- 著者
-
藤川 将之
中澤 努
上野 勝美
- 出版者
- 一般社団法人 日本地質学会
- 雑誌
- 地質学雑誌 (ISSN:00167630)
- 巻号頁・発行日
- vol.125, no.8, pp.609-631, 2019-08-15 (Released:2019-12-27)
- 参考文献数
- 99
- 被引用文献数
-
2
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山口県中西部に位置する美祢市には,日本最大級のカルスト台地として知られる秋吉台が分布する.秋吉台は前期石炭紀~中期ペルム紀にパンサラッサ海大洋域の海洋島頂部で形成された生物礁起源の秋吉石灰岩からなり,そこには約8000万年間の気候・海水準変動が記録されている.本巡検では,海洋島の基盤となった玄武岩,後期石炭紀の現地性礁石灰岩,前-中期ペルム紀のフズリナ化石層序に基づく地層の逆転構造,前期ペルム紀オンコイド石灰岩,前期ペルム紀干潟相堆積物を観察し,現地討論を行う.また,秋吉石灰岩の代表的な堆積相を理解するため,秋吉台科学博物館所蔵の大型研磨石板標本の観察を行う.あわせて秋吉台上および秋芳洞を自然地理学的な視点から観察し,カルスト化作用とその特徴について理解する.