著者
森岡 俊夫 森田 恵美子 鈴木 和雄
出版者
一般社団法人 口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.31, no.5, pp.437-441, 1982
被引用文献数
5

本研究はQ-スウィッチを付けたNd-YAGレーザーを用いることにより歯石・歯垢を含む歯面付着物や歯質着色が安全に, かつ容易に除去しうるかどうか研索したものである。これらの付着物や着色の除去は予防歯科学領域での関心事である。<BR>エネルギー密度1.2~2.7J/cm<SUP>2</SUP>/パルスのレーザー光を歯面着色, 歯質着色, 歯石・歯垢付着, 小窩裂溝内容物を有するヒトの抜去歯牙39歯のエナメル質に照射すると, 付着物や着色の部位や種類により除去の難易性に若干の差異はあるが, これらの物質は有機性窩溝内容物を含めいずれも除去された。また臼歯部の小窩裂溝についても, 有機性の窩溝内容物は除去され, 窩溝壁や深部が部分露出した。Q-スウィッチを使用しないノーマル発振の同レーザー光では, このような結果は得られなかった。除去後のエナメル質表面を光学顕微鏡及び走査型電子顕微鏡で調べると, 歯面の照射部位にチョーク様のスポットやクレーターは認められなかった。これらの結果からQ-スウィッチを付けたNd-YAGレーザーを歯石・歯垢などの歯面付着物, 歯面・歯質着色および小窩裂溝内容物除去の目的に臨床的に用いうる可能性が示唆された。
著者
鈴木 和雄
出版者
弘前大学
雑誌
人文社会論叢. 社会科学篇 (ISSN:13450255)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.127-147, 2001
著者
鈴木 和雄 高士 宗久 小幡 浩司 深津 英捷 大串 典雅 置塩 則彦 栃木 宏水 酒井 俊助 篠田 正幸 牛山 知己
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.81, no.1, pp.96-102, 1990
被引用文献数
3

1980年から1986年の7年間に東海地方会泌尿器腫瘍登録に登録された膀胱腫瘍2,304例について主に治療成績を中心に検討を行った.<br>膀胱腫瘍全体の5年相対 (実測) 生存率は73.8% (61.9%) であった. 深達度別ではTa; 101.9% (88.0%), T1; 87.6% (75.3%), T2; 57.9% (47.8%), T3; 33.7% (28.2%), T4; 6.1% (5.0%) であった. 組織型・異型度別ではG1; 93.7% (78.8%), G2; 87.2% (74.1%), G3; 47.3% (38.9%) となり, 移行上皮癌以外の膀胱悪性腫瘍は48.9% (42.4%), 複数組織型の混在した腫瘍は48.8% (41.3%) となっている. T2, G3以上で明らかに生存率は低下した. 移行上皮癌以外の膀胱悪性腫瘍および複数組織型の混在した腫瘍は移行上皮癌 grade 3とほぼ同様の結果であった. TUR施行症例の5年相対 (実測) 生存率は98.1% (82.2%) であった. 深達度別ではTa; 103.9% (89.7%), T1; 96.0% (82.6%), T2; 61.1% (49.1%), 異型度別ではG1; 102.2% (86.6%), G2; 104.3% (88.3%), G3; 56.9% (48.3%) であり, T1, G2以下がTURの適応と思われた. 膀胱全摘施行症例の5年相対 (実測) 生存率は62.4% (52.3%) であった. 深達度別ではTa; 102.3% (90.6%), T1; 77.8% (68.2%), T2; 56.3% (47.9%), T3; 41.8% (34.9%), T4; 15.2% (13.1%), 異型度別ではG1; 96.9% (80.9%), G2; 63.6% (55.7%), G3; 55.4% (47.1%) となっている. 進行癌症例の相対(実測)生存率は3年5.3% (4.8%), 5年0.87% (0.73%) と極めて予後不良であった.
著者
鈴木 和雄
出版者
経済理論学会
雑誌
季刊経済理論 (ISSN:18825184)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.36-46, 2010-10-20 (Released:2017-04-25)

The purpose of this paper is to examine the structure of triangular relationship of the labor process in interactive service work and the effects which the relationship brings about on workers. In examining how relations of control are shaped among management, workers and customers, this paper elucidates two distinct types of control of interactive service work: control of customers by managers and workers, and that of workers and managers by customers. After showing patterns of alignment and opposition of the interests in interactive service work, this paper indicates two effects that these alignment and opposition bring about on workers. One is supervising effect of workers, as customers behave like 'another bosses' who control workers along with management in the labor process. Another is conforming effect of workers to management interests, as workers seek to control customers to increase their own work performances by aligning with management. This paper then examines transfer processes of conflicting interests among management, workers and customers. Conflicts between managers and customers are transferred to those between workers and customers, as workers appear representatives of firms in interactive service work. Conflicts between management and workers are also transferred to those between workers and customers, as customers see workers representing firms. In these transferring processes one actor represents another, which can be called as substituting effects. It is concluded that in the triangular relationship traditional conflicts between workers and management cannot be apparently manifested. In a situation in which customers become 'another bosses' and conflicting interests among actors are transferred, labor control by capital is blurred. Also in a situation in which workers seek to control customers in favor of management, real opposition between capital and labor become concealed. Therefore the triangular relationship of interactive service work tends to transform workers' class consciousness from explicit to distorted one.
著者
成田 和広 鈴木 和雄 李 雨元 相田 貞継 普光江 嘉広 村上 雅彦 草野 満夫
出版者
昭和大学学士会
雑誌
昭和医学会雑誌 (ISSN:00374342)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.112-115, 1996-02-28 (Released:2010-09-09)
参考文献数
9

症例は68歳, 男性, 上腹部痛による急性腹症にて入院.上部消化管内視鏡検査にて, 胃体部から前庭部に浅いびらんが多発しており, 急性胃粘膜病変と診断された.絶飲食のもと, ファモチジン20mgを12時間毎に投与開始したところ, 翌日より幻覚, 見当識障害, 夜間徘徊等の異常行動出現した.精神障害症状が持続するため4日目にファモチジンを中止したところ, 24時間以内に速やかに同症状が消失した, H2受容体拮抗剤の副作用に, 可逆性の錯乱状態があるが報告例は少ない.本剤の使用頻度は増加傾向にあり, 日常容易に処方され, その副作用は忘れがちである.状況によっては本例のような副作用の出現もあり, 注意深い使用が必要と思われた.
著者
鈴木 和雄
出版者
法政大学
雑誌
日本文學誌要 (ISSN:02877872)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.67-68, 1982-07-10
著者
鈴木 和雄 青木 雅信 水野 卓爾 石川 晃 影山 慎二 宇佐美 隆利 麦谷 荘一 牛山 知己 藤田 公生
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.87, no.5, pp.809-814, 1996-05-20
参考文献数
22
被引用文献数
8 2

(目的)腹膜外到達法による腹腔鏡下副腎摘除術について手技的問題を中心に検討した。(対象・方法)1994年7月より1995年3月までに副腎腫瘍9例(男4例,女5例,30歳から79歳,平均56歳)に対して本手術を施行した。術前診断は原発性アルドステロン症2例,18-ハイドロキシコルチコステロン産生腫瘍1例,プレクッシング症候群5例,内分泌非活性腫瘍1例であった。手術は全身麻酔下,側臥位にて施行した。皮膚小切開よりバルーンにて後腹膜腔を剥離後炭酸ガス送気を行った。トロカールは計4本留置した。腎上極を露出後,腎周囲脂肪組織を上内側に向かい剥離した。副腎全周を剥離後副腎静脈にクリップをかけ切断した。(結果)9例全例に腫瘍摘出に成功した。平均手術時間,平均出血量はそれぞれ53ml,168分であった。術中合併症は見られなかった。術後後腹膜血腫が1例に見られたが5日間の安静にて軽快した。(結論)腹膜外到達法の有用性は開放性手術において既に確立されている。腹膜外到達法腹腔鏡下副腎摘除術は,術野が狭く,手技がやや難しいといった問題点はあるものの,安全かつ低侵襲であり,褐色細胞腫を除いた片側性の小さな副腎腫瘍に対して有用な手術法と考えられた。