著者
萩野 浩一 有友 嘉浩
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.68, no.10, pp.654-661, 2013-10-05

On August 12, 2012, the anticipated event for the element 113 (with the atomic number 113 and the mass number 278) was detected in the fusion reaction between ^<70>Zn and ^<209>Bi by the experimental group led by Dr. Kosuke Morita at RIKEN. The potential energy between two colliding nuclei consists of a short range nuclear attraction and the long range Coulomb repulsion, and the potential barrier, which is referred to as the Coulomb barrier, appears due to the strong cancellation between the two interactions. For relatively light systems, such as ^<16>O + ^<209>Bi, fusion takes place once the Coulomb barrier is overcome. In contrast, for massive systems, such as ^<70>Zn + ^<209>Bi used in the experiment by Morita, et al., the quasi-fission process, in which the two nuclei reseparate after the Coulomb barrier is overcome, becomes increasingly dominant, and the fusion cross sections are hindered accordingly. Moreover, even if the fusion is succeeded, the compound nucleus quickly decays by the (ordinary) fission. In this article, we first discuss how it is rare to synthesize a new element by heavy-ion fusion reactions and discuss a significance of the experimental result of Dr. Morita, et al. We also discuss a comparison between the so called hot fusion and cold fusion reactions, a transition of fusion dynamics from light systems to heavy systems, and the role of nuclear structure such as nuclear deformation on fusion of massive systems.
著者
内藤 智也 萩野 浩一 小林 良彦
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.99-102, 2022-02-05 (Released:2022-02-05)
参考文献数
51

話題アイソスピンの符号の慣習をめぐって
著者
萩野 浩一 小林 良彦 豊田 直樹 中村 哲
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.74, no.9, pp.655-658, 2019-09-05 (Released:2020-03-10)
参考文献数
23

歴史の小径ラザフォードの指導を受けた日本人若手研究者――S. Obaとは誰か
著者
中澤 知洋 森 浩二 村上 弘志 久保田 あや 寺田 幸功 谷津 陽一 馬場 彩 幸村 孝由 内山 泰伸 斉藤 新也 北山 哲 高橋 忠幸 渡辺 伸 中島 真也 萩野 浩一 松本 浩典 古澤 彰浩 鶴 剛 上田 佳宏 田中 孝明 内田 裕之 武田 彩希 常深 博 中嶋 大 信川 正順 太田 直美 粟木 久光 寺島 雄一 深沢 泰司 高橋 弘充 大野 雅功 岡島 崇 山口 弘悦 森 英之 小高 裕和 他FORCE WG
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 72.1 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.508, 2017 (Released:2018-04-19)

NGHXTあらため、FORCE衛星は1-80 keVの広帯域X線を高感度で撮像分光し、まだ見ぬ隠されたブラックホールや超新星残骸のフィラメントでの粒子加速の探査を目指している。2016年に変更した計画の内容、検出器および望遠鏡の開発状況、およびサイエンス検討の進捗を報告する。
著者
萩野 浩一
出版者
東北大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2013-04-01

中性子星内部で起こる核融合反応に関して、連星中性子星からのX線スーパー・バーストで重要となる 12C+12C 系の核融合反応の研究を行った。クーロン障壁以下のエネルギーにおけるこの系の核融合反応断面積には複数の共鳴ピークが観測されている。また、最近になり、非共鳴エネルギーにおける核融合反応断面積が 12C+13C 系及び 13C+13C 系の断面積に比べて著しく小さくなっていることが見出された。これらの実験的な事実を説明するために、核融合反応で生成される複合核の準位密度の観点から核融合反応断面積のエネルギー依存性を議論した。具体的には、虚部の強さが複合核の準位密度に比例する光学ポテンシャルを用いて結合チャンネル計算を行い、核融合反応断面積を求めた。このアプローチにより、12C+12C 系でできる複合核は12C+13C 系及び 13C+13C 系でできる複合核より比較的低温状態になること、及び12C+12C 系でできる複合核の24Mg は中性子及び陽子ともに偶数である偶偶核のため準位密度がそもそも小さいこと、の2つの要因から12C+12C 系の核融合反応断面積が小さくなることを明らかにした。この課題に加え、12C+12C 系及び 28Si+28Si 系に対する核融合反応断面積の振動現象を解析した。その際、よく核融合反応断面積に対してよく知られている Wong 公式の拡張を提唱した。これは、Wong 公式で用いられるクーロン障壁に関するパラメータを「かすり角運動量」において評価しエネルギー依存性を持たせるように拡張したものである。この拡張した Wong 公式が量子力学的な求められた核融合反応断面積の数値解をよい精度で再現することを明らかにした。この成果を原著論文にまとめ、Physical Review C 誌に発表した。