- 著者
-
阪口 英夫
- 出版者
- 日本医真菌学会
- 雑誌
- Medical Mycology Journal (ISSN:21856486)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.2, pp.J43-J49, 2017 (Released:2017-05-31)
- 参考文献数
- 12
- 被引用文献数
-
16
近年,高齢者における口腔カンジダ症が増加している.これは,高齢者の増加が大きな理由であると考えられるが,口腔カンジダ症が高齢者に多いことが知られるようになってきたことも要因の1つであると考える.口腔カンジダ症には,3つの病型が存在する.白苔の出現がみられる偽膜性口腔カンジダ症,紅斑の出現がみられる紅斑性口腔カンジダ症,粘膜の肥厚が現れる肥厚性口腔カンジダ症である.これらの治療には,高齢者ではおもにミコナゾールゲルの投与が行われている.高齢者の口腔カンジダ症は繰り返し発症することが多い.そのため,発症後の再発予防が重要となる.再発予防には抗真菌性(antifungal)をもつヒノキチオールを配合した口腔保湿剤を定期的に使用することが推奨される.