著者
武田 宏子 田村 哲樹 辻 由希 大倉 沙江 西山 真司 STEEL GILL
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究計画の主要な研究課題は、1990 年代以降に「男女共同参画」と「女性活躍」の政治が行われてきたにもかかわらず、なぜ日本ではいまだに高い程度のジェンダー不平等が観察されるのか明らかにし、それによりリベラル・フェミニズムが孕む問題を理論的に検討する一方で、日本においてジェンダー平等を実現するための政治過程を構想することを目指す。
著者
西山 真純 皆越 奈津子 石山 裕子 嶋田 英敬
出版者
一般社団法人 日本痛風・尿酸核酸学会
雑誌
痛風と尿酸・核酸
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.187-193, 2020

<p>痛風発作が春から夏にかけて多くみられることはよく知られており,原因としては高温による脱水や季節による食生活の変化などが挙げられているが定かではない.当地においては2019年5月〜9月の気温変動が例年よりも激しく,この短期間であれば食生活変化の影響を除き,気温変化と痛風発作の関連性が観察できるのではないかと考え調査を行った.2019年5月1日〜9月30日の間に痛風発作で当院外来を受診した初診患者105名(平均年齢48.2歳±12.5,中央値47歳,全て男性患者)の発症時期を聴取し,気象庁の熊本における気温データ(最高気温,最低気温,気温差)と照合してみたところ,5月は他月に比べ最高気温は低かったが,平均気温差は11.4℃と期間中最も大きく,患者数が最も多かった.また,一旦気温が低下した後,再上昇する際に患者数が増えている傾向が見られた.5月は気温の上昇や気温差が大きく,この気温変化に体が順応できていなかったことが発作を引き起こした理由の一つではないかと考えられた.また,尿比重を5月と8月に発作を起こした患者において比較したところ,5月の患者の方が尿比重が高めであるという傾向がみられた.このため,8月という気温の高い時期では気にかけて飲水をする者が多いが,まだ気温の低い5月では積極的に飲水をする者の割合が低いのではないかと考えられた.しかし,今回の調査は限定された期間内の結果であり,標本数も限られており,毎年同様の傾向が表れるのかどうかについては更なる検討が必要であると考えられる.</p><p>今回の結果を踏まえ,今までは痛風発作は夏季に多いと指導を行っていたが,初夏といった季節の変わり目から痛風発作が多く出現するということ,その頃から飲水を心がけること等を考慮し患者指導を行っていくことで,よりきめ細やかな患者指導に繋げていきたいと考える.</p>
著者
野崎 由美 三森 徹 中嶌 圭 岩尾 憲明 山本 健夫 西山 真由美 中澤 正樹 小松 則夫 桐戸 敬太
出版者
山梨大学医学会
雑誌
山梨医科学雑誌 = 山梨医科学雑誌 (ISSN:13485091)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.23-28, 2013

症例は67歳,女性。発熱と頸部リンパ節腫脹を認め,他院に入院した。入院後,肝機能障害の増悪と血小板減少の進行,さらに末梢血中への異常細胞の出現を認めた。頸部リンパ節生検後にステロイドパルス療法を開始したが,意識障害と呼吸状態の悪化を認め,当院に転院した。転院時,pH7.238,乳酸値15.9 mmol/? と高度の乳酸アシドーシスを認めた。転院後の第3病日に右脳内出血を併発し,第9病日に永眠された。経過中,リンパ節生検結果よりびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)と診断した。重篤な乳酸アシドーシスを伴った原因としては,腫瘍細胞からの乳酸産生の亢進や,剖検により確認された腫瘍細胞の肝浸潤による肝機能障害からの代謝の遅延などが想定された。悪性リンパ腫の経過中に乳酸アシドーシスを合併した症例の報告例は極めて少なく,予後不良であるが,その要因および治療に関して文献的な考察を加えて報告する。