著者
遠山 茂樹
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.43-50, 2013-12-15

本稿では地域コミュニケーション実態の解明をめざし,その予備的考察のために地方大学へ通う18〜26歳までの大学生「住民」への質問票調査を通して,彼らの日常的なメディア接触,居住地域への関心度,地域情報収集におけるメディア利用等の実態およびその傾向を明らかにしようとした。分析の結果,デジタル・ネイティブとなる現在の大学生は,インターネットサービスを積極的に利用している現状が判明したが,地域情報収集においてはロコミと地元マスメディア情報に依存している傾向が読み取れた。高知県出身者と県外出身者との比較では,居住地域への関心が高い層では積極的に地域情報収集が行われ,多様なメディアを活用している傾向も読み取れた。しかしながら,地域情報収集行動における差異については,出身県に起因するものよりも地域関心度による差のほうが大きい結果となった。
著者
白井 直美 遠山 茂樹
出版者
東北公益文科大学
雑誌
東北公益文科大学総合研究論集 : forum21 (ISSN:18806570)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.A113-A136, 2004-05-30

The Lindisfarne Gospels is one of the masterpiece of the manuscripts made in medieval England. The Book is thought to have been made at the monastery of Lindisfarne in the kingdom of Northumbria. Eadfrith, the bishop of Lindisfarne (d.721), wrote and illuminated this Gospels with splendid skills which he might had studied in Ireland. And he made this Gospels under the influence of cultures from Irish and Mediterranean area. It is almost certain that the Gospels have been made for God and Cuthbert in the early 8th century. The reason why this Gospels have been made connects closely with the birth and expansion of the cult of St Cuthbert. And Eadfrith undertook this work to promote the Cuthbert's cult. After the birth of his cult, the Lindisfarne monastery needed a lot of fame in oder to establish the status as the leader of Northumbrian church. For this reason, Eadfrith bid the Lindisfarne monks together, Bede put the Life of St Cuthbert, and Eadfrith made this Gospels by himself. The making of the Lindisfarne Gospels must be considered under this historical context, and it is evident that the making of this Gospels constituted a very distinct landmark in the history of the Lindisfarne community and St Cuthbert's cult.
著者
白井 直美 遠山 茂樹
出版者
東北公益文科大学
雑誌
東北公益文科大学総合研究論集 : forum21 (ISSN:18806570)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.CXXI-CXXXIX, 2003-12-15

Cuthbert, a bishop of Lindisfarne, was one of the most important saint in the seventh century and a key figure in the ecclesiastical and political context of Northumbria. He was venerated for the christian virtues and the merit of faith. According to the decision of the synod at Whitby in 664, he led the community of Lindisfarne to accept the Roman Catholic rule and he consecrated as bishop of Lindisfarne in 685. After his death, his community enshrined him and vigorously promoted his cult in Lindisfarne opposed to Wilfrid's threat. Wilfrid, who was also seen as saint, ruled the Northumbrian church and had a lot of landed possessions and ecclesiastical powers, but he quarrelled with kings to expel twice. Through the development of the cult, the close connection was established between the community of Lindisfarne and Northumbrian royal family. Both of them had been bothered by Wilfrid, the community was eager for protections of the king and the king intended to set up Cuthbert as rival saint against Wilfrid. It was essential for them to collaborate each other. This connection prevented Wilfrid restoring his authority. As a result, the cult of Cuthbert could enhance the royal power with increasing the authority of Lindisfarne.
著者
清水 毅 小尾 誠 遠山 茂樹 古屋 信幸
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密工学会誌論文集 (ISSN:13488724)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.149-153, 2005-01-05
被引用文献数
2 1

幾何学的不変量を用いた3次元点の測定法について述べている. 一平面上の4点を2組用意し, 各平面において幾何学的不変量を用いて5点目を算出し, 算出した点から直線を出している. 左右画像からそれぞれ直線が計算され, 交点から測定点が計算されている. 幾何学的不変量はアフィン不変量, 射影不変量が用いられ, 実験によって, 射影不変量を用いた場合カメラキャリブレーションを行った場合と同程度の測定精度で測定できることが分かった.
著者
遠山 茂樹
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
1981

博士論文

2 0 0 0 天皇と華族

著者
遠山茂樹校注
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1988
著者
遠山 茂樹 村久木 康夫
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.703-709, 1997-07-15
参考文献数
8
被引用文献数
1

近年, 産業界では工場の自動化に伴い定置式の産業用ロボットに代わる移動機能を備えた自律移動ロボットや無人搬送車などへの要望が強くなってきている. これらは, その移動機構により車輪式, クローラ式, 特殊機構などの3種類に分けられるが, なかでも車輪式のものが他の機構と比べてエネルギー効率が良く, 機構が簡単であることから最もよく利用されている. さらに車輪式自律移動ロボットには, 2駆動1キャスタ (2DWlC), 1駆動1操舵 (1DWlS), 全方向移動車などがある.<br>このような車輪式自律移動車は, タイヤと路面との摩擦力で運動を行っている. このためタイヤと路面の間には必ず滑りが生じ, その運動を不確かなものにしている. 車輪式自律移動車に関する研究においては, 位置決め制御や軌道追従制御などの研究結果が数多く発表されてきたが [1]-[3], タイヤの滑りや移動機構を含めた動力学的なシミュレーションを行い, それら評価を行った研究結果はほとんど発表されていない. また, その移動機構の設計においては, 経験的に設計されたものがほとんどである.<br>本研究の目的は, 移動車両の動力学的なシミュレーションを行うことによって, 移動機構の構造やタイヤの性質が, 車両の運動性能に及ぼす影響を明らかにするとともに, 軌道追従制御の評価を行い, その結果を最適設計に役立てることである. その一環として本研究では, 当研究室で開発を行ってきた汎用の機構の運動解析シミュレータA1 MOTIONに, タイヤの力学に基づいたタイヤの力要素およびタイヤを駆動するDCモータの力要素, 減速機をモデル化したものを組み込み, 車輪式自律移動車の走行シミュレーションを行うことができるシミュレータの開発を行った.<br>そして, 本シミュレータの有用性を検証するために, 前輪キャスタ方式のマウス (小型自律移動車) の走行実験を行い, シミュレーションによる走行結果との比較を行った. その結果, このシミュレータはマウスの運動をうまく再現できるという結論を得ることができた. そして, 本シミュレータを用いて, タイヤの剛性, ホイールベース, 車軸幅, キャスタ半径などがその運動性能にどのような影響を与えるのかについて明らかにし, 軌道追従制御の評価を行った.
著者
遠山茂樹著
出版者
文藝春秋
巻号頁・発行日
2002
著者
石田 寛 遠山 茂樹 佐藤 令一 遠山 茂樹 佐藤 令一
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

嗅覚センサを搭載し、匂い・ガスを辿って危険物の所在を突き止める犬型ロボットの開発を目指した。ナノスケールの周期構造を持つ金属薄膜に光を照射すると、化学物質の吸着に敏感に応答し、反射光強度が変化する。これを利用して小型嗅覚センサを実現した。また、くんくんと匂いを嗅ぐ犬の鼻の構造を模倣した測定装置を開発した。能動的に気流を操作し、左右の嗅覚センサの応答差を拡大することにより、匂い・ガスの発生源を容易に見つけ出すことができる。
著者
遠山茂樹著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1968

1 0 0 0 歴史教育論

著者
遠山茂樹著
出版者
岩波書店
巻号頁・発行日
1992
著者
遠山 茂樹
出版者
情報文化学会
雑誌
情報文化学会誌 (ISSN:13406531)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.11-18, 2011-07-31
被引用文献数
2 1

地域活性化を目指す地域SNSに関する研究の多くで分析の鍵概念に社会関係資本(social capital)が用いられているが,「信頼」「互酬性の規範」「ネットワーク」などの性質をもつ社会関係資本をいかに構築して蓄積するかについての手法や過程に関する研究はあまり見られない。本稿では,社会関係資本を構築する地域住民間の相互作用の中核を「社交」と捉えて,高知県内でサービス提供されていた「まるごと高知SNS」のケーススタディを通して,地域SNSにおける社交の成立について検証している。結論としては,地域SNSは,現実社会の地位や役割とは離れた距離感において平等な関係性を構築し,参加した地域住民間において健全な「社交」の成立可能性があることを提示する。同時に地域SNSにおけるトラブルの検証から,社交的相互作用の阻害要因などについても分析を試み,地域SNS運営側か考慮すべき3つの事項について提示する。