著者
原澤 建 野口 仁
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
雑誌
Synthesiology (ISSN:18826229)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.24-32, 2017 (Released:2017-04-05)
参考文献数
23
被引用文献数
2

磁気テープシステムは、安価、大容量という特徴からアーカイブ、バックアップ用途に広く使用されている。他のストレージ媒体同様に持続的な高容量化という市場ニーズに応える為、高記録密度化の研究が進められてきた。従来、メタル磁性体を用いたテープにより高密度化が進められてきたが2000年代後半に減速し始めた。しかし2011年、ポストメタル磁性体としてバリウムフェライト磁性体を採用したテープを市場導入し、高密度化の再加速に成功した。この論文は、近年の磁気テープシステムの大きな技術革新の一つであるバリウムフェライトテープの基礎研究から市場導入までの道のりについて報告する。
著者
紫芝 良昌 今井 常夫 神森 眞 栗原 英夫 鳥 正幸 野口 仁志 宮内 昭 吉田 明 吉村 弘
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.51-56, 2017 (Released:2017-04-28)
参考文献数
16

甲状腺の手術の際,発生する合併症の一つである永続性副甲状腺機能低下症の日本全国の症例数を検討した成績はこれまでにない。甲状腺手術を専門とする15病院に対してアンケートを行い2012年~2013年の甲状腺手術について回答の得られた5,445例について術式別に永続性副甲状腺機能低下症の発生率を求めた。その結果,甲状腺片葉切除で0.08%,全摘・亜全摘4.17%,甲状腺全摘と頸部中央および(または)外側区域郭清で5.75%であり甲状腺切除術全体を通じて2.79%に永続性副甲状腺機能低下症がみられた。また,副甲状腺腫瘍手術344例について14例(4.07%)の永続性副甲状腺機能低下症例を得た。この数字を厚労省がん統計資料に当てはめて日本全国での甲状腺・副甲状腺手術による永続性副甲状腺機能低下症の頻度を求めると,年間705人となる。手術のピーク年齢を68歳,手術後の平均存命期間を9年として,すべての甲状腺・副甲状腺手術患者が上記の条件を満たす単純モデルで計算すると,永続性副甲状腺機能低下症の本邦総数は31,725人になる。特発性副甲状腺機能低下症患者数は本邦で900人と推定され全体では32,625人となり人口10万人あたり26人。米国18.3人,デンマーク24人と報告されている。
著者
野口 仁志 内野 眞也 村上 司 山下 裕人 野口 志郎
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.128-134, 2016 (Released:2016-08-02)
参考文献数
5

甲状腺未分化癌は極めて予後不良な疾患であり,確立した治療法は今のところ存在しない。われわれは2006年からドキソルビシン(DXR)とシスプラチン(CDDP)を使用する化学療法にバルプロ酸を併用する方法を試行しており,手術と放射線治療を加えた集学的治療によって予後の改善に努めている。その結果として,手術から2年以上経過しても無再発生存している症例を3例経験したのでここに報告する。
著者
野口 仁志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F (ISSN:18806074)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.131-140, 2007 (Released:2007-03-20)
参考文献数
4

港湾および海岸に設置されている消波ブロックの撤去は,一般には,作業員あるいは潜水士が,消波ブロックの隙間にワイヤーロープを通して玉掛けを行い撤去しているが,足場が不安定で危険な作業である.そのため,無人でブロックを撤去できる網チェーンを用いたブロック移設装置を開発した.種々のブロック視認状況での模型実験を行い作業効率を比較検討した.実際のブロック撤去工事においては,視認可能な水中ブロックの作業効率は5.0分/個と,潜水士による従来方法の6.1分/個を上回った.工事の作業方法を本装置に適した状態とすることで,作業効率は,ブロックが視認状況では,約3分/個,視認不可状況では約4~6分/個,撤去コストは,従来の人力工法の1/3程度に抑えられる試算結果となった.