著者
齊藤 愼一 海老根 直之 島田 美恵子 吉武 裕 田中 宏暁
出版者
The Japanese Society of Nutrition and Dietetics
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.317-332, 1999-12-01 (Released:2010-02-09)
参考文献数
54
被引用文献数
2 2

エネルギー所要量は栄養所要量の基礎とされている。幼児期から高齢期まで生涯にわたり健康で活力のある生活を送るには, どれだけ食べればよいかを考えることに加えて適切な運動を生活に取り入れることが重要である。一方, 激しいトレーニングを行うスポーツ選手では, 不適切なエネルギー摂取は競技成績の低下につながりやすい。このような点から, 我が国に限らず世界各国で1日のエネルギー消費量の適正な測定法に関心が集まっている。二重標識水 (Doubly Labeled Water; DLW) 法は, エネルギー消費量測定法の比較的新しい方法であり, 実験室内でも実験室外でも幅広く使用できる。日常生活状態のエネルギー消費量を測定できるゴールドスタンダードであり, 得られた値はより実際に近い状況でのエネルギー消費量の基準となると考えられている。しかし, 使用する安定同位体の酸素-18 (18O) の価格及び分析機器が高額なので, 多数の被験者を用いる実験や疫学的調査あるいは教育プログラムへの応用には制限がある。ここでは, この原理と実際の測定について解説し, 加えて健康づくりの運動やスポーツへの応用についても述べた。
著者
齊藤 愼一 土田 博 向井 直樹 阿部 岳
出版者
筑波大学体育科学系
雑誌
筑波大学体育科学系紀要 (ISSN:03867129)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.71-78, 2001-03
被引用文献数
4

持久性運動能力と栄養に関するこれまでの研究から,脂肪(酸)のエネルギー代謝が活発化したなかで運動を遂行すると運動継続時間が延長することが動物でもヒトでも明らかにされている18)。これに関して, ...
著者
齊藤 愼一 土田 博 向井 直樹 阿部 岳
出版者
筑波大学体育科学系
雑誌
体育科学系紀要 (ISSN:03867129)
巻号頁・発行日
vol.24, pp.71-78, 2001-03

持久性運動能力と栄養に関するこれまでの研究から,脂肪(酸)のエネルギー代謝が活発化したなかで運動を遂行すると運動継続時間が延長することが動物でもヒトでも明らかにされている18)。これに関して, ...
著者
齊藤 愼一
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本研究の目的は、持久性運動後に低下した筋グリコーゲンの回復について、炭水化物摂取タイミングの栄養効果をヒトで明らかにすることに加えて、もっと簡便にその効果を知ることのできる方法の開発にある。平成9年度には、夕方の練習で低下した筋グリコーゲンを翌朝の早朝練習の前までに充分回復させるために、夕食のタイミング(練習終了後から夕食まで)のあり方に目標を絞って、以下の様に検討した。すなわち、健康な成人男子を用いて、1週間の間隔をとって2回、2日間づつの実験日を設けた。いずれの実験でも第一日の夕方に10キロメートルを負荷し、その直後にウエイトトレーニングを負荷した後に、調製した夕食を運動負荷終了後1時間以内と、3時間後の場合の2つに分けて実験を行った。いずれの実験でも一夜安静に休養させた後の翌朝の朝食前に大腿筋より筋サンプルを採取した。また、前日の運動直後にも大腿筋より筋サンプルを採取した。これらのサンプルの筋グリコーゲンを分析した。その結果、運動直後に夕食をとると翌朝の筋グリコーゲン量は高くなり有意に回復したが、運動3時間後に夕食をとると回復が不完全なものが認められた。したがって、夕方の練習で低下した筋グリコーゲンを、翌朝の朝練習前までに回復させるには確実性が高いことがわかった.平成10年度は、平成9年度とほぼ同じ実験をおこなった.第一日の夕方のトレーニング後に、調製した夕食を運動負荷終了2時間後にとる条件で、1つは運動直後に高糖質食のコーンフロステをとる場合ととらない場合の2つに分けて実験を行った。いずれの実験でも一夜安静に休養させた後の翌朝の朝食前に血液を採取し、その後に調整食をとらせ、その後15,30,60,90分に採血した。その結果、運動直後に高糖質の補食をとっても翌朝の朝食後の血糖反応に差はなかった。