著者
池谷 友里 野口 航 兼島 博嗣 白水 翔 迫田 直樹 辻 友篤 山本 理絵 守田 誠司 中川 儀英
出版者
日本救急医学会関東地方会
雑誌
日本救急医学会関東地方会雑誌 (ISSN:0287301X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.192-194, 2022-12-28 (Released:2022-12-28)
参考文献数
5

症例は急性カフェイン中毒の36歳男性。嘔吐, 不穏状態, 頻脈性不整脈を認め, 摂取量が致死量を超えていたため, 緊急血液透析を行った。この症例では, 血液透析前後で血中カフェイン濃度に比例して乳酸値も低下した。その後, 合併症もなく, 8日目に退院した。これまでの研究で, 血中カフェイン濃度と乳酸値の正の相関が報告されており, 血液透析前後でも正の相関を示す可能性がある。乳酸値は血液透析の効果を判断する指標となる可能性がある。
著者
下野 謙慎 勝江 達治 佐藤 満仁 野口 航 吉原 秀明 坪内 博仁
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.121-125, 2017-03-01 (Released:2017-03-16)
参考文献数
8
被引用文献数
2 3

破傷風は破傷風菌による感染症で,開口障害や頸部硬直などの症状を呈し,呼吸不全や全身痙攣を来たすと致死的なことがある。呼吸不全や全身痙攣は筋強直により生じ,破傷風患者の治療において重要である。今回,筋強直の緩和のため漢方薬である芍薬甘草湯を破傷風患者3例に投与し,芍薬甘草湯を投与しなかった破傷風患者3例と臨床経過を比較し,芍薬甘草湯の効果を検討した。破傷風患者6例全例が,抗破傷風ヒト免疫グロブリンおよびペニシリンの投与を受けていた。芍薬甘草湯非投与群の3例は呼吸不全を生じ,人工呼吸管理に至ったのに対し,芍薬甘草湯投与群の3例では筋強直の改善が得られ,呼吸不全には至らなかった。芍薬甘草湯は,破傷風患者の筋強直に対し有効な治療法である可能性が示唆される。
著者
崔 煌 権藤 恭之 増井 幸恵 中川 威 安元 佐織 小野口 航 池邉 一典 神出 計 樺山 舞 石崎 達郎
出版者
日本老年社会科学会
雑誌
老年社会科学 (ISSN:03882446)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.5-14, 2021-04-20 (Released:2022-04-26)
参考文献数
38

本研究の目的は高齢者の社会参加と主観的幸福感の関連において,ソーシャル・キャピタルがどのような役割を果たしているのかを明らかにすることである.地域在住高齢者のデータ(74〜78歳,N=624)を分析した結果,社会参加と主観的幸福感の関連は認められないが,4種類の社会参加のなか,地縁組織への参加は主観的幸福感と統計的に有意な関連があること,また,ソーシャル・キャピタルへの認識と近所の人の数を介した間接効果があることが確認された.この結果から,社会参加の種類によって主観的幸福感との関連が異なり,地縁組織への参加はソーシャル・キャピタルを介して主観的幸福感に影響を与えることが明らかになった.