著者
菊池 雄太 砂川 力也 増澤 拓也
出版者
日本トレーニング指導学会
雑誌
トレーニング指導 (ISSN:24336742)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.3-11, 2020 (Released:2020-09-11)
参考文献数
26

本研究は、大学ラグビー部に所属する健常な男子大学生18名を対象に、スラックライン上での歩行トレーニングがバランス制御能力に与える影響について明らかにすることを目的とした。実験参加者を3群(スラックライン群;SL 群、フロント・サイドブリッジ群;FS 群、コントロール群;Cnt 群)に分け、週に2 回のトレーニングを4 週間実施した。トレーニング前後に、重心動揺、筋力および反応ジャンプテストを測定し、各トレーニングセッションの終了直後に、主観的運動強度(RPE)を聴取した。その結果、SL群とFS 群において、トレーニング後に、重心動揺速度が有意に低い値を示した。SL 群およびFS 群の背筋力の変化は認められず、Cnt 群では、トレーニング後に低下する傾向であった。また、主観的運動強度はFS 群に比べSL 群が有意に低い値を示した。このことから、スラックラインを活用したトレーニングを行うことで、スタビライゼーション型の体幹トレーニングと同等にバランス制御能力が向上し、実践者は、トレーニング強度として主観的に小さく感じていることが明らかとなった。
著者
鶴島 博和 櫻木 晋一 亀谷 学 菊池 雄太 城戸 照子 西村 道也 新井 由紀夫 徳橋 曜 安木 新一郎 図師 宣忠 阿部 俊大 西岡 健司 名城 邦夫 山田 雅彦 向井 伸哉
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

1. 2018年5月20日日本西洋史学会(広島大学)でDr David Roffeを招聘してDomesday Moneyersと題する研究報告、5月24日熊本大学においてThe Domesday Text Projectという講義を行った。2. 9月2日から8日までは、熊本大学と同志社大学においてThe International and symposium workshop on Money and its Circulation in the Pre-Modern Western Eurasian World in 2018を開催した。報告者は地中海世界のイスラーム貨幣に関してはスペインの大学からProf. F. M.atima Escudero, Prof. Alberto Canto, Carolina Domenech Belda 、Prof. W. Schultz、と科研メンバーの亀谷学が、世界のキリスト教世界に関してはイギリスからDr William Day , Dr Adrian Popescuが、スペインからはProf. D.Carvajal de laと Vega Dr Albert Estrada-Riusが、そして科研メンバーの阿部俊大が行った。議論は、多岐にわたり、とくに少額銀貨の流通に関して有意義な知見をえた。スペイン貨幣史研究の指導的研究者である Prof. Alberto Cantoからはこれまで経験したシンポジウムの中で最良のものの一つであるという評価を得ている。これらの報告内容に関しては報告書(2029 for 2018)に収録する予定。3.熊本地震で出土した益城町出土の古銭を地元の協力を得て分析し報告書を出版した。研究を地域に貢献することができた。4.2019年1月23日から2月10日まで鶴島がイタリアでProf. Andrea Saccocci, Prof. Monica Baldassariと研究打ち合わせを行い本年度のシンポジムに関する意見交換を行った。オックスフォード大学でZomiaに関する研究会に招待されて貨幣史から見たイングランドの無統治地域についての報告を行った。3月28日は今年度まとめの研究集会を行い、29日にドイツとバルト海の交易と貨幣についてProf. Michael Northと研究打ち合わせを行った。
著者
菊池 雄太 砂川 力也 増澤 拓也
出版者
日本トレーニング指導学会
雑誌
トレーニング指導 (ISSN:24336742)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.3-11, 2020

本研究は、大学ラグビー部に所属する健常な男子大学生18名を対象に、スラックライン上での歩行トレーニングがバランス制御能力に与える影響について明らかにすることを目的とした。実験参加者を3群(スラックライン群;SL 群、フロント・サイドブリッジ群;FS 群、コントロール群;Cnt 群)に分け、週に2 回のトレーニングを4 週間実施した。トレーニング前後に、重心動揺、筋力および反応ジャンプテストを測定し、各トレーニングセッションの終了直後に、主観的運動強度(RPE)を聴取した。その結果、SL群とFS 群において、トレーニング後に、重心動揺速度が有意に低い値を示した。SL 群およびFS 群の背筋力の変化は認められず、Cnt 群では、トレーニング後に低下する傾向であった。また、主観的運動強度はFS 群に比べSL 群が有意に低い値を示した。このことから、スラックラインを活用したトレーニングを行うことで、スタビライゼーション型の体幹トレーニングと同等にバランス制御能力が向上し、実践者は、トレーニング強度として主観的に小さく感じていることが明らかとなった。
著者
菊池 雄太
出版者
社会経済史学会
雑誌
社会経済史学 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.197-221, 2012

近世ヨーロッパ商業史研究において,内陸ドイツ,ボヘミア,ポーランド,バルト海地方にまたがる広大な後背地をもつハンブルクの陸上貿易の重要性は,十分に認識されている。しかしその全体像を解明する本格的な試みは見られず,未決着の議論が多く残されている。本稿は,税台帳史料の調査により可能となった,先行研究に完全に欠落する数量分析を核に,ハンブルクから後背地へ向けた輸出貿易を検討することで,その動態変化を長期的に跡づけた。とくに注目すべきは,17世紀のリューベック,18世紀のベルリンとの取引である。これによりヨーロッパ海上貿易の展開と大陸内部との結びつきの新たな一側面が,具体的に把握可能となった。より立ち入って観察すると,貿易路と取引地は,治安,政策,需要,輸送費,輸送方法,季節等の商業条件に対応して弾力的に選択されていた。商品の流通先にも,そのような諸条件に応じた地域的特徴か認められた。また,ハンブルクの後背地としてバルト海地方が占める固有の位置が明らかになったことも,本稿の成果の1つである。
著者
菊池 雄太
出版者
社会経済史学会
雑誌
社会経済史学 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.253-270, 2013-08-25 (Released:2017-05-17)

近世ヨーロッパの商品流通は,さまざまな政治的・経済的・自然的制約に縛られており,そのもとで陸路,河川路,海路がそれぞれどの程度の役割を果たしていたのか,たびたび議論されてきた。水上交通を主要輸送手段とする立場に対しては陸路交通を重視する立場からの反論が提出された。そのため,いずれかのみを重視する結論を下すことは不可能であり,むしろ時代や地域に特有な商業条件を考慮しつつ,その中でどのような流通構造がみられるのかを分析する必要がある。ハンブルクは陸路,河川路,海路からなる貿易路により展開する中継貿易を発達させた都市であり,この問題に対し格好の事例を提供する。本稿は,同市のバルト海地方との海上貿易を例にとり,陸上交通と比較しつつその流通構造を分析した。検討課題は,どのような商品がいかなる条件の下,ハンブルクで中継され,海路により輸送されたのかであった。その結果,ハンブルクに特有な政治的・経済的諸条件を背景とした流通構造,とりわけ精製のため市内に搬入された砂糖を大量輸送の必要から海路で再輸出するパターンが18世紀になってから定着したことが判明した。