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著者
黒崎 宏
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.53-54, 1994-12-25 (Released:2009-07-23)
著者
中野 伸二
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.57-62, 1995-03-31 (Released:2009-07-23)
参考文献数
8

ライプニッツの「可能性」概念には少なくとも2つの意味(1)を見出すことができる。そして, この2つの意味の差異は, とりわけ形而上学的著作と論理学的著作の間で顕在化してくるように思われる。それら2つの意味については, ライプニッツが, 混乱して使用したのだという解釈も見られるが, ライプニッツ自身は次のように述べている。「個体的なもの, もしくは偶然的真理の可能性は, それらの概念の中に, それらの原因の可能性, 即ち神の自由決定の可能性を含んでいるからである。この点で, それらのものの可能性は, 種や永久真理のような『神の意志を仮定しないで, 専ら神の悟性に依存しているもの』の可能性とは異なっている」(G. II. 51. アルノー宛書簡)。ここからも明らかなように, 彼は, その2つの可能性概念の差異について, 十分に意識していた。そして, このことは論理学的著作の中でも次のように言及されている。「現実に存在するものは, 存在するもの即ち可能なものであって, その上に何ものかである。しかし, すべてを考慮しても, 現実存在するものにおいて, 存在のある度合以外の何が考えられるか私には分からない。…しかし私は, 『あるものが現実に存在すること』が可能であるということ, 即ち, 可能的現実存在をいおうとは思わない。これは本質自体にほかならないからである。…従って私は, 現実存在するものは, 最も多くのものと両立する存在, 即ち最大に可能な存在であると考える」(C. 376. “Generales Inquisitiones de Analysi Notionum et Veritatum”.以下『一般的研究』と略す.§73).従って, これらの可能性概念は, それぞれの分野で異なった意味で用いられているばかりでなく, 後により詳細に検討するように, 非常に重要な哲学的役割を担わされていると考えられる。そこで, ここでは, こうした可能性概念の二重性の背後に彼がどのような問題意識を抱いていたのか, あるいはまた, このような二重性を認めることにどのような哲学的な意図が込められていたのかについて考えてみたいと思う。そのためにまず, 可能性という概念がそれぞれの分野でどの様な意味で用いられていたのかを見てみよう。
著者
大川 修司
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.63-69, 1995-03-31 (Released:2009-07-23)
参考文献数
19

ダーウィンの進化論が生物学で確固たる地位を築いた後, 進化論は生物学以外の分野においてもその思想は多大な影響を及ぼしており, 同時に進化論という言葉が多義的に用いられるようになってきている。特に優生学に代表されるような進化思想と社会をめぐる研究は数多く報告されている。その一方で, 生物学以外の自然科学分野における進化論の影響についてはあまり語られていない。本稿は, 進化生物学者であるエルンスト・メイヤーと, 物理学的な背景をもち進化論からの影響を受け独自の科学思想を発展させたカール・ポパーの進化論解釈を比較することにより, その多義性を明らかにしようとするものである。特に, ダーウィンの進化論が問題提起したとされる人間中心主義思想に対して両者は全く異なる立場をとっている点を議論の中心的なテーマとする。
著者
中島 敏幸
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.71-77, 1995-03-31 (Released:2009-07-23)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1
著者
中川 維子
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.93-98, 1995-03-31 (Released:2009-07-23)
参考文献数
12

本稿は, 人の行為を説明するものとしてしばしば使用される「心的表示」 (mental representation) という概念をめぐる考察である。この概念, およびそれを使用した理論は, 企図に反して従来の「信念」や「欲求」による常識的な説明法-所謂「民間心理学」-を擁護し得ないものの, 常識的な説明法はそのような仕方で救済される必要はないというのが結論となる。
著者
大辻 正晴
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.21-26, 1994-12-25 (Released:2010-01-20)
参考文献数
9

1913年, ウィトゲンシュタインは, 師ラッセルの所謂「判断の多項関係理論 (multiple relation theory of judgement)」に対して, ある批判を行った。ラッセルはこの批判によって絶大な打撃を受け, 認識論における主著たらしむべく執筆中であった『知識の理論』(R4)を, 中途で放棄するに至ったのである。私は本稿で, 従来明瞭と言い難かったこの批判の眼目について, 一つの新しい解釈を提出したい。そしてラッセルの失敗の原因を考察し, 件の批判において示されている, 思考法のある転換を明確にしたい。
著者
佐藤 透
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.41-46, 1994-12-25 (Released:2009-07-23)
参考文献数
14
著者
中島 敏幸
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.191-196, 1994-03-31 (Released:2009-09-04)
参考文献数
20
被引用文献数
2 1