著者
桶谷 眞 坪内 博仁
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.107, no.9, pp.1426-1433, 2010 (Released:2010-09-06)
参考文献数
33

近年,強力な免疫抑制・化学療法の普及によりB型肝炎ウイルスの再増殖によるHBV再活性化肝炎が増加している.また,従来から知られている非活動性キャリアからの再活性化に加え,既往感染者からの再活性化の報告が増え,de novo B型肝炎とよばれている.de novo B型肝炎は劇症化率が高く,劇症化例の予後は極めて不良である.HBV再活性化対策では免疫抑制・化学療法前にHBVキャリアだけでなく,既往感染者をスクリーニングすることが重要である.前者は治療開始前に,後者は治療中または治療終了後にHBV DNAが陽転化した時点で速やかに核酸アナログ製剤を使用する必要がある.
著者
下野 謙慎 勝江 達治 佐藤 満仁 野口 航 吉原 秀明 坪内 博仁
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.121-125, 2017-03-01 (Released:2017-03-16)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

破傷風は破傷風菌による感染症で,開口障害や頸部硬直などの症状を呈し,呼吸不全や全身痙攣を来たすと致死的なことがある。呼吸不全や全身痙攣は筋強直により生じ,破傷風患者の治療において重要である。今回,筋強直の緩和のため漢方薬である芍薬甘草湯を破傷風患者3例に投与し,芍薬甘草湯を投与しなかった破傷風患者3例と臨床経過を比較し,芍薬甘草湯の効果を検討した。破傷風患者6例全例が,抗破傷風ヒト免疫グロブリンおよびペニシリンの投与を受けていた。芍薬甘草湯非投与群の3例は呼吸不全を生じ,人工呼吸管理に至ったのに対し,芍薬甘草湯投与群の3例では筋強直の改善が得られ,呼吸不全には至らなかった。芍薬甘草湯は,破傷風患者の筋強直に対し有効な治療法である可能性が示唆される。
著者
石田 洋一 榊原 陽一 山崎 正夫 森永 浩通 赤松 絵奈 柚木崎 千鶴子 酒井 美穂 鳥居 絵里 西山 和夫 水光 正仁 坪内 博仁 岡山 昭彦 片岡 寛章
出版者
日本プロテオーム学会(日本ヒトプロテオーム機構)
雑誌
日本プロテオーム学会大会要旨集 日本ヒトプロテオーム機構第5回大会
巻号頁・発行日
pp.84, 2007 (Released:2007-08-29)

成人T細胞白血病(Adult T-cell leukemia; ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス(Human T-cell leukemia virus type 1; HTLV-1)の感染によって引き起こされる悪性腫瘍であり、未だ有効な予防・治療法は確立されていない。HTLV-1に感染したウイルスキャリアの内、ごく一部(3~5%)が、長い期間(30~50年)を経て、ATLを発症する。我々は、宮崎県地域結集型共同研究事業「食の機能を中心としたがん予防基盤技術創出」の研究の一環として、食品の機能性を活用したATL予防法の開発を進めている。本研究では、古来より様々な生理活性が知られているハーブ類に着目し、ATL細胞増殖抑制活性を有する高機能性食品の探索と作用機序の解析を行った。 まず、数種のハーブの80%エタノール抽出物を用い、ATL細胞株(ED細胞、S1T細胞)の増殖抑制活性を調べた。その結果、抗炎症効果などで有名なローズマリー(Rosmarinus officinalis)の抽出物において、最も強い活性が認められ、アポトーシスの生化学的指標であるカスパーゼの活性化が検出された。更に、ローズマリー含有生理活性物質の一種であるカルノソールにおいて、アポトーシス誘導活性が検出されたことから、カルノソールはローズマリーのアポトーシス誘導活性本体の一つであることが示唆された。 次に、カルノソールのアポトーシス誘導機構を明らかにすべく、カルノソール-ED細胞系を用い、蛍光ディファレンシャル2次元電気泳動法で網羅的蛋白質発現解析を行った。カルノソール処理により発現変動を示す蛋白質については、PMF法とMS/MSイオンサーチ法で同定した。その結果、発現増加が見られた蛋白質の多くは、三つのカテゴリー、即ち、1)解糖系に関わる酵素、2)ペントース-リン酸経路に関わる酵素、3)酸化還元反応に関わる蛋白質に分類された。解糖系とペントース-リン酸経路は連動して機能し、グルタチオンなどの細胞内抗酸化反応に寄与する。そこで、グルタチオンの関連性を検討したところ、カルノソール処理細胞では細胞内グルタチオンが減少することが分かった。 以上、ATLの予防に有用な高機能性食品を探索した結果、ローズマリーとその含有成分の一種であるカルノソールにアポトーシス誘導活性を見出した。更に、カルノソールの作用機序解析より、細胞内グルタチオンの減少がアポトーシス誘導の一因であることが示唆された。
著者
坪内 博仁 大重 彰彦 宇都 浩文
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.56, no.7, pp.313-323, 2015-07-20 (Released:2015-07-29)
参考文献数
98
著者
坪内 博仁
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.110, no.12, pp.2033-2041, 2013 (Released:2013-12-05)
参考文献数
30

私たちは,劇症肝炎患者血漿より肝再生因子である肝細胞増殖因子(hepatocyte growth factor;HGF)を初めて単離精製し,そのcDNAのクローニングにも成功した.HGFは728アミノ酸残基からなる一本鎖のポリペプチドとして産生され,シグナルペプチドが外れて細胞外に分泌され,HGF activatorなどのプロテアーゼによりプロセシングを受けて活性型になる.HGFは細胞増殖促進作用だけでなく,細胞分散促進作用,腫瘍細胞障害作用,抗アポトーシス作用,抗線維化作用など多機能な生理活性を有する.HGFの特異的受容体は癌原遺伝子産物c-Metであり,細胞内にチロシンキナーゼドメインを持つ,いわゆるチロシンキナーゼ型受容体である.HGFの多機能な生理活性は,すべてこのc-Met受容体を介して発現する.HGFはD-ガラクトサミン肝炎を抑制し,Jo2誘導急性肝不全モデル動物の生存率を高める.私たちは多くの非臨床試験を実施し,HGFの薬効や安全性を確認したのち,京都大学探索医療センターにおいて劇症肝炎および遅発性肝不全患者を対象として,わが国で初めての未承認薬を用いた医師主導治験を実施した.4例の劇症肝炎および遅発性肝不全患者に組換え型ヒトHGFが投与され,限定的ではあるもののその安全性が確認された.その成果を踏まえ,現在,日本科学技術振興機構の支援を受け,急性肝不全薬としての開発が進められている.
著者
江藤 敏治 弘野 修一 永田 賢治 加藤 順也 堀 剛 井戸 章雄 林 克裕 坪内 博仁 小野寺 誠 阿部 弘一 宮坂 昭生 川上 格 佐藤 彰宏 坂下 佳子 岩井 正勝 遠藤 龍人 滝川 康裕 鈴木 一幸 佐藤 俊一 鈴木 千衣子 内田 耕一 弘中 孝治 萱野 幸三 増原 昌明 坂井 田功 沖田 極 関山 和彦 井上 和明 与芝 真 半田 宏一 樋口 大介 井上 和明 関山 和彦 与芝 真 松原 寛 道堯浩 二郎 山内 雄介 井内 英人 長谷 部昌 山本 和寿 井上 愛 堀池 典生 恩地 森一 中西 崇 東俊 宏 狩山 和也 山野 智子 辻 孝夫 川口 光彦 糸島 達也 品川 克至 乾 あやの 小松 陽樹 松本 浩 茂木 陽 宮川 芳宏 藤沢 知雄 上本 伸二 猪股 裕紀洋 田中 紘一 平松 活志 橋本 悦子 谷合 麻紀子 野口 三四朗 長谷 川潔 林 直諒 次田 正 高崎 健 中島 一朗 渕之上 昌平 古川 博之 岸田 明博 大村 孝志 松下 通明 藤堂 省 藤田 美悧 清水 道夫 橋倉 泰彦 三田 篤義 窪田 達也 三輪 史郎 池上 俊彦 寺田 克 宮川 眞一 川崎 誠治 君川 正昭 渕之上 昌平 春口 洋昭 唐仁原 全 中島 一朗 阿岸 鉄三 白髪 宏司 伊藤 克己 高崎 健 橋本 悦子 林 直諒 田中 紘一 上本 伸二 猪股 裕紀洋 阿曽沼 克弘 江川 裕人 藤田 士朗 木内 哲也 林道 廣 田中 紘一 石井 邦英 古賀 郁利子 神代 龍吉 草場 信秀 佐田 通夫 坂本 照夫 加来 信雄 森岡 千恵 菊池 英亮 松尾 英城 中谷 吉宏 豊川 泰勲 富永 謙太郎 山尾 純一 福井 博 福田 邦明 安部井 誠人 遠藤 憲一 本橋 歩 正田 純一 松崎 靖司 田中 直見 古坂 明弘 高橋 正明 平本 淳 白浜 圭吾 永山 和男 田中 照二 Yusufu Youlutuz 松井 淳 持田 智 藤原 研司 小畑 達郎 中島 千種 岡山 昌弘 大野 研而 宮下 智之 田村 明彦 絵野 沢伸 鈴木 盛一 雨宮 浩 青木 達哉 小柳 泰久 山際 健太郎 川原田 嘉文 八木 真太郎 飯田 拓 横井 一 垣内 雅彦 足立 幸彦 飯田 拓 田端 正己 町支 秀樹 横井 一 川原 田嘉文 東口 高志 今井 俊積
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.189-198, 1999