著者
内田 裕之
出版者
日本LCA学会
雑誌
日本LCA学会誌 (ISSN:18802761)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.21-28, 2020 (Released:2020-01-25)
参考文献数
7

2018 年 6 月、2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会のための「持続可能性に配慮した運営計画」第二版(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、2018)が公開され、大会の温室効果ガス排出量の予測とこれに基づく具体的な削減対策が示された。2019 年 3 月には「持続可能性進捗状況報告書」(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、2019)が公開されており、大会における気候変動への対策が整理されるとともに、対策の進捗状況が公に報告されている。そして、この対策の中で、カーボンフットプリントによる CO2 排出量の見える化が重要な位置づけとなっている。オリンピック・パラリンピック競技大会は、言うまでもなく、国際的に最も大規模かつ世界中の注目を集めるイベントの一つである。そのため大会における気候変動対策は、今後のイベントにおける気候変動対策の参考となる。その対策の中でカーボンフットプリントによるライフサイクル視点の CO2 排出量見える化が重要な位置づけとなっていることは、LCA 手法の今後の活用において注目すべき事例である。本解説では、公開されている報告書の内容をもとに、大会の対策内容、カーボンフットプリントの位置づけを整理した。
著者
内田 裕之
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.90, no.6, pp.366-370, 2021-06-05 (Released:2021-06-05)
参考文献数
9

燃料電池は,外部から供給する燃料がもつ化学エネルギーを電気化学反応により電気エネルギーに直接変換するクリーンで高効率な発電装置です.本稿では,各種燃料電池の作動原理,構成材料,応用例とともに,変換効率の計算法について概説します.また,燃料電池自動車(FCV)や家庭用燃料電池として市販され始めている固体高分子形燃料電池(PEFC)の電極触媒開発のトピックスも紹介します.最近では,固体高分子形水電解や固体酸化物形電解セルに再生可能電力を供給して高効率に製造・貯蔵した水素を工業的に利用したり,燃料電池で高効率に電力に変換する社会の実現を目指す研究が続けられています.
著者
中澤 知洋 森 浩二 村上 弘志 久保田 あや 寺田 幸功 谷津 陽一 馬場 彩 幸村 孝由 内山 泰伸 斉藤 新也 北山 哲 高橋 忠幸 渡辺 伸 中島 真也 萩野 浩一 松本 浩典 古澤 彰浩 鶴 剛 上田 佳宏 田中 孝明 内田 裕之 武田 彩希 常深 博 中嶋 大 信川 正順 太田 直美 粟木 久光 寺島 雄一 深沢 泰司 高橋 弘充 大野 雅功 岡島 崇 山口 弘悦 森 英之 小高 裕和 他FORCE WG
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集 72.1 (ISSN:21890803)
巻号頁・発行日
pp.508, 2017 (Released:2018-04-19)

NGHXTあらため、FORCE衛星は1-80 keVの広帯域X線を高感度で撮像分光し、まだ見ぬ隠されたブラックホールや超新星残骸のフィラメントでの粒子加速の探査を目指している。2016年に変更した計画の内容、検出器および望遠鏡の開発状況、およびサイエンス検討の進捗を報告する。
著者
西村 太志 内田 裕之 原 夕紀
出版者
東亜大学
雑誌
総合人間科学 : 東亜大学総合人間・文化学部紀要 (ISSN:13461850)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.87-95, 2006-03

本論文は,心理学における研究手法の一つである調査的面接技法について、心理学の研究法の初学者を対象に演習を行った際の手法や工夫した点、結果のまとめ方などについて取り上げた。調査的面接技法は、質問紙調査や実験的手法では得ることのできない、非言語的な対象者の反応や、時間的流れの中での反応を測定することのできる手法であり、卒業研究などにおいても取られうる手法として、心理学分野のみならず幅広く用いられるものである。本論文は特に、(1)心理学の研究技法における面接法の位置づけ、(2)今年度心理学演習で実施した調査的面接法実習の内容、およびそのノウハウ、(3)演習において実際に学生が行った結果のまとめ、ならびに資料としてのプレゼンテーションの仕方、について、次年度以降学習する学生の手引きとなりうる形でまとめたものである。
著者
中嶋 大 常深 博 林田 清 鶴 剛 田中 孝明 内田 裕之 堂谷 忠靖 尾崎 正伸 冨田 洋 夏苅 権 上田 周太朗 岩井 將親 廿日出 勇 山内 誠 森 浩二 西岡 祐介 平賀 純子 信川 正順 信川 久美子 村上 弘志 幸村 孝由 馬場 彩 Doty John 他 SXI チーム
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.71, pp.368-368, 2016

<p>X線天文衛星「ひとみ」搭載CCDカメラ(SXI)は、200μm厚の裏面照射型PチャンネルCCDを完全空乏化させ、0.4-12 keV の軟X線帯域で38分角四方の広い視野をカバーする。SXIは軌道上での立ち上げから、冷却後の天体データ取得に至るまで、期待通りの性能を示した。我々は軌道上データを用いて、線形性・電荷転送効率・応答関数・検出効率などを較正しており、本講演ではその現状について報告する。また、可視光漏れなど軌道上で発生した事象への対策についても報告する。</p>
著者
戸田 賢二 森川 治 森本 智之 萩本 有哉 内田 裕之 引地 信之 日比 康守 松本 祐教
雑誌
研究報告システムLSI設計技術(SLDM)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.33, pp.1-6, 2012-02-24

ヘテロジニアス・マルチコア技術により Android 機器を高速・省電力化する Ultra-Android プラットフォーム開発プロジェクトの一環として,その性能評価システムを開発した.本システムは,独自開発の FPGA 基板を用い,Ultra-Android を実装する FPGA 基板と AMBA バスで接続を行い,Ultra-Android 側のイベント処理時間を測定したり,Ultra-Android に予め設定したタイミングで入力を行いそのレスポンス時間を測定するなどの機能を有するものである.プロセッサ基板側は殆ど測定の影響を受けずに正確なタイミングデータを計測することができ,Ultra-Android の実時間性能を含めた性能改善に役立つことが期待される.A performance evaluation system for Ultra-Android platform ,which achieves high performance and less energy consuming android apparatus by using heterogeneous multi-core technology, has developed. The evaluation system is implemented on our originally developed FPGA board and connected with another FPGA board where Ultra-Android runs ia AMBA bus. The system is capable of measuring event processing times and response times to pre-defined key-input-sequences. Since software on the microprocessor board is not affected by the measuring and provides precise timing data, performance improvement, in particular real-time performance, is enhanced.
著者
内田 裕之
出版者
山梨大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

純水素を高効率に大量製造可能な高温水蒸気電解(SOEC)、これを逆作動したSOFC発電用の高性能・高耐久性電極を研究開発し、以下の主な成果を得た。1)噴霧プラズマ合成法により、電子ーイオン混合導電性サマリアドープセリア(SDC)またはガドリニアドープセリア(GDC)粒子にNiやNi-Co合金ナノ粒子触媒を高分散することに成功した。2)固体電解質のイオン導電率が高いほどNi-Co/SDC水素極の性能が向上することを見出した。3)(Sr_<1-x> Ce_x) MnO_<3±δ>を合成し、SOFC酸素極として良好に作動することを見出した
著者
内田 裕之
出版者
山梨大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

本研究は、金属ナノ粒子と混合導電性酸化物間の特異な相互作用を解明・制御して高性能電極を開発し、ナノイオニクスの発展に貢献することを目的とする。本年度は、以下の成果を得た。1) 噴霧プラズマ法で合成したNi-SDC複合粒子のNi粒子サイズ制御とSOFCアノード特性昨年度報告したように、組成と粒径がよく制御されたSDC固溶体とNiOの複合粒子がSSP法により一段階で簡便に合成できる。この粒子は中空状であり、Ni, Ce, Smが均一に分布していた。水素気流中800〜1000℃で1時間還元処理するとNiOは全てNiに還元できた。NiとSDC間の強い相互作用により、SDC表面にアンカーされた状態でNi粒子が析出し、Ni結晶子サイズは、1000℃還元では50nm、800℃では37nmであった。還元温度を低くするほどNi粒径を小さく制御できることがわかった。このNi-SDCをYSZ電解質に取り付けてSOFCアノード特性を評価した結果、17vol%-Niで最大活性を示すことを見出した。2) ヘテロ界面制御 : 混合導電性酸化物LSCF酸素極の長期耐久性La_<0.6>Sr_<0.4>Co_<0.2>Fe_<0.8>O_3(LSCF)+SDC/LSCF二重層構造電極を900℃、0.5A/cm^2で酸素発生させ、5000時間の耐久性を実証できた。落雷での停電での急冷、作業停電での室温までのヒートサイクルにも耐え、0.15V以下(vs. air)という高い性能を維持できた。試験開始時と再起動時に、一度上昇した電位が緩やかに回復する原因は、電極内の粒子同士の焼結がガス拡散性を抑制しない程度に進行してイオンと電子の導電ネットワークが向上し、有効反応領域が増大することに加え、LSCF中のCoの価数変化または相変化が起こっている可能性が高いことを明らかにした。