著者
長岡 千香子 古川 雅子 林 正治 孫 媛 山地 一禎
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.424-427, 2022-12-18 (Released:2023-01-27)
参考文献数
8

現在,国内の複数の研究・高等教育機関では,自大学で提供した講義の映像をまとめたOpenCourseWare (OCW),教育用ガイドライン,自学用教材等の学習・教育用コンテンツを,誰でも無償で利用できるOpen Educational Resources(OER)として公開している.これらのOERを公開するためのプラットフォームの種類は多様であるが,その一つの手段として,機関リポジトリ上で公開する試みがみられる.本発表では,日本国内のOER公開に関する取組,機関リポジトリで実際に公開されているOERへのアクセス状況の集計,機関リポジトリ上でOERを公開する際の検討事項等を通じて,OER公開用プラットフォームとしての機関リポジトリの可能性について検討・考察する.
著者
都竹 茂樹 平岡 斉士 長岡 千香子
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

働く世代の心身の健康増進を目的に、国はメタボ健診・保健指導やストレスチェックを義務化してきたが、心身に問題を抱える人たちは増加する一方である。一因として、心身の健康状態、健康への意識や実践状況、業務内容などが各人で異なるため、画一的かつ一方通行的な支援では、大多数の層は興味を示さず、行動変容にもつながらないことが挙げられる。本研究では、応募者が遠隔支援してきた2,000名分のデータを分析、ARCS動機付けモデルを活用して各人の行動や心身の状況に応じた、個別の健康支援策を自動選択、適切なタイミングで遠隔配信するプログラムを開発し、働く世代の生活習慣病やメンタルヘルスの発症予防・改善をめざす。
著者
平岡 斉士 喜多 敏博 鈴木 克明 長岡 千香子
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

eラーニングなどの自動採点を前提としたテストは知識の確認をするものがほとんどである。一方、実際の教育場面では知識を応用するスキルの修得が求められている。しかし知識を応用するスキルを評価するテストには複数の制約があり、教育設計の知識やスキルに乏しい教員が作成することは容易でない。本研究では、知的技能の特性を踏まえたテスト作成方法を整理・体系化し、教育設計の非専門家でも使える問題作成支援ツールを開発する。あわせて自動採点テストを作成するための諸問題(手動採点用問題からの適切な代替、誤答選択肢の質、類題の確保など)を解決する方法を確立し、問題作成支援ツールと連動させたシステムを設計・開発・評価する。
著者
喜多 敏博 長岡 千香子 平岡 斉士 松居 辰則
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2021-CE-162, no.10, pp.1-4, 2021-11-27

多様な事故が世界中で起きている現状において,安全教育を行うことが事故防止の非常に有効な手段となる.「子どもの傷害予防」や「環境安全工学」等の分野における安全教育の事例を踏まえ,効果的な事故防止教育を行うためのプラットフォームとして,高度化された UI や機能により学習者に効果的・能動的に作用することができる「能動的 LMS」を開発した.能動的 LMS が持つ「能動的機能」は,LMS 側から学習者へ積極的に働きかける機能であり,次の 3 つの機能:(1) 音声 UI での働きかけ (スマートスピーカーやスマートフォンで,音声や音響によるやり取りを交わすことで学習を促す) (2) LINE チャットボットでの働きかけ (日常使いのツールである LINE で手軽に問い合わせが可能であり,ボットからのプッシュ型の情報共有も行うことで,行動変容を促進できる) (3) ユーザの心的状態も考慮したアナリティクス (ユーザの状態や行動を予測し,その結果に基づいて,手遅れになる前に LMS から働きかける) からなる.これらの「能動的機能」を Moodle の追加パッケージ (Web service API による連携システムとプラグイン)として実装し,Moodle が「能動的 LMS」として機能できるようにした.