著者
高木 いずみ 藤井 浩基
出版者
島根大学
雑誌
島根大学教育臨床総合研究 (ISSN:13475088)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.119-133, 2012-07-10

2008年の学習指導要領改訂で, 中学校音楽科では, 「和楽器の指導については, 3学年間を通じて1種類以上の楽器の表現活動を通して, 生徒が我が国や郷土の伝統音楽のよさを味わうことができるよう工夫すること」と示された。本研究は, 中学校音楽科における和楽器の学習の一環として, 尺八の鑑賞と表現の活動を郷土の伝統音楽の学習につなげていく試みである。松江市宍道町にも縁のある尺八古典本曲「鹿の遠音」に着目し, 同曲の教材研究と大学院「学校教育実践研究」における授業実践をまとめ, 尺八の教材開発と指導法の一案を提示した。
著者
ゴチェフスキ ヘルマン 藤井 浩基 塚原 康子 酒井 健太郎 大角 欣矢
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

28年度の研究活動は28年3月12日から29年6月26日まで開催された駒場博物館の「フランツ・エッケルト没後100周年記念特別展「近代アジアの音楽指導者エッケルト--プロイセンの山奥から東京・ソウルへ」」展示中に行われた行事とその準備に集中した。5月28日には東京大学駒場キャンパスで「フランツ・エッケルトとその時代」というタイトルで国際シンポジウムと吹奏楽の演奏会を実施した。シンポジウムには研究代表者と研究分担者全員に加えて安田寛(元奈良教育大学、研究協力者)、李京粉(ソウル大学、研究協力者)、曺允榮(梨花女子大学、招待講演)と文景楠(東京大学、通訳)が参加し、主にこの研究で明らかになった新たな事実の解釈と意義について議論した。演奏会では小澤俊朗の指揮と神奈川大学吹奏楽部の演奏でエッケルトの作品を一次資料から再現した。その中の複数の作品がエッケルトの時代から一度も演奏されていないものであった。作品の性質と再現に当たっての問題点については楽譜作成に協力した都賀城太郎(藤村女子高等学校)から説明があった。6月23日には渡辺克也(オーボエ)と松山元・松山優香(ピアノ)によって、エッケルトのオーボエとピアノの作品を中心とする演奏会を行い、オーボエの専門家成澤良一に解説を依頼した。展示された資料によって成澤氏はアジアのオーボエ受容史について新たな発見をし、本研究企画にも貢献した。特別展は多くの観客を迎えるのみならず、数多くの専門家が(一部繰り返して)展示会を訪れ、その結果研究代表者を含む企画者は多くの刺激を受けることになった。展示が終わってから研究代表者は改めてヨーロッパに渡り、エッケルトがプロイセンやドイツで経験した軍楽隊文化とその時代背景についてさらに調査した。
著者
藤井 浩基
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

1945 年 8 月以降から現在までの韓国の音楽教育史を整理しつつ,音楽教育をめぐる日韓両国のおもな関わりを,両国の音楽教育の基礎研究や研究・教育交流事例を通して明らかにし,日韓音楽教育関係史の構築を試みた。特に,めまぐるしく変化する韓国の動向を中心に,現代の日韓両国における音楽教育事情や諸課題について分析・検討し,日韓の音楽教科書をめぐる事例や多文化教育としての音楽科教育の日韓比較等を成果として発表した。