著者
藤田 良治 山口 由衣 椎名 健
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1-8, 2007-09-30 (Released:2017-07-11)
参考文献数
8

本研究では撮影技法によって作られる映像の動きに着目し,映像素材におけるカメラムーブメントの違いが視聴者に与える心理的影響を明らかにする実験を行った.6種類のカメラムーブメント(ズームアップとズームバック,左パンと右パン,ティルトアップとティルトダウン)と4種類の情景カテゴリー(図形,自然,人工,人間)を組み合わせて24映像を製作した(6カメラムーブメント×4カテゴリー).この映像を,48名の被験者に呈示し印象評価を求めた.各項目の回答から5因子解(「好感度」「規則度」「活動度」「親和度」「インパクト度」)を得た.各因子の標準因子得点を用い.カメラムーブメント(6)×カテゴリー(4)の2要因分散分析を行った.その結果,それぞれのカメラムーブメントは視聴者に異なる心理的影響を与えることが明らかになり,視聴者に好感度やインパクトのある映像を製作するためには,撮影技法としてのカメラムーブメントを適切に選択することの重要性を示した.
著者
藤田 良治 山口 由衣 椎名 健
出版者
情報メディア学会
雑誌
情報メディア研究 (ISSN:13485857)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.1-13, 2008 (Released:2008-03-17)
参考文献数
10

同一の映像素材に異なるトランジションを使用するとき,視聴者の印象がどのように変化するか心理学的実験により測定した.実験映像は,1)4種類の映像素材,2)4種類のフレームサイズ(画面に対する比率),3)4パターンのトランジション「ディゾルブ」「ワイプ」「カット」「ズーム」,を組み合わせて,合計64種類の映像を製作した.この映像を52名の実験参加者に呈示し,24尺度からなるSD法による印象評価を求めた.得られた評価値の因子分析により,3因子「好感度」「インパクト度」「明晰度」を抽出した.次に,各因子それぞれにおいて,トランジション(4)×フレームサイズ(4)×カテゴリー(4)の因子得点を用いて,3要因分散分析を行った.その結果,同一の映像素材においても,異なるトランジションを使用することにより,視聴者の印象が大きく変わることが明らかになった.本研究の結果,映像編集においてトランジションを適切に選択することの重要性が示され,視聴者に好感度やインパクトを与える映像を作成するための指標の一端を示した.
著者
山口 由衣 内田 敏久 大鈴 博之 池澤 善郎
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.34-37, 2004

30歳女性.平成14年9月19日,発作性上室性頻拍に対する電気生理学的検査,カテーテルアブレーションを施行開始30分後より,呼吸困難,全身に〓痒を伴う皮疹が出現した。収縮期血圧62mm Hgとなりアナフィラキシーショックと診断され,加療により1時同程度で全身状態は回復した。術中使用した局所麻酔薬や抗生物質の薬剤アレルギーを疑い皮膚テスト・再投与を施行したが症状は誘発されず否定的であった.次いでラテックスアレルギ一を疑った.スキンプリックテストで強陽性,ラテックスのCAP-RASTは10.8 UA/ml を示し,結果として術者手袋に含まれるラテックスが原因のアナフィラキシーショックであることが示唆された.近年,ラテックスアレルギーについて少しずつ認識が高まり,麻酔科医による詳細な術前問診などの対応がみられている.しかし,自験例のように手術室で行われないような処置において対策のとられていないことが多い.また,原因不明のアナフィラキシーで薬剤アレルギーが疑われている症例において,ラテックスアレルギーの可能性があり注意が必要である.
著者
大川 智子 山口 由衣 石田 修一 堀田 亜紗 藤田 浩之 相原 道子
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.212-218, 2013 (Released:2013-10-05)
参考文献数
39

44歳,男性。両側精巣腫瘍,S状結腸癌の既往がある。上腹部に激痛が生じた翌日に,顔面,体幹部に発赤を伴う小丘疹と小水疱,および口腔内水疱が出現した。Tzanck 試験は陽性であった。激烈な腹痛を伴うことから,内臓播種性水痘・帯状疱疹ウイルス (VZV) 感染症を疑い,アシクロビル (acyclovir; ACV) 750mg/day 開始したが,症状の改善は乏しく,肝機能の悪化,DICを合併した。第4病日より ACV 1,500mg/day に増量,Intravenous immunoglobulin (IVIG) 5,000mg/day(5日間)を追加し,症状は次第に改善した。経過中,血中 VZV-DNA 量が髙値であり,内臓播種性 VZV 感染症と診断した。本疾患は急速に進行し,ときに致死的である。水痘に腹部症状を伴う場合,本疾患を疑い,早期に大量の ACV や IVIG による治療をおこなうことが重要と考えた。(皮膚の科学,12: 212-218, 2013)
著者
山口 由衣 王 晋民 椎名 健
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.45-54, 2004
被引用文献数
1 1

本研究では,図形の心理物理的特徴と意味的特徴の対応関係を検討した.まず,4つの心理物理的特徴(曲線性,複雑性,規則性,開閉性)を組み合わせて,32個の図形を作成した.次に図形の印象をSD法により評価し,因子分析を適用して図形の意味的特徴を抽出した.心理物理的特徴と意味的特徴との間には密接な関係が認められた.曲線性と柔和性,規則性と安定性,および複雑性と活動性.意味的特徴に対する心理物理的特徴の関連の強度は「曲線性>複雑性>規則性・開閉性」と考えることができる.また,心理物理的特徴が同条件の図形どうしは印象が類似しやすく,特に複雑,不規則な図形において印象の共通性が強く現れた.本研究の結果は,異なる図形セットで大山・宮埜(1999)の見いだした形態の心理的属性(曲線性,規則性,複雑性)を支持した.
著者
藤田 良治 山口 由衣 椎名 健
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.1-8, 2007-09-30
参考文献数
8
被引用文献数
1

本研究では撮影技法によって作られる映像の動きに着目し,映像素材におけるカメラムーブメントの違いが視聴者に与える心理的影響を明らかにする実験を行った.6種類のカメラムーブメント(ズームアップとズームバック,左パンと右パン,ティルトアップとティルトダウン)と4種類の情景カテゴリー(図形,自然,人工,人間)を組み合わせて24映像を製作した(6カメラムーブメント×4カテゴリー).この映像を,48名の被験者に呈示し印象評価を求めた.各項目の回答から5因子解(「好感度」「規則度」「活動度」「親和度」「インパクト度」)を得た.各因子の標準因子得点を用い.カメラムーブメント(6)×カテゴリー(4)の2要因分散分析を行った.その結果,それぞれのカメラムーブメントは視聴者に異なる心理的影響を与えることが明らかになり,視聴者に好感度やインパクトのある映像を製作するためには,撮影技法としてのカメラムーブメントを適切に選択することの重要性を示した.