1)で、満開5日後に中庸樹及び強勢樹に処理した場合は、慣行と同等の果実が得られた。しかし、満開8及び10日後処理では、強勢樹では1房当たりの着粒数が20粒以下となり、商品性を失った。また、満開8及び10日後処理では両樹勢樹とも無核果率が低下する傾向であった。3.GAとCPPUの混用処理により穂軸の伸長が抑えられ、果粒の横方向への肥大が促進された。その結果、果粒同士が密着した果房となった。
著者
中田 高 木庭 元晴 今泉 俊文 曹 華龍 松本 秀明 菅沼 健
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.29-44, 1980
被引用文献数
40

房総半島南部の完新世海成段丘は,相模トラフに沿って発生する過去の大地震に伴う地殻変動の歴史を記録している.地形的証拠および36個の<sup>14</sup>C年代測定を含む年代資料をもとに,本地域の地殻変動の量と様式について考察した.<br> その結果,本地域は, 6,150年前, 4,350年前, 2,850年前および270年前に急激な海水準の相対的低下があり,これらは,大正・元禄型地震による地震性地殻隆起によるものであると考えられる.地震間の安定期間の長さは,前回の地震時における変位量と比例関係にある.各地震直前の年代と相対的海水準高度をもとに,長期的平均隆起速度を最小二乗法を用いて求めたところ, 3.0mm/年という値が得られた.また,長期的平均隆起速度と各地震間において求められた隆起速度との値の差は,当時の海水準変動の傾向を示すものと考えられる.これによれぽ,約2,700年前ごろには海水準は低下傾向にあり,それ以降,上昇傾向にあるとみることができる.なお,同様の地殻変動様式と海水準変動の傾向は,琉球列島・喜界島の離水サンゴ礁においても認めることができた.
著者
菅沼 健二 青柳 光昭 長尾 周幸
出版者
愛知県農業総合試験場
巻号頁・発行日
no.17, pp.207-214, 1985 (Released:2011-03-05)