著者
黒田 澤井 玲子 佐々木 裕 西川 智子 黒田 和道 桜井 孝治 山本 樹生 清水 一史
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.496-498, 2011-10-15
被引用文献数
2

我々は,カリン(<I>Chaenomeles sinensis</I>)中の高分子ポリフェノールの季節性インフルエンザウイルス A/Udorn/ 307/72 (H3N2)に対する感染性中和活性および赤血球凝集抑制効果を既に報告している.<BR> カリン中の活性画分CSD3を用いて,新型インフルエンザウイルス A/Chiba/1001/2009 (H1N1) pdm に対する赤血球凝集抑制活性および感染性中和活性を評価したところ,5 μg/ml のCSD3で処理したウイルスは赤血球凝集価が約1/2に,感染性が約1/10に減少することが明らかになった.250 μg/mlの処理では感染価は1/3 000に減少したこれらの結果は,カリン中の抗インフルエンザウイルス活性成分は,H1N1新型インフルエンザウイルスに対しても有効であることを示す.更に,赤血球凝集価の減少以上に感染性が減少したことからウイルス吸着段階以降における抑制作用の存在が示唆された.
著者
黒田(澤井) 玲子 佐々木 裕 西川 智子 黒田 和道 桜井 孝治 山本 樹生 清水 一史
出版者
社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.496-498, 2011-10-15 (Released:2011-11-30)
参考文献数
5
被引用文献数
1 2

我々は,カリン(Chaenomeles sinensis)中の高分子ポリフェノールの季節性インフルエンザウイルス A/Udorn/ 307/72 (H3N2)に対する感染性中和活性および赤血球凝集抑制効果を既に報告している. カリン中の活性画分CSD3を用いて,新型インフルエンザウイルス A/Chiba/1001/2009 (H1N1) pdm に対する赤血球凝集抑制活性および感染性中和活性を評価したところ,5 μg/ml のCSD3で処理したウイルスは赤血球凝集価が約1/2に,感染性が約1/10に減少することが明らかになった.250 μg/mlの処理では感染価は1/3 000に減少したこれらの結果は,カリン中の抗インフルエンザウイルス活性成分は,H1N1新型インフルエンザウイルスに対しても有効であることを示す.更に,赤血球凝集価の減少以上に感染性が減少したことからウイルス吸着段階以降における抑制作用の存在が示唆された.
著者
寺本 紘子 相澤(小峯) 志保子 真島 洋子 泉 泰之 芝田 克敏 黒田 和道 早川 智
出版者
日本大学医学会
雑誌
日大医学雑誌 (ISSN:00290424)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.16-20, 2009 (Released:2009-12-15)
参考文献数
11

漢方薬には,感冒様症状に対する多くの方剤があり,臨床の場面で処方されることも多い.本研究では,感冒様症状に対し処方される代表的な 4 方剤 (葛根湯,麻黄湯,小青竜湯,桂枝湯) に関して,ヒト末梢血単核細胞 (PBMC) のインフルエンザ HA 抗原特異的 Interferon-gamma (IFN-γ) 産生に対する漢方薬の影響,ならびにインフルエンザウイルス複製に及ぼす影響をELISPOT法とHA法で検討した.その結果,葛根湯,麻黄湯, 小青竜湯, 桂枝湯はいずれも 1-1000μg の範囲で,インフルエンザワクチン接種を受けた 6 名の健常者の PBMC のインフルエンザ HA 抗原特異的 IFN-g 産生を抑制した.小青竜湯は単独で PBMC の viability を低下させた.他の 3 方剤においても,インフルエンザ HA 抗原刺激下では抗原単独刺激に比較してPBMC の viability を低下させた.葛根湯,麻黄湯,小青竜湯,桂枝湯はいずれもインフルエンザウイルスの複製・増殖を抑制しなかった. 以上の結果より,葛根湯,麻黄湯,小青竜湯,桂枝湯のインフルエンザ感染に対する臨床症状の改善効果は,特異的免疫応答の増強ではなく,炎症反応の抑制によるものである可能性が示唆された.
著者
深野 義人 宮澤 由妃 見越 大樹 井上 寿男 丸岡 秀一郎 黒田 和道 権 寧博 橋本 修 山岸 賢司
出版者
Society of Computer Chemistry, Japan
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.332-334, 2015

To establish a system for the early diagnosis of respiratory diseases, we developed a method for analyzing RNA sequence data obtained by next-generation sequencer identify genes showing altered expression as biomarkers of respiratory tract infection. The respiratory tracts of mice were exposed to lipopolysaccharide to establish a model of respiratory disease. Twenty-five genes exhibited significantly altered RNA expression following exposure. We identified non-coding RNAs in five regions that could be candidate biomarkers of respiratory diseases.
著者
宮澤 由妃 深野 義人 見越 大樹 井上 寿男 丸岡 秀一郎 黒田 和道 権 寧博 橋本 修 山岸 賢司
出版者
日本コンピュータ化学会
雑誌
Journal of Computer Chemistry, Japan (ISSN:13471767)
巻号頁・発行日
vol.13, no.6, pp.310-311, 2014 (Released:2014-12-31)
参考文献数
4

Next-generation sequencers (NGS) have made it possible to analyze entire genome sequence. NGS can be used for the identification of genes associated with a wide variety of diseases. We investigate RNAs encoded by intergenic regions to identify novel genes that are involved in respiratory diseases. The respiratory tracts of mice were exposed to lipopolysaccharide to establish a model of respiratory disease. RNA expression levels in the mouse exosome were analyzed by NGS to identify genes involved in the development of respiratory diseases. Several disease-related regions exhibited altered expression levels of intergenic RNAs.
著者
黒田 和道 芝田 敏克
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

インフルエンザウイルスのM1に蛍光タンパク質を付加したもの(GFP-M1)と全反射照明蛍光顕微鏡を用い、ウイルス粒子形成過程の生細胞での観察を試みた。GFP-M1発現細胞にウイルスを感染させたところ、約8時間後からGFP-M1の顆粒状構造が細胞表面に観察され始め、その後、顆粒は集積傾向を示した。もう一つのウイルスタンパク質であるHAでも同様な傾向が確認された。これは、GFP-M1顆粒形成がウイルス粒子形成に対応することを示す。