著者
関田 清司 井上 達
出版者
一般社団法人 日本毒性学会
雑誌
The Journal of Toxicological Sciences (ISSN:03881350)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.App147-App158, 1999-12-20 (Released:2008-02-21)
参考文献数
69

今日,コカインや覚せい剤などの薬物乱用問題は世界的な取り組の対象となっている。わが国においても,一時,減少傾向にあった覚せい剤の乱用者数が,特にこの数年,増加傾向と低年齢化を示しており危機に直面している。こうした,乱用される薬物は,生体に摂取されることにより,その薬理作用による高揚感や多幸感などの精神的「満足感」を引き起こす。脱し難い薬物依存の形成機序はともかくとして,薬物乱用はこの自覚効果の再体験への欲求にもとづく行動と考えられている。ところで近年,コカインや覚せい剤などのように麻薬及び向精神薬取締法などの法規の取締対象物として所持や使用が厳しく規制を受ける「違法な薬物」とは別に,これらの法的規制外で、多幸感や気分の高揚が得られるなどとの標傍のもとに,いわゆる「合法ドラッグ」と称する「商品」が流通している実態がある。現在取締対象となっている「乱用薬物」も、多くは今日の「合法ドラッグ」に似た位置づけにあったものと考えられるので、本稿では,代表的な「乱用薬物」であるコカインや覚せい剤などが乱用される機構を整理し,それらが法規制の対象になるに至った経緯などについて通覧することにより,今日の「合法ドラッグ」の性質やその危険性を明らかにすることを目的としている。
著者
落合 敏秋 臼井 章夫 松本 清司 関田 清司 内藤 克司 川崎 靖 降矢 強 戸部 満寿夫
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.605-616_1, 1985-12-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
18
被引用文献数
1 2

緑青の主成分とされる塩基性炭酸銅の急性及び慢性経口毒性試験をSlc: Wistarラットを用いて行った. 急性毒性試験で, LD50値は雄: 1350mg/kg, 雌: 1495mg/kgであった. 慢性試験では0, 70, 220, 670及び2000ppm塩基性炭酸銅添加固型飼料を12か月間投与した. 2000ppm群で体重増加抑制 (雄, 雌), 血清GOT,GPT, LDHの上昇が実験期間を通して観察された. 組織学的には, 雌雄2000ppm群で肝臓の単細胞壊死の発現数が有意に増加した. 以上, 塩基性炭酸銅の2000ppmはラットに肝臓障害を起こすものと結論された.
著者
関田 清司 井上 達
出版者
日本毒性学会
雑誌
The Journal of Toxicological Sciences (ISSN:03881350)
巻号頁・発行日
vol.24, no.5, pp.app.147-app.158, 1999-12-20

今日,コカインや覚せい剤などの薬物乱用問題は世界的な取り組の対象となっている。わが国においても,一時,減少傾向にあった覚せい剤の乱用者数が,特にこの数年,増加傾向と低年齢化を示しており危機に直面している。こうした,乱用される薬物は,生体に摂取されることにより,その薬理作用による高揚感や多幸感などの精神的「満足感」を引き起こす。脱し難い薬物依存の形成機序はともかくとして,薬物乱用はこの自覚効果の再体験への欲求にもとづく行動と考えられている。ところで近年,コカインや覚せい剤などのように麻薬及び向精神薬取締法などの法規の取締対象物として所持や使用が厳しく規制を受ける「違法な薬物」とは別に,これらの法的規制外で、多幸感や気分の高揚が得られるなどとの標傍のもとに,いわゆる「合法ドラッグ」と称する「商品」が流通している実態がある。現在取締対象となっている「乱用薬物」も、多くは今日の「合法ドラッグ」に似た位置づけにあったものと考えられるので、本稿では,代表的な「乱用薬物」であるコカインや覚せい剤などが乱用される機構を整理し,それらが法規制の対象になるに至った経緯などについて通覧することにより,今日の「合法ドラッグ」の性質やその危険性を明らかにすることを目的としている。
著者
小川 幸男 関田 清司 梅村 隆志 斎藤 実 小野 敦 川崎 靖 内田 雄幸 松島 裕子 井上 達 菅野 純
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.8-18, 2004-02-25
被引用文献数
11

雌雄のWistarラットに,0.00, 0.01, 0.10および1.00%の割合でギムネマ・シルベスタ葉の抽出粉末(GS)を基礎飼料に添加した餌を52週間与えた.試験期間中,GS投与に関連する動物の死亡はなく,体重,摂餌量,血液学,血液生化学および病理組織学的検査における変化は認められなかった.52週間のGS 1.00% 添加飼料(一日平均摂取量,雄504 mg/kg/day, 雌563 mg/kg/day)の摂取量は,ラットにおいて毒性変化の認められない用量(NOAEL)であると推論した.
著者
小川 幸男 関田 清司 梅村 隆志 斎藤 実 小野 敦 川崎 靖 内田 雄幸 松島 裕子 井上 達 菅野 純
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.8-18, 2004-02-25 (Released:2009-01-21)
参考文献数
29
被引用文献数
4 11

雌雄のWistarラットに,0.00, 0.01, 0.10および1.00%の割合でギムネマ・シルベスタ葉の抽出粉末(GS)を基礎飼料に添加した餌を52週間与えた.試験期間中,GS投与に関連する動物の死亡はなく,体重,摂餌量,血液学,血液生化学および病理組織学的検査における変化は認められなかった.52週間のGS 1.00% 添加飼料(一日平均摂取量,雄504 mg/kg/day, 雌563 mg/kg/day)の摂取量は,ラットにおいて毒性変化の認められない用量(NOAEL)であると推論した.