著者
佐藤 卓己
出版者
国際日本文化研究センター
雑誌
Historical Consciousness, Historiography, and Modern Japanese Values
巻号頁・発行日
pp.65-73, 2006-11-30

Historical Consciousness, Historiography, and Modern Japanese Values, 2002年10月末-11月, カナダ, アルバータ州バンフ
著者
佐藤 卓己
出版者
日本メディア学会
雑誌
マス・コミュニケーション研究 (ISSN:13411306)
巻号頁・発行日
vol.97, pp.47-63, 2020-07-31 (Released:2020-09-26)
参考文献数
28

In the works of the author, Takumi Sato, who has been changed from aGerman modern history scholar to a media historian, the concept of “Mass” hascrucial importance. This paper examines the role of the active masses who supportedthe Nazi regime, collating the arguments of George L. Mosse, Thenationalization of the masses; political symbolism and mass movements in Germanyfrom the Napoleonic wars through the Third Reich (1975=1994) andTakumi Sato, The Fascist Public Sphere; Media Studies of Total War (2018).The Nazi regime did not succeed due to manipulation of the masses throughpropaganda, but was instead supported by voluntary movements by the massesfor national consensus building. From this viewpoint, the framework of mediastudies on the fascist movements should be changed from “Nazi propaganda” to“Nazi public relations.” As an outstanding analysis during the time of Nazi propaganda,Serge Chakotin, The Rape of the Masses; The Psychology of TotalitarianPolitical Propaganda (1939) can be reread. In recent years, the book hasbeen republished and translated around the world, including an edition in Japanese(2019). What does the revival of this book mean? It shows that the bulleteffect theory functions as an excuse for the active masses who take part in thepolitical public sphere. Theoretically, the bullet effect theory was denied in the1950s by the limited effect theory. However, it is thought that its popularity hasnot abated because of the support by the nationalized masses in the informationsociety.
著者
田中 秀数 小野 俊雄 栗田 伸之 佐藤 卓
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

我々はフラストレーションの強いスピン系での顕著な量子効果を調べた。まず,我々はBa3CoSb2O9の磁化過程を測定し,全磁場領域で磁化曲線が理論と一致することより,この物質が理想に近いスピン1/2三角格子反強磁性体であることを示した。続いて,スピン1/2籠目格子反強磁性体Cs2Cu3SnF12の磁気励起を中性子非弾性散乱で測定し,励起エネルギーが通常とは逆に,スピン波理論で求めた値よりも大きく減少する負の量子再規格化現象を発見した。更に,新規ダイマー磁性体Ba2CoSi2O6Cl2を合成し,その強磁場磁化過程を測定することより,磁場中でマグノン結晶ができることを見出した。
著者
佐藤 卓己 渡辺 靖 植村 和秀 柴内 康文 福間 良明 青木 貞茂 本田 毅彦 赤上 裕幸 長崎 励朗 白戸 健一郎 松永 智子
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

情報化の先進諸国におけるメディア文化政策の展開を地域別(時系列的)、メディア別(地域横断的)に比較検討し、国民統合的な「文化政策」と情報拡散的な「メディア政策」を明確に区分する必要性を明らかにした。その上で、ソフト・パワーとしては両者を組み合わせた「メディア文化政策」の重要性が明らかになった。佐藤卓己・柴内康文・渡辺靖編『ソフトパワーとしてのメディア文化政策』を新曜社より2012年度中に上梓する。
著者
佐藤 卓己 Takumi Sato
雑誌
社会学部紀要 (ISSN:04529456)
巻号頁・発行日
no.別冊, pp.1-26, 2011-03-15
著者
佐藤 卓
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

着床前遺伝子診断の実際では, 稀少なDNA量の遺伝子増幅の際に, 例えば対立アリルの一方のみが増幅されないアレルドロップアウト現象の出現が知られ, 誤診断の原因となる. 現在までに利用可能な各種全ゲノム増幅技術 (WGA) を比較した. その結果, WGAの違いによって, 検出されやすい遺伝子変異が異なる事象が観察された. また, WGA毎に増幅されやすい遺伝子領域が異なり, それは, 同一の遺伝子領域においてさえも, 増幅のバイアスは観察された. いずれのWGAを採用しても, あらゆる遺伝子においてADOは観察される結果を得た. 現時点では, MDA法が最も汎用性が高い.
著者
佐藤 卓己 佐藤 八寿子
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

本研究では 20 世紀日本を代表する国民的メディア・イベントの分析を通じて、青年文化の変容を検討した。《NHK・青年の主張全国コンクール》(1954 年-1989年)の優秀作品をデータベース化し、量的および質的に分析した。また、関連資料の分析から日本社会における「青年」への眼差しの変化を明らかにした。その結果は『青年の主張-幸福感のメディア史』(仮題)として河出書房から出版の予定である。
著者
佐藤 卓 松本 文雄 安部 隆司 二瓶 直子 小林 睦生
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.195-204, 2012-09-30 (Released:2013-07-06)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

It was previously reported that the northern limits of geographic distribution of Ae. albopictus in Japan are Akita and Iwate Prefectures. In this study, we carried out larval surveillance from 2009 to 2010 to clarify the present distribution of the mosquito in Iwate Prefecture and to analyze the relationship between climatic conditions and the northern distribution of Ae. albopictus by the geographic information systems (GIS). Distribution of Ae. albopictus was found in 34 collection sites from 7 cities and 2 towns in this study. Around the collection sites in Senboku 2 Chome, Morioka City where Ae. albopictus larvae were collected in 2009, an intensive investigation was carried out in 2010, and more than 20 colonies of Ae. albopictus were collected. This suggests that Ae. albopictus population has been established in Morioka City. The relationships between climatic conditions and distribution of Ae. albopictus in Iwate Prefecture were analyzed using 1 km mesh climate data from 2006 to 2010, and the following conditions were suggested for the presence of Ae. albopictus populations: >10.8°C annual mean temperature, >-1.4°C daily mean temperature in January, >185 days/year with >10.8°C mean daily temperature and >1,350 degree days of effective accumulated temperature per year.
著者
三澤 真美恵 貴志 俊彦 佐藤 卓己 孫 安石 川島 真 小林 聡明
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では東アジアの複数の地域(日本、中国、香港、台湾、シンポール、韓国、北朝鮮)および複数の視聴覚メディア(テレビ、映画、レコード、ラジオ)を対象に、地域間・メディア間の相互連関性を検討した。各年度に行われた国際ワークショップや国際シンポジウムを通じ、国内外の研究者が多様なディシプリンを持ち寄ったことで、東アジアに固有の相互連関の具体的様態についても明らかにすることができた。本研究の成果は論文集として公刊される予定である。
著者
剣持 龍介 小林 知世 山岸 敬 佐藤 卓也 今村 徹
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.236-244, 2013-06-30 (Released:2014-07-02)
参考文献数
20
被引用文献数
3 1

【目的】 Rey-Osterrieth Complex Figure Test (ROCF) の模写課題における認知症患者の遂行機能障害を評価する簡易な尺度を作成し, 妥当性を検討する。【対象】 新潟リハビリテーション病院神経内科を初診し, 数唱, MMSE, Alzheimer's Disease Assessment Scale(ADAS), Frontal Assessment Battery (FAB)および ROCF の模写課題を施行した認知症患者で MMSE 得点が15 点以上かつ25 点以下の97 症例。【方法】 評価項目は, 計画的で効率的な模写遂行のために適切な順序で模写されているか否か(模写時方略)を評価する 2 項目と, 体系的な模写遂行のために重要な ROCF の部位がまとまった形態として抽出されひと続きで模写されているか否か(骨格要素の抽出)を評価する 5 項目の計7 項目とした。評価項目ごとに得点あり/なしを従属変数とし, MMSE 得点および教育年数を共変量, 年齢, ADAS 下位項目のうちの単語再生, 構成, 観念行為, 見当識, 単語再認の減点, FAB 得点いずれかを独立変数とする logistic 回帰分析を施行した。【結果】 教育年数と認知機能の全体重症度の影響を除外した logistic 重回帰分析において, 評価項目のうちの(1)模写時方略のa)大きな長方形の描き方, b)大きな長方形内部の描き方, (2)骨格要素の抽出のa)大きな長方形, b)大きな長方形内の2 つの対角線, d)大きな長方形内の水平な中央線の 5 項目でFAB 得点との間に有意な関係また有意ではないものの関係する傾向が認められた。これら5 項目の合計得点を従属変数とし, 教育年数と認知機能の全体重症度の影響を除外した重回帰分析においても, FAB 得点に有意な偏回帰係数が得られた。【結論】 本研究では, 評価項目の多くと遂行機能障害との関係が確認され, 尺度として一定の妥当性が示唆された。これらの評価項目を用いた尺度は, 認知症患者の ROCF 模写課題における遂行機能障害を評価する簡便な評価方法であり, 物忘れ外来などの日常的な臨床場面での使用に一定の有用性を有すると考えられた。
著者
花田 惇史 吉田 裕一 佐藤 卓也 後藤 丹十郎 安場 健一郎 田中 義行
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.161-169, 2016 (Released:2016-06-30)
参考文献数
27
被引用文献数
3 4

近年,受粉用ミツバチがしばしば不足し,果実を中心に園芸作物の生産コスト増大や品質低下を引き起こしている.その解決策の一つとして,医療用の無菌ウジ増殖技術を応用して生産したヒロズキンバエについて,施設栽培作物の花粉媒介昆虫としての実用化の可能性を検討した.イチゴ,トマト,ナスおよびメロンを対象として,開花期にヒロズキンバエをハウス内に放飼し,着果率や果実形態の比較によって,各作物への受粉効果を調査した.トマト,ナスおよびメロンにおいては,明確な着果促進効果は得られなかった.一方,イチゴでは,ハエは羽化直後から盛んに花に飛来する姿が観察され,ハエ搬入前と比較して受精不良果発生率は大きく低下した.ただし,90 m2当たり400頭の搬入では品種によって効果が不十分であった.しかし,1000頭搬入した場合は,ミツバチと同等の効果が得られたことから,ヒロズキンバエはミツバチの代替ポリネーターとして十分利用可能であると考えられた.
著者
安達 侑夏 橋本 由美 川口 源水 佐藤 卓也 今村 徹
出版者
日本神経心理学会
雑誌
神経心理学 (ISSN:09111085)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.126-134, 2017-06-25 (Released:2017-07-04)
参考文献数
20

アルツハイマー病(AD)患者のRey複雑図形(ROCF)模写の順序を質的に分析し,不適切な方略と反応抑制障害との関係を検討した.対象はADAS,Frontal Assessment Battery(FAB),ROCF模写課題を施行し,ADAS構成課題で減点のないAD患者40例.ROCFに計20のまとまり(要素)を定義し,患者を以下の4群に分類した.A群:ROCFの輪郭の長方形(骨格要素A)から模写を開始してそれを完成させた26例.B群:骨格要素Aの一部から模写を開始したが,その完成前に他の要素の模写を開始して完成させた3例.C群:骨格要素A以外の要素から模写を開始して完成させた10例.D群:どの要素も完成させないまま模写を続けた1例.B+C群を方略として不適切なまとまりに引きずられた患者とみなし,A群との間で患者属性,疾患属性,認知機能属性を比較検討すると,B+C群ではA群よりもFABのGo-no go課題の成績が有意に低かった.構成障害の要因を統制したAD群において,計画的で合理的な順序でROCFを模写しなかった患者のほとんどは,不適切なまとまりに引きずられて模写を開始したC群と,適切なまとまりから模写を開始しても,それが完成しないうちに別のまとまりに引きずられたB群であり,反応抑制課題の成績が低下していた.反応抑制障害によって方略として不適切なまとまりが抑制されず,効率的な模写のための方略が低下するという仮説を支持された.
著者
佐藤 卓己
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.62, no.6, pp.230-235, 2012-06-01 (Released:2017-04-18)
参考文献数
11

デジタル・テクストとして物理的存在を欠いた電子ブックの普及は,「書物」の再定義をせまっている。しかし,電子ブック登場以前から,書物はすでに大きな変容を遂げてきている。本稿では比較メディア論の視点から,書物の変容を1920年代のラジオ放送開始,1930年代のペーパーバック革命において検討した。それは「書物のラジオ化/雑誌化」,すなわち「書物の広告媒体(メディア)化」の系譜である。こうした「書物のメディア化」の最終段階として,広告料収入で運営されるメディア企業,Googleによるライブラリープロジェクトが登場する。ウェブ2.0時代のコミュニケーション状況において「書物のデジタル化」がもたらす問題点を整理した上で,電子ブックを既存の書物のリテラシーに接合する必要性を指摘した。