著者
藤谷 順子
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.234-241, 2018-03-16 (Released:2018-04-20)
参考文献数
2
被引用文献数
2
著者
宮﨑 一起 宮城 あゆみ 唐木 瞳 守山 有由美 藤本 雅史 江上 由里子 藤谷 順子 原 徹男
出版者
日本国際保健医療学会
雑誌
国際保健医療 (ISSN:09176543)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.193-201, 2023 (Released:2023-12-21)
参考文献数
8

背景と目的  2015年度からNCGMが実施している医療技術等国際展開推進事業では、現地研修および本邦研修による人材育成を行ってきたが、2020年度からはCOVID-19の影響によりオンライン研修が主流となった。本事業においてNCGMとベトナムバクマイ病院のリハビリテーション科は、2022年度、手指の機能障害がある患者のリハビリテーションを用途とするスプリント装具製作のための技術指導を目的とした、双方向性オンラインハンズオンセミナーをベトナム人作業療法士等に対して実施した。本稿では、セミナーの準備および実施過程とその成果を報告する。セミナー準備と実施過程  セミナーの準備はNCGMとバクマイ病院の定期オンライン会議を通じて行った。プログラム作成、必要物品の確認、セミナー参加者の選定、ベトナム保健省への承認手続きなどを通して、研修受講側のバクマイ病院のオーナーシップの醸成も図った。セミナーでは技術指導の質を担保するため、指導側のNCGMと実習を行うバクマイ病院双方の会場をZoomで接続し、スプリント装具製作の手技のライブ撮影と共に説明と質疑応答も含めた演習を行った。研修評価は事後アンケートによるセミナー参加者の知識、技術習得の自己評価とした。成果と考察  参加者の96%(27/28)が「臨床に役立たせることができる」と回答し、また双方向性オンラインハンズオンセミナーは、スプリント装具製作の技術指導で、現地研修と同等またはそれ以上の成果が示唆された。それら成果は、①定期的なオンライン会議体制が確立された中で準備段階から研修受講側のオーナーシップが醸成されたこと、②双方のライブ撮影により詳細な技術指導が可能となり研修の質が担保されたこと、③より綿密な準備で研修提供側のスキルアップに繋がったことで得られ、更にオンラインハンズオンセミナーは現地および本邦研修と比較し、④費用対効果が高かったこと、⑤研修資料および動画が教材として活用でき、現地への裨益と持続可能性で優位性が示唆された。オンライン研修における技術指導の創意工夫から得られた知見は、対面研修と併せた活用で、より効果的な研修実施が可能であり、同様の活動を他国で展開する際の有用な方法として応用可能であると考えられる。
著者
吉田 渡 小町 利治 唐木 瞳 藤谷 順子
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.225-228, 2019-07-01 (Released:2020-07-15)
参考文献数
12

中高年を迎えた血友病患者の関節の痛みと装具の使用状況を把握し,今後どのような援助が必要になるか検討することを目的に,血友病リハビリ検診会に参加した27名を対象に調査を行った.そのうち21名でいずれかの関節に血友病性関節症の指摘を受けていた.痛みの自覚は,足関節,肘関節,膝関節の順に多く,手関節の痛みの訴えは少なかった.装具の使用状況は,4名が痛みの自覚はないが装具を使用していた.9名で関節の痛みを自覚して装具を使用していた.肘関節装具および足関節装具で使用中断例が多くみられた.今後は,装具使用の中断に至った理由の詳細を調査し,継続的に使用が可能な装具デザインの検討を行っていく必要があると考える.
著者
野島 啓子 林田 哲郎 藤谷 順子 田中 こずえ 三島 佳奈子
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.33-40, 2000

<p>ジストニアが出現した後,嚥下障害が徐々に悪化した症例に対し,リラクゼーションと寒冷刺激を中心とした訓練を実施し,藤島の嚥下Grade5Aから7Aに改善する成果が得られた.症例の嚥下透視検査を分析し,考察を加えた.</p><p>〈症例〉18歳男性.8歳時,ギランバレー症候群の加療中に無酸素性脳障害発症.後遺症として,四肢体幹失調,仮性球麻痺,下肢筋力低下,action myoclonusが残るものの車イスにてADLはほぼ自立していた.しかし17歳5ヶ月でジストニア出現を契機に,他院にて嚥下訓練をうけたものの徐々に嚥下障害が悪化し,11ヶ月後誤嚥性肺炎をきたし当院入院.</p><p>〈経過〉摂食状態の観察,嚥下透視検査結果から咽頭期障害として嚥下反射惹起大幅遅延,食道入口部開大不十分,嚥下反射と食道入口部開大の連動不全等が認められた.嚥下障害の背景として①ジストニア,②嚥下パターン形成器(いわゆる嚥下中枢)への入力の障害,③飲み込もうとする過剰な努力を考え,円滑な嚥下運動が可能な条件を作ることを目標に訓練を実施した.嚥下状態は徐々に改善し,入院後約3ヶ月で全粥軟菜極キザミ食が40分以内で摂取可能ととなった.</p><p>〈分析結果と考察〉嚥下透視検査のビデオ映像の分析から嚥下反射惹起までの時間の短縮と嚥下運動パターンの変化(舌骨,喉頭の動く方向が上方から前方に変化)が認められた.これらの変化について嚥下パターン形成器の概念を用いての説明を試みた.また本例の嚥下障害は無酸素性脳障害発症後長期間経てからの脳幹の二次的変性によるものと考えられた.</p>
著者
野島 啓子 林田 哲郎 藤谷 順子 田中 こずえ 三島 佳奈子
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.33-40, 2000-06-30 (Released:2020-06-20)
参考文献数
15

ジストニアが出現した後,嚥下障害が徐々に悪化した症例に対し,リラクゼーションと寒冷刺激を中心とした訓練を実施し,藤島の嚥下Grade5Aから7Aに改善する成果が得られた.症例の嚥下透視検査を分析し,考察を加えた.〈症例〉18歳男性.8歳時,ギランバレー症候群の加療中に無酸素性脳障害発症.後遺症として,四肢体幹失調,仮性球麻痺,下肢筋力低下,action myoclonusが残るものの車イスにてADLはほぼ自立していた.しかし17歳5ヶ月でジストニア出現を契機に,他院にて嚥下訓練をうけたものの徐々に嚥下障害が悪化し,11ヶ月後誤嚥性肺炎をきたし当院入院.〈経過〉摂食状態の観察,嚥下透視検査結果から咽頭期障害として嚥下反射惹起大幅遅延,食道入口部開大不十分,嚥下反射と食道入口部開大の連動不全等が認められた.嚥下障害の背景として①ジストニア,②嚥下パターン形成器(いわゆる嚥下中枢)への入力の障害,③飲み込もうとする過剰な努力を考え,円滑な嚥下運動が可能な条件を作ることを目標に訓練を実施した.嚥下状態は徐々に改善し,入院後約3ヶ月で全粥軟菜極キザミ食が40分以内で摂取可能ととなった.〈分析結果と考察〉嚥下透視検査のビデオ映像の分析から嚥下反射惹起までの時間の短縮と嚥下運動パターンの変化(舌骨,喉頭の動く方向が上方から前方に変化)が認められた.これらの変化について嚥下パターン形成器の概念を用いての説明を試みた.また本例の嚥下障害は無酸素性脳障害発症後長期間経てからの脳幹の二次的変性によるものと考えられた.
著者
吉田 渡 小町 利治 本間 義規 唐木 瞳 藤谷 順子
出版者
公益社団法人 日本義肢装具士協会
雑誌
POアカデミージャーナル (ISSN:09198776)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.211-204, 2021 (Released:2021-03-09)
参考文献数
9

足関節背屈制限が生じている血友病患者の靴およびインソールに補正を加えたときの歩行への影響を、歩きやすさの主観評価と歩行速度、歩幅、重心移動距離を用いて評価した。2019年に実施された血友病リハビリ検診会の参加者で、靴およびインソールの補正を希望した4名を対象とした。補正後の歩きやすさの主観評価は、対象者4名すべてが歩きやすさを自覚した。補正前後で10 m歩行を比較した結果、歩行速度、歩幅の改善は認められなかった。重心移動距離は第2仙椎レベルでの左右移動量の増加が認められた。靴およびインソールに補正を加えることで、足関節の背屈可動域制限により荷重が十分に行えていなかった状態が改善される結果が示された。
著者
小池 友和 藤谷 順子 西垣 有希子 安藤 武 關口 相和子 山下 祥平 川村 和也 藤江 正克
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.36-39, 2017 (Released:2017-04-27)
参考文献数
8

呼吸リハビリテーションにおいては胸郭可動域を改善させることによる換気量の増大が期待されている。胸郭拡張差と肺活量の関係は諸家により検討されているが,胸郭拡張差と一回換気量に関しての報告は少ない。今回我々は,胸郭計測システムを用いて胸郭可動域と深呼吸時の換気量の関係について検討した。胸郭拡張差と最大吸気量には相関が認められ,胸郭拡張差1 cmにあたり剣状突起高では男性約168.8 ml,女性約458.9 ml換気量が増えており,第10肋骨高では男性約229.0 ml,女性では約326.0 ml換気量が増えていた。性差等を考慮する必要があるものの胸郭の可動域の改善が換気量の増大につながることがわかった。