著者
遠藤 康夫 加倉井 和久 山田 和芳 笠谷 光男 神木 正史 小松原 武美 鈴木 孝 高木 滋
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1989

高温超伝導を示す銅酸化物及びこれらの物質と同じ結晶構造を示す同型異物質の主として磁性を中心に物性と結晶構造の相関を研究した。1.銅酸化物では超伝導発現と銅イオンの持つスピンの二次元的な反強磁性磁気相関との因果関係を徹底して調らべた。最も大事な收穫はキャリアーが正孔である場合は酸素サイドに広がったキャリアーのスピンの影響で磁気相関が滋常に大きく変化し、反強磁性的な磁気相関も壊されるのに対し、電子的キャリアーの場合では反強磁気性相関が残ることが実験的に証明された。これは電子相関と磁性との密接な関係を論ずる基礎となる。2.キャリアーの濃度が増えると、磁気相関距離が短くなり、電子相関の強さとキャリアー濃度及び反強磁性相互作用の間の対応がついた。3.超伝導発現と磁気相関の関係については、全く同じ結晶を使って、酸化の度合いを制御して超伝導転移を変化させることに成功し、その結果として反強磁性相関及びスピンの揺らぎが超伝導の発現と密接にからんでいることを見つけた。4.同形のNi酸化物で、酸化度の違いによって微妙に反強磁性構造が変化することを見つけた。この時は結晶構造も微妙に変化することも見つけている。その他にもUを含むアクチナイド化合物の電子相関の強い物質について、超伝導反強磁性電子相関の3つの因果関係を含む関係を含む研究に着手した。この研究には、1K以下の極低温で中性子散乱が必要なために希釈冷凍機の調整を行なって、測定実験が可能なところにこぎつけた。
著者
岡本 英三 有井 滋樹 内野 純一 遠藤 康夫 神代 正道 谷川 久一 幕内 雅敏 水本 龍二 水戸 廸郎 山田 龍作 有井 滋樹 大西 美佳 平石 保子
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.317-330, 1997-05-25
被引用文献数
30 27

全国649施設の協力により, 1992年1月1日より1993年12月31日までの2年間の原発性肝癌症例15, 782例 (臨床診断/組織診断の判明13, 991例) が日本肝癌研究会に登録された. 約96%は肝細胞癌, 約3%が胆管細胞癌であった. 追跡症例は9, 854例であった. 本報告においては, これら新規症例を170項目に及ぶ疫学, 臨床病理学的事項, 診断, 治療について解析し, その主たる点について述べた. 特別集計としては, 追跡症例を含めて, 肝細胞癌, 胆管細胞癌, 混合型肝癌の治療法別生存率, 及びlogistic modelによる肝細胞癌切除後の3年, 5年生存の予知因子の解析を行った.