著者
滝 久智 野村 昌史
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.321-329, 2004 (Released:2005-02-25)
参考文献数
26
被引用文献数
5 5

In general, plusiine moths actively begin flying from dusk and feeding and calling activities have been clearly discussed in many reports. We examined daily behaviors, specifically, flight, feeding and calling activities of the plusiine moths, Autographa nigrisigna, Thysanoplusia intermixta, Ctenoplusia agnata and Chrysodeixis eriosoma, which are major pests of various commercial crops in the Kanto region of Japan. Daily flight activities were tested with an actograph system in the laboratory. The insects showed pronounced flight activity soon after the lights were turned off, during darkness and after the lights were turned on. Of specific interest is that during darkness, C. eriosoma showed high flight activity earlier than the other three species. We also observed daily feeding and calling activities, and found these two activities were synchronized with flight activity. We conclude that patterns of calling and associated flights are not the same for all plusiine species although most adults of the Plusiinae fly actively during darkness.
著者
宍戸 俊英 榎本 香織 藤田 直之 鈴木 敦 林 建二郎 野村 昌史 板谷 直 多武保 光宏 渡辺 和吉 野田 治久 桶川 隆嗣 奴田原 紀久雄 東原 英二
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.99, no.3, pp.543-550, 2008-03-20
参考文献数
21
被引用文献数
3 2

(目的) 前立腺肥大症患者に対して実施した, ホルミウムレーザー前立腺核出術 (HoLEP) と経尿道的前立腺切除術 (TUR-P) による治療効果を比較検討した.<br>(対象と方法) 2004年4月から2006年3月までの間にTUR-Pを施行した患者41人 (平均年齢69.2±7.3歳) と, 2005年12月から2007年2月までの間にHoLEPを施行した患者46人 (平均年齢68.2歳±7.5歳) の計87人を対象とした.<br>(結果) 両群間に患者年齢, 術前のIPSS, QOL index, 残尿量, 最大尿流率, 平均尿流率, 推定前立腺容積に有意差はなかった. ヘモグロビンの低下はTUR-P群1.91±1.3, HoLEP群1.15±1.2 (P<0.05) とHoLEP群で有意に少なかった. 手術時間はTUR-P群で118.3±369分, HoLEP群161.9±65.0分とHoLEP群で有意に長かった (p<0.001). 切除重量はTUR-P群が29.3±13.3g (10~55), HoLEP群34.8±33.4g (5~148) で有意差はなかった (p=0.337). カテーテル留置期間 (115.2±27.5vs52.1±29.6時間p<0.001) および入院期間 (9.4±2.2vs6.6±2.3日p<0.001) はHoLEP群で有意に短かった. また, 術後3ヵ月目のIPSS, QOL index, 残尿量, 最大尿流率, 平均尿流率に有意差を認めなかった.<br>(結論) HoLEPはBPHによる下部尿路閉塞に対し, TUR-Pと同等の治療効果を認めた. またTUR-Pに比べ出血が少なく, カテーテル留置期間や入院期間も短かった. HoLEPはTUR-Pの代替治療になり得る有力な治療選択肢であると考えられた.
著者
野村 昌史
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

各地の農業試験場等にアンケート調査を行ったところ、キャベツ等にキンウワバ類の被害が多いという回答を得られたが、イラクサギンウワバの発生が見られるという回答は少なく、本種の認識がなされていない可能性が示唆された。そこで特にキャベツほ場等を中心にキンウワバ類の幼虫採集を行った。その結果、多くの地域での本種の発生が確認された。主として6月および10月に行ったが発生するキンウワバ類には違いが見られた。すなわち6月の時期にはどの地域でもタマナギンウワバが優占種であり、イラクサギンウワバの発生は少ないものであった。ところが10月の時期に採集を行うと、西日本では優占種が交代し、ほとんどのほ場ではイラクサギンウワバしか発生がみられなかった。千葉県では優占種はタマナギンウワバで変わらなかったが、イラクサギンウワバの比率が増加していた。さらに12月に入った調査ではイラクサギンウワバの個体数は急激に減少し,タマナギンウワバより早く野外で見られなくなった。その要因のひとつとして,イラクサギンウワバは低温に弱く,冬の早い段階でほとんどが死滅するためと考えられたため室内実験を行い、各ステージの低温耐性を求めた。各ステージを5℃条件下に長時間さらしてその死亡率などを求めた。その結果、幼虫ではイラクサギンウワバの死亡率がタマナギンウワバよりも高く、イラクサギンウワバは低温耐性が低いことが判明した。冬の寒い時期でも発生が見られ,翌年春先から再び出現し始めるタマナギンウワバに比べ,冬にほとんどが死滅してしまうイラクサギンウワバは,翌年の発生が遅くなると考えられた.イラクサギンウワバの発生源調査は今回のデータだけでは明らかにできなかったが、室内実験ではキンウワバトビコバチというキンウワバに特異的な寄生蜂に日本産のイラクサギンウワバは寄生されなかった。北米個体群では寄生されることが分かっており、実験にも用いられるほどであるから、北米個体群が日本に入り込んでいる可能性は低いと考えられた。
著者
小林 達明 野村 昌史 佐々 英徳
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

柏市こんぶくろ池湿地に自生するズミ集団の保全のために、個体の開花・結実状況、実生の更新状況、アロザイム遺伝子構造、自家不和合性対立遺伝子構造、花の形態変異を調べた。その結果、こんぶくろ池ズミ集団の結実率は低く、実生の更新状況は不良だったが、アロザイム遺伝子多様度、自家不和合性遺伝子多様度とも高く、遺伝的劣化は見られなかった。同湿地の再生目標を明らかにするために江戸期以来の絵地図・絵図の変遷を検討し、周辺はクヌギを主とする立木密度の低い林だったことがわかった。