著者
谷口 薫 渡辺 満久 鈴木 康弘 澤 祥
出版者
SEISMOLOGICAL SOCIETY OF JAPAN
雑誌
地震. 2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.11-21, 2011-08-25
被引用文献数
2

The 150 km long Itoigawa-Shizuoka Tectonic Line Active Fault System (ISTL) in central Japan is one of the most active fault systems in Japan. Paleoseismologcal studies 1980s have revealed that the most recent event and the average recurence interval of the ISTL. The approximately 7 km long portion of the fault system between Matsumoto and Okaya has been regarded as a gap without any active fault trace. The gap namely the "Shiojiri Pass Gap" has long been taken as a segment boundary owing to the geometric discontinuity. Recent geomorphological analyses of the gap have demonstrated a through-going left-lateral slip assocaited with recent earthquakes in this area, based on aerial photograph interpretation and excavation studies. Excavation study on this portion revealed that the latest faulting event occurred between 1,700 cal. B.P. to 1,310 cal. B.P. (255 A.D. -645 A.D.). The timing of the last faulting event at this study area coincides with the timing in the Gofukuji fault and Okaya fault. The active faults extending from the Matsumoto basin as far as the northwestern margin of the Suwa basin display the evidence for its recent reactivation at the same time.
著者
渡辺 満久 中田 高 後藤 秀昭 鈴木 康弘
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100137, 2011 (Released:2011-11-22)

1.日本海溝沿いの活断層の特徴と地震・津波との関係を検討する。立体視可能なアナグリフ画像は、海上保安庁海洋情報部とJAMSTECの統合測深データ(0.002°間隔のGMT grd format、東経138-147°・北緯34-42°)と、250mグリッド地形DEM(岸本、2000)を用いて作成した。本研究では、平成23年~25年度科学研究費補助金(基盤研究(B)研究代表者:中田 高)、平成21~24年度科学研究費補助金(基盤研究(C)研究代表者:渡辺満久)を使用した。2 海底活断層は、以下の3種類に区分できる。(1) アウターライズの正断層群は、三陸沖から牡鹿半島南東沖にかけてはほぼ南北走行に延びるが、それ以南では海溝軸と斜交するように北東-南西走行となり、房総半島沖においては再び海溝軸と並走するようになる。正断層は、日本海溝軸から東側50~60km程度の範囲内に分布している。断層崖の比高には変位の累積性が認められ、海溝軸に近いものほど大きい(最大で500m以上)。(2) 三陸沖や房総半島沖の海溝陸側斜面の基部では、長さ200km程度の逆断層が複数認定できるが、連続性は良好ではない。その西側では、三陸北部沖から茨城県沖にかけて400km程度連続する長大な逆断層が認められ、隆起側には大きな垂直変位が生じていることを示す背斜構造がある。さらに陸側には、一回り小規模な逆断層(延長50km程度)がある。三陸沖以北の日本海溝斜面基部には、アウターライズより密に正断層が分布する可能性が高い3 日本海溝沿いの活断層と地震・津波との関係は、以下のように整理できる。(1) アウターライズには、鉛直変位速度が1mm/y程度の正断層が10程度並走する。正断層帯における伸長量は2cm/yに達する可能性もある。アウターライズの正断層起源とされる1933年三陸津波地震の起震断層は特定できない。(2) 延長400kmに達する連続性の良い逆断層は、その位置・形状から、2011年東北地方太平洋沖地震に関連する活断層であると判断される。今回の地震は複数の活断層が連動したものではなく、長大な活断層から発生する固有地震であった可能性が高い。同様の地震は、869年と1611年にも発生した可能性がある。1793年の地震時の津波は、分布は広いがあまり高くはないため、他の活断層が引き起こしたものであろう。海溝の陸側に分布する正断層に関しては、不明な点が多い。(3) 長さ200km程度の活断層はM8クラスの地震に、陸側の数10km程度の活断層はM7クラスの地震に関連するであろう。歴史地震との対応も比較的良好である
著者
福和 伸夫 山岡 耕春 中野 優 飛田 潤 佐藤 俊明 鈴木 康弘 馬場 干児
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

1891年に発生した濃尾地震の時に「震災の帯」として報告された「震裂波動線」の生成原因の解明を目的とした本研究によって、以下が明らかになった。濃尾平野に関する資料収集を行い、愛知県による深部地盤構造調査の結果について資料収集と既存資料との比較検討を行い、総合的な3次元の深部地盤構造モデルを構築した。震裂波動線に関連する岐阜県内の測線に強震計を並べて設置し地震を観測した。側線は養老断層による基盤の段差から堆積平野側に、約10kmの間に配置した。得られた地震動の波形を調べた結果、養老断層の存在によって励起された表面波の存在が確認された。さらにこの表面波と実体波が干渉とすると思われる断層から数kmの地域で地震動の増幅が見られた。この現象はFEMを用いた波動場の計算機シミュレーションにより、このような地震動の増幅が起きることが確認された。地下構造として濃尾平野に類似したいくつかのモデルで計算を行ったが、どれでも基盤の段差があれば地震動の増幅が見られた。濃尾地震の震源モデルについては、特にその存在が示唆されながら、明らかな証拠が得られていない岐阜-一宮線の断層の存在について検討した。濃尾地震のときに観測されたとされる水準変動を説明する断層モデルとしては、従来の垂直の断層よりも、傾斜が75度の逆断層のほうが良いことがわかった。一方、この地域で現在も発生している余震と思われる微小地震のメカニズムから応力場を推定すると、岐阜-一宮線がかって滑ったという証拠は得られなかった。岐阜-一宮線の断層の存在については、さらなる検討が必要である。震裂波動線に関しては、被害に関する資料を再分析すると、被害の多かった地域は線状ではなく、岐阜地域から濃尾平野南東部にかけて面上に分布しているようである。この結果は、被害が大きかったのはむしろ地盤や震源の特性によるものである可能性もある。
著者
鈴木 康弘 山本 和彦 加藤 邦人 安藤 道則 小島 真一
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. C (ISSN:03854221)
巻号頁・発行日
vol.127, no.4, pp.583-590, 2007
被引用文献数
8 1

Many active safety technologies for the driver support system are developing. Most of the traffic accidents are caused by driver's inattentive or drowsy. We are developing a driver support system that protects from traffic accidents by these causes. Our purpose is to detect the driver's face region by using a camera. A lot of face detection methods are proposed, but there is not a technique addressing every environment inside the car. For example, skin color segmentation can not detect the skin region in the night, because it has to light up the driver by bright light. In this paper, we propose a skin detection method by the unique reflection characteristics of the materials. Our method is very simple algorithm. We developed a skin detection system, and confirmed effectiveness by the evaluation experiment in indoor environment, and showed the effectiveness by a driving experiment in the night.