著者
市川 至 蓬莱尚幸 佐伯 元司 米崎 直樹 榎本 肇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.27, no.11, pp.1112-1128, 1986-11-15
被引用文献数
1

本論文では 自然言語ベースの仕様記述言語TELL/NSLにおけるシステムの静的な仕様記述から 変換により実行可能なPrologプログラムを得てテストデータによる試験を行うラピッドプロトタイピング手法について述べる.TELL/NSLの仕様記述は まずその意味となる1階述語論理式へ変換され 次にホーン節型式に変換される.さらに 述語の入出力モードを入出力依存グラフを利用して決定し その入出力モードに基づき正しい動作をするようにPrologの実行制御を考慮してリテラルや節の並べ換えを行い 実行可能なPrologプログラムに変換する.これらの変換は 段階的に適応される部分変換からなり それぞれの変換では健全性が保証され 全体の変換により得られるプログラムは元の仕様記述を満たし部分正当であることが保証される.得られたプログラムを実行しデータ試験を行うことにより 元の仕様記述において不明確な点を発見することが可能となった.
著者
蓬莱尚幸 佐伯 元司 榎本 肇
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.7, pp.65-72, 1988-02-12

本稿では,仕様記述システムが自己記述性を持つことは広範囲なソフトウェアを対象とする仕様記述システムを構築する上で重要であることを明らかにし,仕様記述システムに自己記述性を持たせる手法について考察する.本稿で考える手法は,自己拡張された記述をシステムが基本的に持つ記述に変換することで自己記述性を実現している.仕様記述をテンプレートと呼ばれる雛形に対象ソフトウェア特有の語句を穴埋めしたものと考え,仕様記述自身とそれに対する変換規則を記述するための枠組みとして,テンプレート記述言語とテンプレート変換言語を提案する.我々が目指すシステムでは,それらの言語を用いて仕様記述者が記述した仕様記述形態の定義と変換規則を用いて拡張された記述形式を含む仕様記述をシステムで用意された基本的な部分で用意された記述形式(核部分)のみからなる仕様記述に変換する機能をシステムに備えることで自己記述性を実現している.さらに,仕様テンプレート記述言語およびテンプレート変換言語に対して仕様記述システムの核部分の仕様記述言語に変換することで意味付けし,自己記述を仕様記述システムの仕様として扱い,仕様記述とそれを作成するための仕様記述システムを統一的に扱うことを考察した.本稿では,核部分としてPure TELLでの仕様記述システムを例にとり論を進める.The method to add the self-description mechanism to a specification system is presented. For the description of the self-description, we need the mechanism for manipulating specifications. we developed two languages. One is "Template Description Language". It is possible to define the syntactic and/or semantic structure of the specification by this language. The other is "Template Transformation Language". It is possible to define the transformation of templates by this language. The specification system with self-description mechanism must have these language and the mechanism for executing the transformation according to user's description of self-descriptions. We also presented the method for the semantics of these language with the specification language of the system. It become possible to manipulate both specification and self-description in the same manner.
著者
古宮 誠一 加藤潤三 永田 守男 大西 淳 佐伯 元司 山本 修一郎 蓬莱尚幸
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.100(1998-SE-121), pp.99-106, 1998-11-05

ソフトウェアに対する顧容の要求を抽出する技術をインタビュー技術であると捉え、インタビューによる要求抽出作業を誘導するシステムをWWW上に開発中である。この論文では、インタビューによる要求抽出作業を誘導するシステムの実現方式を明らかにしている。
著者
土井 晃一 大森 晃 蓬莱 尚幸 渡部 勇 片山 佳則
出版者
情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.47, pp.125-126, 1993-09-27
被引用文献数
2

顧客からの要求獲得において、自然言語によるコミュニケーションは重要な役割を果たしている。この際、直接言われた要求だけではなく、言われていない、顧客の無意識下にある漠然とした要求も抽出したい。将来的には自動的に要求を抽出することが目標だが、まずは要求獲得のための方法論を確立したい。要求獲得では、話し手の意図理解が前提となる。意図理解の理論的枠組として発話行為論を用いる。発話行為論では話し手の種々のレベルの行為の解釈が主な問題となるが、本研究では単に発話の解釈、理解だけではなく要求の獲得を目標とする。まずそのために言語現象を観察・解析し、話し手の意図を考慮した言語行為モデルを構築する必要がある。本論文ではそうしたモデルを提案する。図1コミュニケーシヨン進行による共有知識の顕在化さらに話し手の意図を理解するためには、共有知識(感情、イメージなども含む)の顕在化が必要となる。つまりコミュニケーションの展開を通して、図1のように、話し手、聞き手双方の無意識下にあるものと共有知識を意識下に顕在化すること(図1の矢印の方向への推移)が意図理解、要求分析には必要となる。これは今後の重要な課題である。