著者
野田 明子 宮田 聖子
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.66, no.J-STAGE-2, pp.95-105, 2017-08-31 (Released:2017-09-06)
参考文献数
22

睡眠障害・睡眠不足は認知症のリスクファクターであり,認知症の発症・重症化の予防において睡眠検査は有用である。睡眠の客観評価法として,終夜における睡眠深度・睡眠中の呼吸循環の生理現象を総合的に評価する睡眠ポリグラフ検査,睡眠覚醒リズムを評価するアクチグラフィ,過眠症の診断や治療効果の判定として実施される反復睡眠潜時検査および在宅で行うことができる簡易睡眠呼吸障害検査がある。主観的睡眠検査として,ピッツバーグ睡眠質問票およびエプワース眠気尺度は睡眠障害のスクリーニングとして日常臨床で汎用されている。また,睡眠日誌はアクチグラフィとともに概日リズム睡眠障害の診断に必須の検査である。これらの睡眠検査の臨床的意義,検査方法および評価を十分理解し,実施することが重要である。
著者
宮崎 総一郎 北村 拓朗 野田 明子
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.122, no.12, pp.1475-1480, 2019-12-20 (Released:2020-01-09)
参考文献数
21

24時間社会の今, 人々の生活スタイルは夜型化し睡眠時間は確実に減少している. 短い睡眠時間でも日常生活に問題なければよいが, 実際には睡眠不足によりもたらされる影響は, 肥満, 高血圧, 糖尿病, 心血管病, 精神疾患等多岐にわたり, 看過できるものではない. 睡眠は「疲れたから眠る」といった, 消極的・受動的な生理機能ではなく, もっと積極的かつ能動的であり,「明日によりよく活動するため」に脳神経回路の再構築 (記憶向上), メンテナンス (脳内老廃物の除去) を果たしている. 睡眠不足や質の悪い睡眠は認知症の促進因子となり, 逆に, 質の良い睡眠は抑制因子となることが近年明らかにされてきている. また, 耳鼻科医が関与することの多い閉塞性睡眠時無呼吸は間歇的な低酸素や高二酸化炭素血症, および頻回な覚醒反応により, 肥満・高血圧・糖尿病・脂質代謝異常症などの生活習慣病と深く関連していることが報告されている. さらに最近の研究で, 認知症発症に対して睡眠時無呼吸が影響を及ぼしていることがいくつかの大規模研究によって示されている. 今後, 睡眠の観点からも認知症予防に取り組むことが必要であり, 特に30代から50代までの若い世代の睡眠不足や睡眠障害,睡眠時無呼吸に対する早期診断, また若年者からの睡眠教育が第1次予防として重要であると考える.
著者
福田 敏男 湧田 雄基 長谷川 泰久 新井 史人 川口 三夫 野田 明子
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌C(電子・情報・システム部門誌) (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.125, no.1, pp.43-49, 2005 (Released:2005-04-01)
参考文献数
45
被引用文献数
1 9

In this paper, we propose an algorithm to estimate sleep quality based on a heart rate variability using chaos analysis. Polysomnography(PSG) is a conventional and reliable system to diagnose sleep disorder and to evaluate its severity and therapeatic effect, by estimating sleep quality based on multiple channels. However, a recording process requires a lot of time and a controlled environment for measurement and then an analyzing process of PSG data is hard work because the huge sensed data should be manually evaluated. On the other hand, it is focused that some people make a mistake or cause an accident due to lost of regular sleep and of homeostasis these days. Therefore a simple home system for checking own sleep is required and then the estimation algorithm for the system should be developed. Therefore we propose an algorithm to estimate sleep quality based only on a heart rate variability which can be measured by a simple sensor such as a pressure sensor and an infrared sensor in an uncontrolled environment, by experimentally finding the relationship between chaos indices and sleep quality. The system including the estimation algorithm can inform patterns and quality of own daily sleep to a user, and then the user can previously arranges his life schedule, pays more attention based on sleep results and consult with a doctor.
著者
中田 誠一 野田 明子
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

鼻呼吸障害があり夜間に無呼吸が認められる人も鼻手術後には、鼻腔の通気性が有意に改善すると睡眠構築、日中の眠気が有意に改善した.夜間のnasal cycleは昼間活動時に比べて回数が少なく、周期が有意に長かった.