著者
Zarkasie Kamaluddin 沢田 拓士 吉田 孝冶 高橋 勇 高橋 敏雄
出版者
JAPANESE SOCIETY OF VETERINARY SCIENCE
雑誌
Journal of Veterinary Medical Science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.87-90, 1996
被引用文献数
6

血清型2型の豚丹毒菌5株の液体培地における増殖性, 全培養菌液で調製した不活化ワクチンのマウスにおける免疫原性, 菌体表層蛋白のSDS-PAGEプロファイル, およびそのイムノブロット像を比較したところ, 多摩-96株は安定した増殖性を示し, 免疫原性が最も高かった. 菌体表層蛋白のSDS-PAGE像とイムノブロット像は供試株間でほぼ類似し, 66-64kDa蛋白が主要共通抗原として認められた.
著者
高橋 敏能
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.13-19, 1984
被引用文献数
1

メン羊3頭を用い,濃厚飼料と粗飼料の給与割合が第一胃液の総脂質含量,脂肪酸組成および微生物中の脂肪酸組成に与える影響を調べた.濃厚飼料(日本農産製ビーフデラックス)と粗飼料(チモシー主体乾草)の比を9:1,5:5および1:9とし,それぞれ600~700g/日を給与した.試験開始2週間後に給餌後1~3時間間隔で24時間にわたり第一胃内容をフィステルより採取し,2重ガーゼでロ過して第一胃液とした.更に同液よりプロトゾアおよび細菌を分画し,それぞれを分析に供した.その結果,第一胃液中の総脂質含量は濃厚飼料多給で顕著に多くなった.給餌後の経時的な観察では,濃厚飼料多給で採食開始4時間まで著しく減少し以後15時間まで漸増したが,粗飼料多給ではほとんど変化がなかった.第一胃液,プロトゾア,細菌中のC<sub>18:0</sub>およびC<sub>18:1</sub>脂肪酸は濃厚飼料多給時に多く,C<sub>17</sub>以下の脂肪酸は糧飼料多給時に多かった.第一胃液および細菌分画のC<sub>18:0</sub>脂肪酸は採食開始4時間まで減少し以後漸増しC<sub>18:1</sub>脂肪酸はC<sub>18:0</sub>脂肪酸と逆の変化を示した.プロトゾア分画のC<sub>18:0</sub>およびC<sub>18:1</sub>脂肪酸は有意な経時的変化を示さなかった.第一胃液中の側鎖脂肪酸は濃厚飼料多給時に低く経時的変化も殆どなかったが,粗飼料多給時には採食開始4時間まで著しく増加し,以後漸減した.特にアンテイソC<sub>13</sub>脂肪酸が,0.5%から11.1%と20倍以上も増加した.この増加は微生物に由来するものではなく無菌液中で起こる現象と思われた.一方,微生物中の側鎖脂肪酸は粗飼料多給時に高かったが経時的変化は見られなかった.