著者
溝上 智惠子 清水 一彦 歳森 敦 池内 淳 石井 啓豊 逸村 裕 植松 貞夫 宇陀 則彦 永田 治樹 長谷川 秀彦 石井 夏生利 呑海 沙織 孫 誌衒 松林 麻実子 原 淳之 井上 拓 佐藤 翔
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、大学教育の実質化を進展させるための学習支援サービスの1つとして、大学生の主体的学習を促進させる実空間「ラーニング・コモンズ」 (Learning Commons)に着目し、その現状と課題を明らかにした。1990 年代に、北米地域から導入・整備が始まったラーニング・コモンズは、現在各国の高等教育改革や大学図書館の状況を反映して、多様な形態で展開しつつあること、学習成果の視点からの評価はいずれの国でもまだ不十分な段階にあることが明らかになった。
著者
長谷川 秀彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.402-410, 1989-04-15

本論文では帯行列を係数とする連立一次方程式の直接解法を検討した.方程式を少数回解く場合には帯ガウス 同一の係数行列に対して右辺の計算を繰り返す場合にはMartin とWilkinson の帯ガウス 係数行列が対称正定値ならば対称帯ガウスが良く 大規模問題用のプログラムヲ作成するうえではメモリ参照に注意を払う必要があった.ベクトル計算機デ高速化をするためには並列に実行される演算パイプに対して必要なロード・ストアパイプが少ない2段2行同時のアンローリングが良いベクトル計算機やIAPでは高速化のために制限三項演算の適用が必須だが コンパイラにはそれが識別できないこともあるので注意が必要である.またメモリとレジスタ間の無駄なデータのやりとりを減らすことも重要な点である.高速化手法の適用をコンパイラだけに期待するのは難しく アルゴリズムから検討しなおす必要があった.陽アンローリングはプログラムを複雑にするが 結果として得られたプログラムはベクトル計算機と汎用計算機の両方で高速に実行が可能となる.より多重のアンローリングは保守の問題を考えると問題である.本論文に述べられたこれらの高速化手法は精度を悪化させず しかも汎用的である.
著者
菱沼 利彰 藤井 昭宏 田中 輝雄 長谷川 秀彦
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.7, no.4, pp.25-33, 2014-12-16

高精度演算を用いることでKrylov部分空間法の収束を改善できるが,高精度演算はコストが高いことが知られている.高精度演算の1つに,倍精度を2つ組み合わせて4倍精度演算を行う倍々精度演算がある.我々は,IntelのSIMD拡張命令であるAVX2を用いてBCRS形式の倍精度疎行列と倍々精度ベクトルの積(DD-SpMV)の高速化を行った.AVX2を用いたCRS形式のDD-SpMVでは,各行で端数処理などを必要とするが,BCRS形式は端数処理をなくし,メモリアクセスを改善できる.しかし,BCRS形式は演算量が増加する.本論文では,AVX2に適したBCRS形式のブロックサイズと,増加した演算量と端数処理の削減,メモリアクセスの改善効果のトレードオフについて示した.実験の結果,AVX2に最も適したブロックサイズは4×1であることが分かった.また,メモリアクセスの改善効果はサイズの大きい問題ほど有効で,行列サイズが10 5以上のとき,演算量が3.3倍以上になるケースにおいても,BCRS4×1にすることでCRS形式の実行時間を約45%に短縮できることを確認した.