著者
大谷 和彦 薄井 雅夫 青木 純子
出版者
栃木県農業試験場
雑誌
栃木県農業試験場研究報告 (ISSN:03889270)
巻号頁・発行日
no.52, pp.1-18, 2003-12
被引用文献数
1

1995-1999年栃木県産米のタンパク質含有率(玄米乾物)の平均値は7.55%で、5.4-10.2%と変動の幅が大きかった。その変動要因は、地域、品種および土壌ごとに異なっていた。そして、食味改善のためにはタンパク質含有率を8%以下にする必要があった。米タンパク質含有率を高めてしまう肥培管理は、基肥や追肥で窒素を多く施肥することであった。多湿黒ボク土において、基肥窒素量0.2kg/a、出穂前40日に肥効調節型窒素肥料で0.2kg/aの計0.4kg/a、慣行の6割に窒素施肥量を減らすと、米タンパク質含有率が明らかに下がった。気象要因では、登熟期の積算気温の関与が大きかった。特に、登熟後半も高温が続くとタンパク質含有率は高まった。また、出穂前20日の生育量から、タンパク質含有率および玄米収量を予測することができた。
著者
形本 静夫 青木 純一郎 内藤 久士
出版者
順天堂大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1989

ソフトボ-ル部活動が児童の体格および体力、特に健康に関連した体力要素に及ぼす影響を1年間にわたり追跡研究した。また、同時に練習時の運動強度およびエネルギ-消費量ならびに練習による尿中成分の変化についても検討を加えた。被験者にはソフトボ-ル部活動に定期的に参加している小学校4年生男子7名と5年生男子6名の計13名と日頃規則的に身体活動を行なっていない5年生男子6名を用いた。なお、5年生部員は翌年の8月の時点でトレ-ニングを中止した。練習時間は冬季が約2時間、夏季は4〜5時間であった。部員が冬季および夏季にそれぞれ平均1時間53分および4時間31分練習に参加したときの運動強度は、被験者のVo_2maxの46±11および39±13%に相当し、冬季の方が高い傾向にあった。また、1時間当たりのエネルギ-消費量も冬季(235±62kcal)が夏季(200±59kcal)よりも高い傾向にあった。しかし、部員が夏季に1日5時間の練習に参加したときのエネルギ-消費量は彼らの1日のエネルギ-所要量の約1/2の1000kcalに達し、栄養学的な配慮が不可欠であることが示唆された。また、練習による蛋白尿の出現は冬季に17例中8例(±〜+)、夏季に18例中11例(±〜++)に認められたが、++の反応(3例)は夏季のみにしか観察されなかった。1年後、トレ-ニングを継続した4年生部員の身長、体重、除脂肪体重、握力、背筋力、垂直跳び、反復横跳びおよび最大換気量ならびにVo_2maxの絶対値には有意な改善が認められた。しかし、体脂肪率や体重1kg当たりの最大換気量およびVo_2maxに有意な変化は見られなかった。このような傾向は夏以降トレ-ニングを中止した5年生部員や対照群の児童にも観察され、定期的なソフトボ-ルへの練習参加が児童の体格や健康に関連した体力要素に及ぼす影響は必ずしも明らかではなかった。