著者
市川 至 蓬莱尚幸 佐伯 元司 米崎 直樹 榎本 肇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.27, no.11, pp.1112-1128, 1986-11-15
被引用文献数
1

本論文では 自然言語ベースの仕様記述言語TELL/NSLにおけるシステムの静的な仕様記述から 変換により実行可能なPrologプログラムを得てテストデータによる試験を行うラピッドプロトタイピング手法について述べる.TELL/NSLの仕様記述は まずその意味となる1階述語論理式へ変換され 次にホーン節型式に変換される.さらに 述語の入出力モードを入出力依存グラフを利用して決定し その入出力モードに基づき正しい動作をするようにPrologの実行制御を考慮してリテラルや節の並べ換えを行い 実行可能なPrologプログラムに変換する.これらの変換は 段階的に適応される部分変換からなり それぞれの変換では健全性が保証され 全体の変換により得られるプログラムは元の仕様記述を満たし部分正当であることが保証される.得られたプログラムを実行しデータ試験を行うことにより 元の仕様記述において不明確な点を発見することが可能となった.
著者
大島 信太郎 榎本 肇 天野 橘太郎 荒木 庸夫 田尻 昶夫 岡田 稔
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:03743470)
巻号頁・発行日
vol.17, no.9, pp.535-543,549, 1963

トンネルダイオードを多数個使用した高速度高精度A-D変換器を製作し, テレビジョン信号のPCMの実験を行なった.トンネルダイオード対回路の動作原理, およびA-D変換器の概要を解説し, 白黒およびNTSC方式カラー信号のPCM化について得られた結果をのべてある.
著者
宮村 勲 榎本 肇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.614-621, 1983-09-15

本論文は プログラムの生産 理解 修正を容易にするような新しい並列処理言語について述べている.この目的を達成するため プログラムに人工的な制約を課さず プログラムの構造が問題の論理構造を静的に反映できなければならない.プログラム・テキスト中に問題の階層構造を表現するため process resource procedure function という4種類のモジュールを用意し それらの任意の入れ子を可能にした.共有変数に起因するデッドロック問題を避けるため 変数のスコープはそれが宣言されたモジュールだけに制限する.モジュール間の相互作用はパラメータ転送 メッセージ交換 resource を用いて行われる.process の動作は 通常動作と例外的事象に対する動作に分けて記述される.例外的事象とは他モジュールから緊急メッセージを受信することである.そのようなメッセージは常時受信可能である.また メッセージ交換の相手は静的と動的の両方で制限される.resourceは共有objectに対するアクセスを制御する.resource procedure 間の並列動作の可能性は 個々の手続きとは分離して静的に記述する.個々の手続きが呼び出されるときの前提条件も分離して静的に記述される.非決定的表現として if文 do文 while文の三つを用意する.これらはDijkstraの提案したgarded commandに基づくが guard に入出力文のどちらでも書けるように拡張されている.本言語の有効性を明らかにするため フィボナッチ数列を計算するprocedureと Readers/Writers問題のプログラム例を示している.
著者
蓬莱尚幸 佐伯 元司 榎本 肇
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.1988, no.7, pp.65-72, 1988-02-12

本稿では,仕様記述システムが自己記述性を持つことは広範囲なソフトウェアを対象とする仕様記述システムを構築する上で重要であることを明らかにし,仕様記述システムに自己記述性を持たせる手法について考察する.本稿で考える手法は,自己拡張された記述をシステムが基本的に持つ記述に変換することで自己記述性を実現している.仕様記述をテンプレートと呼ばれる雛形に対象ソフトウェア特有の語句を穴埋めしたものと考え,仕様記述自身とそれに対する変換規則を記述するための枠組みとして,テンプレート記述言語とテンプレート変換言語を提案する.我々が目指すシステムでは,それらの言語を用いて仕様記述者が記述した仕様記述形態の定義と変換規則を用いて拡張された記述形式を含む仕様記述をシステムで用意された基本的な部分で用意された記述形式(核部分)のみからなる仕様記述に変換する機能をシステムに備えることで自己記述性を実現している.さらに,仕様テンプレート記述言語およびテンプレート変換言語に対して仕様記述システムの核部分の仕様記述言語に変換することで意味付けし,自己記述を仕様記述システムの仕様として扱い,仕様記述とそれを作成するための仕様記述システムを統一的に扱うことを考察した.本稿では,核部分としてPure TELLでの仕様記述システムを例にとり論を進める.The method to add the self-description mechanism to a specification system is presented. For the description of the self-description, we need the mechanism for manipulating specifications. we developed two languages. One is "Template Description Language". It is possible to define the syntactic and/or semantic structure of the specification by this language. The other is "Template Transformation Language". It is possible to define the transformation of templates by this language. The specification system with self-description mechanism must have these language and the mechanism for executing the transformation according to user's description of self-descriptions. We also presented the method for the semantics of these language with the specification language of the system. It become possible to manipulate both specification and self-description in the same manner.
著者
宮村 勲 村尾 洋 榎本 肇
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.46, pp.113-114, 1993-03-01

カラー画像を処理する場合,従来は要素信号ごとに白黒画像の手法を適用するのが一般的である.しかし,カラー画像は3種類の信号が互いに強い相関を持つため,これを分離して取り扱うのは望ましくない.我々は既にベクトル場の概念を用いた画像処理の方法を提案している.この手法を適用すことにより,画像分析,合成,動画像処理まで,全ての分野を統一的に取り扱うことができる.