著者
善 正二郎 奥田 充 藤 晋一
出版者
日本植物病理學會
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.76, no.4, pp.269-274, 2010

アイリスイエロースポットウイルス(IYSV)はトマト黄化えそウイルス(TSWV)をタイプ種とするトスポウイルス属に属し、ネギアザミウマにより媒介される。IYSVはダッチアイリスから最初に分離されたウイルスであり、我が国ではアルストロメリアで初めて感染が報告された。その後、トルコギキョウ、タマネギ、ネギ、ニラで発生が報告されている。宿主植物のIYSVによる病徴は、えそ輪紋、えそ斑点、えそ条斑など様々であるが、発病部位である葉が商品価値に影響を与えるトルコギキョウやネギなどでは、IYSVの発生が直接、農家経営に影響を与えるため、発生地域では生産上の重要な病害となっている。本研究では、ネギアザミウマまたはアザミウマ類に農薬登録がある数種の殺虫剤について残効期間とIYSV感染に対する抑制効果を検討した。
著者
岩佐 和晃 伊藤 晋一 大山 研司 佐藤 卓 富安 啓輔 横尾 哲也 益田 隆嗣 平賀 晴弘 奥 隆之 吉良 弘 倉本 義夫
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

電子の遍歴-局在転移、電子多極子秩序、さらに磁気・電荷秩序相と接する超伝導などの非自明な電子物性の機構解明には、磁気モーメントのミクロな秩序と揺らぎの観測が重要である。長年その目的に供されてきた中性子散乱法は、近年の線源性能の向上や高束線ビーム化により、従来は検出できなかった散乱シグナルの観測へと進展している。本研究では、ブリルアン散乱法や偏極中性子利用も視野に入れてこれまでアクセスできなかった測定への進化を目指しながら、遍歴-局在のデュアリティー性を示す近藤格子、鉄系超伝導の相図と磁気相関、ワイルフェルミオン系などを明らかにする成果を得た。
著者
佐藤 晋一
出版者
青森県水産試験場
雑誌
青森県水産試験場研究報告 (ISSN:13463012)
巻号頁・発行日
no.3, pp.29-35, 2003-03

本県太平洋側の出戸沖線(北緯41度)についての観測資料を整理し,若干の考察を行った.津軽暖流域の各層最高水温は0m層では8~9月に最高,50m層では9~10月に最高,100m層では10月に最高と,下層に向かってピークが少しずつ遅く,水温値も低くなっていた.最低水温はいずれも2~3月にみられた.水塊深度は6~7月に一旦極小値をみせ,8月から12月は同程度の深さを示していた.出戸東方における津軽暖流の張り出し位置は,1~3月に最も西側に位置し,10月に最も東方に位置していた.しかし,東経142度40分までの観測線ではとらえられない事例が約5割もみられており,8~12月は観測の5割以上で張り出し位置をとらえられず,この期間は張り出し位置がより東側であることがうかがわれた.出戸東方の東経142度40分までの水深300m層を無流面とする南下流量は175回の全平均で0.56Svとなった.月平均でみると最大は6月で,7~11月の平均値は小さく,最小は11月となった.全平均は0.56Svとなったが,これは,尻屋線における500m層を無流面とする津軽暖流の南下流量の全平均2.03Svの3割弱に当たっていた.この理由としては,出戸線の観測ラインが短いことや尻屋線での無流面が500mと深く設定できたことがあげられ,出戸線のデータでは津軽暖流の流量をとらえきれていないといえた.地衡流量は,3月から6月ぐらいまで流量が増加していくが,7月以降の流量が少なくなっていた.これはこの時期,津軽暖流が沿岸モードから渦モードに移行し,東経142度40分までの短い出戸線ではとらえきれなくなるためと考えられた.季節変動の主成分分析の結果から,この海域では津軽暖流による変動が最も大きいと考えられた.第2主成分は水深150m付近を中心とする変動がみいだされ,親潮第1分枝の変動を示しているものと考えられた.塩分の第1主成分も津軽暖流の変動を示しているものと考えられた.第2主成分は沿岸側の下層に分布の中心がみられ,親潮系冷水を示しているものと考えられた.
著者
佐藤 晋一
出版者
青森県水産試験場
雑誌
青森県水産試験場研究報告 (ISSN:13463012)
巻号頁・発行日
no.2, pp.31-52, 2002-03

本県太平洋沖合海域は津軽暖流や親潮、黒潮起源の暖水の張り出しや暖氷塊が北上する氷塊配置が複雑に変化する海域である。これらの氷塊配置の変化によっても引き起こされる水温の季節変動パターンやその要因を明らかにし、経年変動パターンを明らかにすることを目的として解析を行った。 季節変動のクラスター分析では、津軽暖流や親潮の影響の及ぶ範囲、大陸棚の影響により海水の流動様式が異なると考えられる海域など、本県太平洋沖合海域を4つに区分することができた。 季節変動の主成分分析の結果から、津軽暖流域の特徴を示す全体変動や親潮域またはその沖側の海域の特徴を示す主成分がみいだされた。 経年変動の主成分分析の結果から、全体変動は親潮による変動の影響が大きく、第2主成分は津軽暖流の影響が大きく、第3主成分は沿岸部の津軽暖流と沖合の暖水の影響が大きいことがうかがわれた。 スペクトル解析の結果では、津軽暖流の予測の可能性が最も大きいことがうかがわれ、親潮についてもその予測を検討することが有効であると思われた。 クラスター解析を用いた類似年の抽出による次の月の予測は的中率の高いものではなかった。また、主成分を用いた水温予測では、春季や冬季の予測誤差は比較的小さかったが、夏場については水温変動が大きく、予測を行うのはむずかしいと思われた。
著者
谷沢 昭行 古藤 晋一郎 中條 健 菊池 義浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.644, pp.85-88, 2004-01-28
被引用文献数
2

H.264では,様々な予測ブロック形状や予測信号生成手段が用意されており,多数の符号化モードの中から,最適なモードを選択することで符号化効率の向上が得られている.しかし,Lagrangeの未定乗数法に基づいたレート-歪み最適化モード判定を用いると,符号化効率が大幅に向上する反面,演算量が膨大になるという問題がある.本稿では,階層的且つ適応的にモード数を削減することで,符号化効率の低下を抑えつつ高速に好適な符号化モードを決定する手法を提案する.