- 著者
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片田 敏孝
桑沢 敬行
金井 昌信
児玉 真
- 出版者
- 社会技術研究会
- 雑誌
- 社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
- 巻号頁・発行日
- vol.2, pp.191-198, 2004-10-29 (Released:2007-12-21)
- 参考文献数
- 15
- 被引用文献数
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防災施設に想定外力が設定されていることからも明らかなように, 自然災害に対する「安全」は限定的なものであるにもかかわらず, 多くの住民は正常化の偏見などの様々な心理的要因により, 過大な「安心」を感じている. 本稿では, 2003年5月に発生した宮城県沖の地震を事例に, 津波襲来の危険にさらされた住民の心理と避難行動の関連について詳細に分析した結果から, 住民意識の問題点を明らかにし, そのうえで, 津波災害に対する「安心」の一概念を提案し, その視点から住民の津波避難に関わる対策や防災教育のあり方を検討するとともに, 自然災害に対する安全・安心な社会の実現のための社会技術について提言した.