著者
角野 猛 会田 久仁子 金子 憲太郎 金田 尚志
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.253-256, 1995-11-20

キムチの生菌数を好気培養および嫌気培養法による測定, 分離菌の形態観察および腸内細菌科の菌属, 菌種の同定を行い, 次の知見を得た。1. 好気培養および嫌気培養法による生菌数は, それぞれ, 10^2〜10^8および10^3〜10^8/gであり, 培養法による生菌数には大きな相違は認められなかった。2. 好気および嫌気培養共にグラム陽性の無芽胞桿菌が最も多く分離された。3. 分離された腸内細菌科の53株の菌属はEnterobacterが最も多く, 67.9%を占めていた。次いで, Serratia属, Erwinia属, Klebsiella属, Hafnia属の細菌であった。
著者
会田 久仁子 角野 幸子 小林 智子 角野 猛
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.74-77, 1989-03-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
13

In order to clarify the bacterial contamination and sugar contents of wet Japanese-style confectioneries on the market, we examined 84 samples by inspecting total bacterial counts, coliform group, sucrose, glucose and fructose contents.The results obtained were as follows:1. The total bacterial counts were in the range of below 3.0×102/g to 9.1×106/g.2. Detection percentage of coliform group in Mushimono, Mochimono, Yakimono and Nerimono were 5.4%,40.9%,5.9% and 0%, respectively.3. Mean contents of sucrose of Mushimono, Mochimono, Yakimono and Nerimono were 299.8mg/g,289.1mg/g,311.2mg/g and 399.4mg/g, respectively.4. Mean contents of glucose and fructose of wet Japanese-style confectioneries were 7.3mg/g and 4.5 mg/g, respectively.
著者
角野 猛 会田 久仁子 角野 幸子 金子 憲太郎
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.412-418, 1990-11-20

魚の塩蔵食品の女子学生に対する嗜好および喫食実態調査と市販品の微生物汚染について調査し、次の結果を得た。1.嗜好実態:嗜好の程度の高いタラコ、塩ザケ、嗜好の程度の低い塩マス、スジコ、塩ホッケ、塩タラ、イカの塩辛および嫌いの傾向の強い塩サバ、塩ニシン、カツオの塩辛、ウニの塩辛のそれぞれ3つのグループに分けられた。なお、塩ザケおよびタラコと他の塩蔵食品の間では、嗜好度に有意な差が認められた。2.喫食回数:塩ザケは「1週間に1回」、または「2〜3週間に1回」、タラコは「2〜3週間に1回」の喫食が多かった。一方、カツオの塩辛およびウニの塩辛は「この1年間ほとんど食べていない」が最も多かった。3.購入時の注意点:「製造年月日」、「賞味期間」が多かった。4.塩分濃度、水分活性および一般生菌数:それぞれの平均は6.98%、0.856および4.38(対数平均)であった。また、大腸菌群の検出率は35.1%であった。水分活性と塩分濃度の相関係数は-0.5854(P<0.01)で、その傾向式はy=-0.0131x+0.9482(x:塩分濃度、y:水分活性)であった。
著者
会田 久仁子 阿部 純子 角野 幸子 山塙 圭子 遠藤 英子 角野 猛 山田 幸二
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.70-74, 1999
被引用文献数
1

We analyzed the various component and bacteria of Home-made Izushi in Hokkaido Area.<BR>The results were as follows:<BR>1. The averages of contents of salt and potassium, and water activity of Home-made Izushi were 2.3%, 121mg/100g and 0.941, respectively.<BR>2. The total amounts of free amino acids of Izushi were 540mg/100g-2522mg/100g.<BR>The major free amino acids of Izushi were glutamic acid, alanine, leucine, anseline and lysine.<BR>3. Major fatty acids composition of Izushi were C18:1, C16:0 and C18:3.<BR>4. Mean bacterial counts and lactic acid bacteria of Izushi were 6.168/log/g and 6. 598/log/g, respectively.Coliform organisms, E.coli, Staphylococcus aureus and Salmonella were not detected from Izushi.
著者
阿部 優子 石川 雅子 会田 久仁子 小林 睦子 菊池 節子 半澤 明子 角野 猛 石村 由美子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.17, pp.153, 2005

<BR>目的 福島県は地理的環境などから山間部の会津地方、平野部の中通り地方、海岸部の浜通り地方の3地域に区分される。これらの地域は気候風土が異なり、それぞれの食生活にも強い地域性が存在することが知られている。しかし、近年の高速交通網の発達、人的交流などによって、その地域性も解消しつつあることも考えられる。本調査は、近年の福島県内の食生活、食文化の地域性を魚介類の種類とその調理方法において、調査・考察することを目的として実施し、先に会津地方の魚介類調査結果について報告した。今回、いわき市での食生活の特徴、魚介類の調理・加工の特徴、更に、本地方独特の魚介類の料理・加工方法などの調査結果を報告する。<BR>方法 平成15年2_から_3月にアンケート調査及び聞き取り調査を併行して行なった。調査は福島県いわき市内に10年以上居住している18世帯で、調査対象者は各世帯の主たる調理担当者に対して行った。<BR>結果 いわき市は太平洋に面した地域で、小名浜漁港をはじめとして、多くの漁港が存在し、日々多種類の魚が水揚げされている。従って、日常食としては、多種の魚介類が刺身、煮魚、焼き魚などで食されていた。また、大量に水揚げされた魚介類は塩漬け、干物、みりん干しなどに加工して販売されており、各家庭において保存食として日常的に用いられていた。行事食としては正月・祭事時に「鮟鱇鍋」、「鯛の塩焼き」「喜知次の煮付け」などが食されていた。また、土用の丑の日に「鰻の蒲焼き」が食されていた。本地方独特の料理・加工法として、「秋刀魚のぽうぽう焼き」、「秋刀魚鍋」、「秋刀魚のみりん干し」、「秋刀魚のなめろう」、「鮟鱇鍋(鮟鱇のどぶ汁)」、「鮟鱇の供酢」、「どんこ汁」、「メヒカリの天ぷら」などが食されていることがわかった。なお、本地域では一世帯あたり年間平均42種類の魚介類を食し、平均78種類の魚介類調理法が存在した。
著者
角野 猛 会田 久仁子 角野 幸子 山田 幸二
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.212-217, 1996-08-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
24
被引用文献数
5

From the viewpoint of food hygiene, public nutrition and food chemistry, were studied the bacterial contamination, the amounts of sodium, potassium and salt, and the free amino acids composition of “kapit” in Thailand.The results were as follows:1. Bacterial counts isolated from “kapit” were 106-107/g. The detected ratio of Coliform organisms, E coli and Staphylococcus were 40.0%,40.0% and 0%, respectively.2. The genus of Family Enterobacteriaceae (14 strains) isolated from “kapit” consisted of Enteraerogenes (4 strains), Proteus mirabilis (5 strains) and Escherichia coli (1 strain) and others.3. The averages of contents of sodium, potassium and salt and water activity of “kapit” were 4318.4mg/100g,179.8mg/100g,11.0% and 0.872, respectively.4. The total amounts of free amino acids of “kapit” were 721.3mg/100g-4565.1mg/100g. The major free amino acids of “kapit” were glutamic acid, leucine, alanine and lysine. The content of glutamic acid was 26.4-77.4% of total free amino acids.
著者
角野 猛 会田 久仁子 金子 憲太郎 柳 大河 黄 鎬観
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.233-237, 1991-08-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
13
被引用文献数
3

Thirty samples of salted guts produced in Japan and forty six samples of salted guts in Korea were used in this experiment. The results obtained were as follows.1. The mean values of water activity, sodium chloride concentration and viable cell counts of three kinds of salted guts produced in Japan ranged 0.578-0.767,6.46-18.70% and2.985-4.884(log. /g), respectively, while six kinds of samples in Korea ranged 0.528-0.718,8.13-20.87% and 3.311-7.121(log. /g), respectively.2. The detection rate of coliform organisms in salted guts produced in Japan and Korea were 32.4% and 4.3%, respectively.3.Tolerance salt concentration of Bacillus subtilis and Coliform organisms isolated from Korea salted guts was 12-14% and 6-8%, respectively, at the concentration of sodium chloride.
著者
会田 久仁子 角野 猛
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.145-152, 2007 (Released:2007-11-07)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

市販及び自家製のかぶらずしと大根ずしの諸成分と微生物について検討した。得られた結果は以下のとおりである。  1) 市販かぶらずしのナトリウム量, カリウム量, 食塩濃度および水分活性は, それぞれ平均734mg/100g, 197mg/100g, 1.9%, 0.958, 同様に大根ずしは675mg/100g, 144mg/100g, 1.7%および0.956であった。一般生菌数はかぶらずしで平均6.1×105/g, 大根ずしで4.8×106/g, 乳酸菌数はかぶらずしで4.8×105/g, 大根ずしで1.7×107/gであった。  2) 自家製かぶらずしおよび大根ずしの遊離アミノ酸総量は, いずれも同様の傾向をとり, 漬け込み直後は299.5~419.3mg/100g, 30日後には595.5~717.4mg/100gとなった。特に, 保存15日以後急激に増加が認められた。  3) 自家製かぶらずしおよび大根ずし共に, 保存にともなってGABA, アルギニン, アラニン, グルタミン酸の増加が顕著となり, 30日後にはGABA量は47.7~60.5mg/100gとなった。
著者
会田 久仁子 角野 幸子 橋本 美津子 横堀 亜紀子 金子 憲太郎 角野 猛
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.206-210, 1990-05-20
被引用文献数
2

キムチのpH、塩分濃度、および微生物汚染等と女子学生の嗜好実態およびイメージについて調査し、次の知見を得た。1.市販キムチ40検体のpHは4.50〜4.99のものが多く、平均5.14であった。塩分濃度は平均2.75%、一般生菌数は10^7〜10^8/gのものが多く対数平均値は6.22/gであった。大腸菌群検出率は41.7%であった。2.嗜好の程度を「大変好き」、「好き」、「どちらでもない」、「嫌い」、「大変嫌い」として、それぞれ2、1、0、-1、-2点と評点し、各種漬物の嗜好度の平均点、95%信頼限界を算出した。キムチは平均0.72点でたくあん漬および梅干しについで高かった。なお、浅漬、福神漬、ぬか漬、みそ漬、奈良漬、わさび漬および酢漬はそれぞれ0.67、0.65、0.17、0.14、-0.01、-0.10および-0.07点であった。3.キムチは濃厚な味で、まろやかさに欠け、後味が残り、くせがあり、重々しいものであるというイメージをもっていた。
著者
角野 猛 会田 久仁子 島貫 光治郎 等々力 達也
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.177-180, 1985-09-20

福島県郡山市内で購入した27検体の持ち帰り弁当の細菌汚染と栄養素量の実態調査を行ない, 次の知見を得た。1. 米飯および副食総計156検体の細菌検査の結果, 一般生菌数はキャベツのせん切りが10^6/g以上見られるものもあり, 他の検体より多かった。大腸菌群はキャベツのせん切り全例と, キャベツのせん切りが付け合わせてあるシューマイ, スパゲティ, 卵焼, ハンバーグおよびコロッケからの検出率が高かった。また, 黄色ブドウ球菌は陰性であったがセレウス菌はキャベツのせん切り1検体より検出された。2. 27検体のエネルギーおよび各栄養素量の平均値はエネルギー768.5kcal, たん白質23.3g, 脂質20.3g, 糖質118.2g, 繊維0.9g, カルシウム79.1mg, 鉄2.8mg, ナトリウム1083.2mg, ビタミンA 384.0 I.U., ビタミンB_1 0.27mg, ビタミンB_2 0.26mg, ナイアシン3.6mgおよびビタミンC 7.3mgであった。これを朝, 昼, 夕食の配分を1:1.5:1.5として20代女子の昼食, 夕食と比較すると, カルシウム, 鉄, ビタミンA, ビタミンB_1, ビタミンB_2, ナイアシン, ビタミンCが不足していることになった。これらを補充するような副食物を摂取する必要があると考えられた。