- 著者
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蓬莱尚幸
佐伯 元司
榎本 肇
- 雑誌
- 情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE)
- 巻号頁・発行日
- vol.1988, no.7, pp.65-72, 1988-02-12
本稿では,仕様記述システムが自己記述性を持つことは広範囲なソフトウェアを対象とする仕様記述システムを構築する上で重要であることを明らかにし,仕様記述システムに自己記述性を持たせる手法について考察する.本稿で考える手法は,自己拡張された記述をシステムが基本的に持つ記述に変換することで自己記述性を実現している.仕様記述をテンプレートと呼ばれる雛形に対象ソフトウェア特有の語句を穴埋めしたものと考え,仕様記述自身とそれに対する変換規則を記述するための枠組みとして,テンプレート記述言語とテンプレート変換言語を提案する.我々が目指すシステムでは,それらの言語を用いて仕様記述者が記述した仕様記述形態の定義と変換規則を用いて拡張された記述形式を含む仕様記述をシステムで用意された基本的な部分で用意された記述形式(核部分)のみからなる仕様記述に変換する機能をシステムに備えることで自己記述性を実現している.さらに,仕様テンプレート記述言語およびテンプレート変換言語に対して仕様記述システムの核部分の仕様記述言語に変換することで意味付けし,自己記述を仕様記述システムの仕様として扱い,仕様記述とそれを作成するための仕様記述システムを統一的に扱うことを考察した.本稿では,核部分としてPure TELLでの仕様記述システムを例にとり論を進める.The method to add the self-description mechanism to a specification system is presented. For the description of the self-description, we need the mechanism for manipulating specifications. we developed two languages. One is "Template Description Language". It is possible to define the syntactic and/or semantic structure of the specification by this language. The other is "Template Transformation Language". It is possible to define the transformation of templates by this language. The specification system with self-description mechanism must have these language and the mechanism for executing the transformation according to user's description of self-descriptions. We also presented the method for the semantics of these language with the specification language of the system. It become possible to manipulate both specification and self-description in the same manner.