著者
杉山 聡 赤埴 淳一 小暮 潔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.55, pp.49-54, 2001-06-01
被引用文献数
1

本稿では,歩行者を目的地までナビゲートする対話において,歩行者にどのように適応して情報が伝達されているかを分析した結果について述べる.計算機システムを誰もが使いやすいように統計するためには,利用者に適応して情報を伝達にする技術が重要となる.特に,歩行者をナビゲートする対話システムでは,利用者の周辺地理に関する知識などに応じて,目的地までの経路を案内しなければならない.我々は,このような対話システムを実現するために,人間が歩行者をナビゲートする際に,どのように歩行者に適応した情報を伝達しているのかを収集し,分析した.対話データを分析した結果,歩行者の周辺地理に関する知識の有無に応じて,発話ターン数に統計的に有意な差があることを示す.さらに,ランドマークや方向指示の表現が,歩行者に応じて選択されることを示す.This paper describes empirical analyses of user adaptive interaction in route advice dialogues. User adaptation is an important technology to design computer systems so that everyone can use the systems without any barriers. In particular, interactive route advice systems should show users the way according to the users' properties, especially to users' knowledge on the region in question. To realize such dialogue systems, we have collected and analyzed how adaptively people advises routes. In this paper, empirical analyses show that there are significant differences in the number of dialogue turns according to user's knowledge on the region. We also show that landmarks and directions are described differently according to users.
著者
平松 薫 小林 堅治 Ben Benjamin 石田 亨 赤埴 淳一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.12, pp.3314-3322, 2000-12-15
参考文献数
14
被引用文献数
7

インターネット上における地図を媒体とした情報提供方法は,都市に関連したホームページを提供するサービスにおいて数多く利用されているが,今後予想されるホームページ数の増加や地理的な集中に対処するためには検索機能との統合が必須である.そこで,都市に関する大量のホームページを効率的かつインタラクティブに検索できるようにするため,地図を利用した多角的な検索機能をホームページの検索に組み入れた地図インタフェースを提案する.本地図インタフェースでは,検索機能として近傍検索,カテゴリ検索,およびキーワード検索を取り入れ,検索結果を地図上に重ね合わせて表示することによって,実世界に即した情報利用を可能にする.また,動作中にクライアント側へ転送したデータをキャッシュとして利用することで,クライアント側の地図インタフェースとサーバ上の情報検索システムとの間で検索処理の分散を図り,地図インタフェースからのインタラクティブな検索を実現する.実際にデジタルシティ京都において地図インタフェースの公開運用を行い,公開用データを利用した性能評価とアクセスログに基づいたユーザの利用状況の分析を行ったところ,検索要求に対する即応性とキャッシュデータを活用するシステム構成の有効性を確認することができた.Online map systems have been used extensively to provide living cityinformation on the Internet.However, because of the spatial limitations of geographically-basedvisual representation, such systems can not deal with the anticipatedexplosive growth in the number of Web pages; such growth results inareas on the map with an over-concentration of links. In this paper, we propose a map-based user interface which integratessearch functions that evaluate Web page contents and the geographicalinformation located therein. This interface enables neighborhood search, category search, andkeyword search. The search results, which are hyperlinks to the searched Web pages are superimposed as icons on a map image. In addition, the interface utilizes enables users to searchinformation interactively by caching the transmitted data so as todistribute search processing between client and server. We also present performance evaluations and user access analysesof this map-based user interface on Digital City Kyoto which providesregional information to the public on the Internet.The results show the effectiveness of using a system configured toutilize cached data and respond quickly to search requests.
著者
中野 雄介 近藤 悟 森谷 高明 大西 浩行 赤埴 淳一 寺西 裕一 西尾 章治郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J94-D, no.5, pp.780-790, 2011-05-01

ネットワーク上の複数PCの計算リソースを用いるグリッドコンピューティングに関する研究が行われてきた.特に,Webブラウザを介して計算リソースを利用することで,より多くのPCの計算リソースを利用できる有効な手法がある.しかし,PCの負荷を考慮せずにリソースを利用するため,ユーザのWeb閲覧を妨げる可能性がある.加えて,計算対象がXMLのような複雑な構造をもち,問題分割の時間を考慮する必要がある場合,効率的に計算できないと考えられる.本論文ではこのような課題を解決する,Web閲覧者のPCの余剰リソースの効率的利用の手法を提案する.本手法はWebブラウザの負荷に応じて計算速度を動的に変化させることで,ブラウザユーザのWebページ閲覧に対する影響を考慮した計算を行う.これにより,Webアプリケーションを提供するために必要なリソースを,Webアプリケーションユーザ自身から収集することが可能となる.また,計算対象問題の分割に掛かる時間を考慮した効率的な問題の分配を実現する.