著者
佐藤 真治 荒尾 孝 田中 史朗 田城 孝雄 都竹 茂樹 大槻 伸吾
出版者
大阪産業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01 (Released:2014-04-04)

【具体的内容】本研究課題では、歩くことによって他者との間に新しい関係性が生まれる「歩きたくなるまちづくり」を提案し、ソーシャルキャピタルを高めるかどうかを検証する。今年度はフィールドである兵庫県豊岡市内の山間集落K地区および住宅地N地区の住民を対象とし、介入1年目までの効果を比較検証した。その結果、K地区はN地区と比べて、持ち家率が高く(K:100%、N:88%:p=0.015)、20年以上居住している人の割合が高かった(K:93%、N:76%:p=0.017)。2要因の分散分析の結果、身体活動量は、交互作用を認めなかったが時間の主効果が有意であった(K:3.2→3.5ポイント、N:3.6→3.8ポイント)。ソーシャルキャピタル値は、地区と時間の間に交互作用を認め(p=0.015)、K地区では変化を認めなかったが(p=0.118)、N地区では有意に低下した(p=0.017)。以上、「歩きたくなるまちづくり」を山間部と住宅地に同時に行い、ソーシャルキャピタルに及ぼす影響の地域差を検証した結果、対象地域での身体活動量は増加し、地域差が認められなかったのに対して、ソーシャルキャピタルの変化には地域差が認められた。【意義・重要性】「身体活動量増進を目指した地域介入によってソーシャルキャピタルが高まる可能性があること」、「ソーシャルキャピタルへの効果には地域差があること」は、本研究の遂行によって始めて明らかになった事実であり、意義は大きい。