著者
金田 安史
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.246-256, 2012-09-30 (Released:2012-12-28)
参考文献数
22
被引用文献数
3 2

現在行われている再生治療は、主として体外培養した幹細胞の移植である。これにより従来治療が困難と思われていた難治性疾患の治療の可能性が示されてきた。一方で、体外培養することによる遺伝子発現の変化も否定できない。たとえ有効性が示されたとしても用事調整の細胞では広く治療剤として普及することは難しい。もし体内の幹細胞を損傷部位に集積させて分化させることができれば、最も自然な形での組織再生が可能になるとともに、その誘導因子は再生治療剤として世界中に利用されるであろう。そのような幹細胞の損傷組織への動員や分化を促進する因子の研究も進んでおり、臨床応用に近づいているものもある。その取り組みの現状を紹介する。
著者
酒井 真理 藤本 尚弘 石井 克典 浅野 智之 村田 勲 中村 浩之 李 千萬 金田 安史 粟津 邦男
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会 年会・大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.676, 2009

ホウ素中性子捕獲療法(BNCT)とは腫瘍に取り込ませたホウ素に対して中性子を照射し、そこから放出されるα線やLi線によって腫瘍細胞のみを死滅させることのできる治療法である。現在BNCTは原子炉で行われており、これを加速器中性子源によって行えるようにする必要がある。本研究ではそのための細胞レベルでの基礎検討を行った。
著者
金田 安史 種村 篤
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

我々は複製能を欠いた不活化 Sendai virus (HVJ envelope ; HVJ-E)が様々な抗腫瘍作用を有することを見出している。これを用いた癌治療の臨床研究も開始された。そこでさらに抗腫瘍効果を増強するため、HVJ-E に封入する分子を検討したところ、抗腫瘍免疫を増強できる分子として IL-12, IL-2 の有効性が見出された。IL-12 遺伝子を封入する代わりに、IL-12 蛋白質を表面にもつ HVJ-E はさらに強力な癌治療効果を示した。また抗がん剤(ダカルバジン)の効果を高めるために Rad51siRNA の封入が効果的であった。