著者
志村 浩己 遠藤 登代志 太田 一保 原口 和貴 女屋 敏正 若林 哲也
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.146-152, 2001-08-31 (Released:2012-08-27)
参考文献数
22
被引用文献数
2

甲状腺超音波検診による結節性甲状腺疾患および甲状腺機能異常のスクリーニングにおける有用性と問題点を明らかにするため,3,886名の甲状腺超音波検診の結果について検討した。その結果,充実性腫瘤は19.4%に認められ,このうち甲状腺癌は21例(0.5%),Plummer病は1例,原発性副甲状腺機能充進症も4例発見された。び慢性甲状腺腫あるいは内部エコーレベルの異常は11.7%に認められ,このうち17%で精査が行われ,橋本病47例(1.2%),バセドウ病4例,亜急性甲状腺炎1例が発見された。
著者
市川 徹子 松原 友子 原 武史 藤田 広志 遠藤 登喜子 岩瀬 拓士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.348-352, 2004-01-01
参考文献数
15
被引用文献数
13

乳腺の集中を伴う構築の乱れ領域の検出手法を提案する.本手法の乳腺集中を伴う症例に対しての真陽性率は84% (37/44), 1画像当りの偽陽性数は1.8個(81/44)であり,提案する手法の原理的な有効性が確認できた.
著者
白岩 美咲 遠藤 登喜子
出版者
特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会
雑誌
日本乳癌検診学会誌 (ISSN:09180729)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.122-127, 2016 (Released:2018-06-27)
参考文献数
11

マンモグラフィ(MG)は,乳がん検診において死亡率減少効果がある有用なmodality であるが,40歳代については,乳がん発見の感度が50歳以上の年代と比較すると低いこと,偽陽性率が高いことも知られている。この一因に,40歳代の乳腺濃度が高いことがあり,対策として超音波検診の導入とともにデジタルMG(DMG)の活用が考えられる。DMG は,米国のtrial で,50歳以下の女性,不均一高濃度・高濃度乳房で精度が高いことが報告されている。日本でも近年,MG のデジタル化とモニタ診断が急速に進んでおり,2015年の日本乳がん検診精度管理中央機構MG 指導者研修会のアンケートでは,DMG が95%,モニタ診断経験が79%であった。一方,モニタ診断経験者の画素サイズ認識率は75%であり,また全国のMG 読影認定医のDMG ソフトコピー診断講習会受講率は13%であった。米国では,DMG 読影医にはDMG の講習受講が必須とされているが,日本ではその規定はない。読影医個人の検診精度管理指標もなく,読影医がDMG の特徴を理解して,その利点を引き出す読影ができているか,知るすべはない。40歳代のMG 検診に対する日米の動向の紹介とともにDMG・モニタ診断を活用した精度の高いMG 読影のために,いま何が必要なのか,具体的な読影の方法やDMG の新技術であるDigital breast tomosynthesis の話題を含めて,検討したいと思う。
著者
遠藤 登
出版者
岐阜工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

Mizarシステムを用いて既存の数理工学理論の形式化を行い、計算機証明検証システムの構築を目指し研究を行った。平成18年度は特にファジィ理論とルベーグ積分論に焦点を絞って形式化を行う予定であったが,予想以上にルベーグ積分論を構築するための予備定理が不足しており,これらの形式化に多くの労力を費やした。結果として,ファジィ理論の形式化については十分な成果を挙げることが出来なかったが,平成18年9月に開催された日本Mizar学会秋季総会に参加の折,国内研究者より多くの有益な助言を頂き,これをもとに現在,ファジィ位相空間の形式化の実現に向け研究を行っている。ルベーグ積分論については1変数可測関数の理論が本研究により,ほぼ形式化された。また,これに関連して多次元のノルム線形空間の形式化を行い,多変数関数の積分論に対する基礎理論の形式化を行った。具体的な研究実績として,前年度までに得られたルベーグ積分の適用範囲を,単純関数から可測関数まで拡張すると共に,Mizarシステムが内包していた実数と拡張実数の互換性について問題提起を行い,通常の実数値を取る可測関数のルベーグ積分論の形式化を行った。さらに,これらの結果を纏め,2件の国際論文誌と1件の国内発表を行った。関連した実績として,リーマン積分論の精微化を行い1件の国際論文誌に発表,実ノルム空間を中心とした形式化を行い1件の国際論文誌と1件の国内発表を行った。
著者
平子 賢一 藤田 広志 原 武史 遠藤 登喜子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.78, no.9, pp.1334-1345, 1995-09-25
被引用文献数
52

乳房X線写真上で,乳癌との相関が非常に高い微小石灰化陰影を検出するための「3重リングフィルタ」を用いた新しい手法を提案する.微小石灰化像周辺は,その濃度値が中心に向かってほぼ一定に落ち込むような「円すい形」構造のパターンをもつものと近似できる.よって,3重リングフィルタは,自動抽出された乳房領域における濃度こう配情報を特徴量に変換し,微小石灰化像と類似したパターンをもつ領域を抽出(検出)するものである.本論文では,3重リングフィルタの原理を説明すると共に,その効果を検証するために,人工的に作成した模擬パターンを使用したシミュレーションを行った.その結果,悪性石灰化像のように形状が不整である検出対象にも適応できることを確認した.また,臨床データ102例を対象として解析実験を行った結果,その診断性能は真陽性率が90.3%であり,このとき画像1枚当りの偽陽性数は0.83個であった.更に本検出法が,従来法で問題となっていた背景トレンドの影響を受けにくく,検出性能が向上している点を確認した.以上の総合的な検討結果より,新しく提案した手法が微小石灰化検出のために有効であることが明らかとなった.